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2017-11

精進の懐石 - 2013.09.01 Sun

真の茶事、、、なんて名前は聞いたことあるけど〜、、、というくらいで全くout of consciousでした。まあ、菓子が七種出るってことくらいしか知らないし。調べてみると、茶名拝領や引次の際にされるお社中もあるとか。縁がなかったなあ、、、。

真の茶事の流れを調べてみる。それではじめてわかる真台子(真の行台子)の所作の意味もあったりして、これは一度是非経験したいものだ!と思いました。あ、もちろん客として(^_^;

真の炭、真台子(濃茶)の点前は習っているので知っているわけですが、懐石ってどんなんやろ。

なぜ突然に真の茶事のことが意識にのぼってきたのかというと、懐石秘密箱の「精進編」のご縁であります。

富山の若くて熱い茶料理の出張・仕出し専門 懐石・万惣さんが主催する懐石秘密箱。全国あちこちでご出張の時にあわせて開催中。懐石のお話し、というよりは講義というくらい中味の深いもの+実際に懐石をいただく、という会。今回京都でされる、ということで初めての参加です。

最初、精進の懐石の道具、真の茶事、歴史などについて講義を拝聴。ほんとに半端じゃない知識をお持ちです。小習いの、今まで何年も何回も繰り返してやってきている所作の意味をはじめてここで知ることになろうとは!


まずは懐石道具から。
一口に精進と言っても、真の茶事、追善の茶事などで道具は若干変わってくるらしいですが基本はこれ。(一部記憶が不確かなところもありますので間違っていましたらご指摘下さい。^_^;)


P1040613.jpg


すべて朱塗り。

利休が所持していた道具として伝わった形が(表千家に伝わるので、表さんの真の茶事が一番きちんと整えられているとか)右の隅切折敷、四つ椀、楪子(ちゃつ:真ん中の向付の位置にある皿)、豆子(るつ:表さんでは「づつ」)+飯器+煮物椀。
ちなみに豆子にはへぎ梅、もしくは香物をいれ、ここに酒を入れてもらう。

普通の懐石でも、盃がついてきたらなんとなく向付を左に動かして、四つ椀ときれいな四角形をつくりたくなるけれど、四つ椀+向付(楪子)は三角形を作っていなければいけないんですって。(意味はわすれたけれど多分陰陽五行とかそのあたり?)

さらにこれに塗りの酒器、湯斗、湯の子すくい、給仕盆、で一式そろいます。ちなみに真の茶事では客の箸は柳箸(普通の茶事では杉)。

講義の後はいよいよお楽しみの精進懐石を実際にいただきながらお話しを聞く。ここでもいままで知らなかった懐石の作法(普通の茶事でも)とその意味を聞いて、目からウロコぼろぼろ。

料理の内容についてはあまり詳しくは書けませんが、植物性の食材だけでこんなに豊かな料理ができるのか、、、と驚きました。うれしいなあ。
お出汁も当然鰹はダメ。盛りつけも真の懐石はひたすらまっすぐ並べる。きれいに見せようという作為は一切NGなんだそう。


P1040621.jpg
(ちなみに箸は本来竹箸ですが、万惣さん持ってくるのを忘れた〜って、、、^_^; )


これは引重(ひきじゅう)。下の段に焼物(この場合は精進なので焼き魚などのなまぐさではなく野菜料理)、上の段に香物をいれます。現在のように普通の茶事の焼物の器に陶磁器を使うようになったのは明治期以降と新しく、それ以前は焼物とはいわず、「引物」「引菜」と呼ばれたので、用いる容器は「引重」。

そういえば「引重の上の段にはなにをいれますか?」という問題が茶道文化検定の問題集にのっていて、なんのことだかさっぱりわからなかったのよね。やっと納得。

真の茶事では湯斗はでますが、小吸物、八寸はでません。
精進懐石をいただいて、七種の菓子を食べ、中立。真の行台子で濃茶をいただき終了。これで仏様になったのと同じ、、、ってことになるんだそうです。

その後は!!


座敷を移動して、悟りをひらいたんだからもう無礼講!なまぐさでもなんでも来い!、、、という「後段」とよばれる席が付きます。利休時代以前、書院の茶時代にはそれがあたりまえだったけれど、利休の時代に侘びにそぐわない、として廃れましたが、利休亡き後すぐに復活したのだそう。(茶人といえども飲んで騒いでが実は好きだったのね)ちなみに茶席に燗鍋の持ち込みをはじめてしたのは古田織部だったようで。


P1040627.jpg


後段は黒塗りや華やかな蒔絵の折敷などが好まれ、ぱあっと雰囲気を変えて明るくなります。ここで小吸物のかわりとなる汁は必ず味噌仕立て。魚の身もはいったこってりした汁物。それから刺身の向付。八寸が出て盃になります。ちなみに千鳥の盃は江戸後期に確立した新しいものだったようです。
強肴が数種、そのまま、あるいは席を改めて薄茶席になだれこむ。

私が理解した真の茶事の流れはこんなものですが、亭主の裁量によってヴァリエーションはありだそうです。
う〜ん。ますます真の茶事、参席してみたい!亭主やりたいって言わないから。(できないし)


それにしても諸流派の約束事に通じ、懐石の蘊蓄を語り出したらとまらない、万惣さんは熱い方だったなあ。


最後に会場になった東本願寺さんのすぐそばの、となみ(砺波)詰所()について少し。


P1040630.jpg



詰所とは江戸時代東本願寺の火災などのあとに、その再建のため食料を持参し家業をほってお手伝いに馳せ参じた門徒さんの合宿所。それぞれの出身地別に詰所があり、砺波は富山県砺波地方からの門徒さんを受け入れてきた200年以上の歴史のある宿泊施設です。(万惣さんも富山です)

近年詰所はどんどん減ってきており、ここも数年前閉鎖、ビジネスホテルへの建て替えという計画がもちあがりましたが、砺波地方の僧侶や門徒たちの反対運動が実を結び、今の時代に合った方式に経営を転換して維持して行っているそうです。

今ではだれでも宿泊できるそうで、素泊まり1泊二人以上なら3800円、朝食600円!お安いです。立地も超便利ですので、宿泊にお金をかけずに京都旅行を、と思われる方、是非!



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● COMMENT ●

真の茶事ですか!
次回は誘って下さいな。どういうサークルなのでしょうか?いいですね。
幻の茶事ですね。私も一度だけ 参加したことがありますが バタバタしたので 今度はゆっくり客で参加すると少しは流れが判るかもしれませんね。
長くかかりましたでしょう。

富山の万惣は聞いたころがあります。
もしかして 富山駅の近くの店かしら?

ひいらぎ様

真の茶事ではありません。
真の茶事はじめ精進の懐石をだす茶事の懐石についての講義と、じっさい料理をいただく、というものでした。ほんまの真の茶事はいまのところ経験も予定もナシ。
全国あちこちで懐石秘密箱はしてはるようなので、また近くで開催されるときは行きたいですね。声かけます。
万惣さんはHPがありますのでそちらを見てね!

引重の香の物の問題から、不思議に思ってたんですよ。いつの時代にどんな風に使われたのかと。タムリーで貴重な情報、ありがとうございます。私たちが習っている今の形は、長い歴史の中でのひとつの流派の一形態なんですね。知れば知るほど面白いけど、広すぎて深すぎて大変だわー。

真の茶事!!
現実にはどのような方々がなさるのでしょう?
私のようなものはガラスの向こう側でしか拝見出来ない本物の唐物のお道具を使われて、…さぞ深い世界が展開されるのでしょうね。
せめてガラスの向こうから拝見したいです。

そらいろつばめ様

引重、、、って名前も知らなかった。百聞は一見にしかず。これでよ〜くわかりました。
拙い文章だらけの記事で、ちゃんと読んでくれる人っているのかしら、、、と思っていましたが、大変なときなのに、きちんと読んでくださってありがとうございます。これを好機と検定1級のお勉強でしょうか?∈^0^∋

ぴお様

確かに真の行台子では唐物茶入、唐物天目茶碗ですが、それを使ってお茶事をできる人は数えるほどしかおられないでしょう。(^_^;  
普通のお稽古場で茶名や引次拝領のときに、唐物は使えなくても普段のお稽古道具で茶事をして、朱塗りの懐石道具で精進、、ということならわりと参加の機会はあると思っています。実際そのような真の茶事に行かれた方を何人かしっていますし。


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