「MIHO MUSEUMの現代美術」展〜MIHO MUSEUM - 2021.05.22 Sat
今日ははるばる信楽の山の中、MIHO MUSEUMへ。

今季の展示はMIHOが持っている現代美術の数々、今までほとんど公開されなかった所蔵品の展示。そういえばMIHOが現代美術も所蔵しているとは知らなかった。
桜の頃はそれでも人出があったのだろうが、この季節、予約制ということもあってか静かで人もほとんどいない。鳥の声がよく聞こえるわけだ。
作品は明治〜のもので、白山松哉、岸田劉生、バーナード・リーチ、それに東大寺観音院をアトリエとした須田剋太や杉本健吉、民藝の芹沢銈介、河井寛次郎、黒田辰秋などなど。
入り口入ったところに狩野芳崖のかの有名な「悲母観音像」がありびっくりしたが、これは川島セルコンが織物で再現した物だった。ホンモノと見まがうくらい。
白山松哉(しょうさい)の棗や香合が何点か。彼の名前はしらなかったのだが、明治から大正に活躍した漆芸家なのだそうだ。岸田劉生の素描に近い童女図、麗子をほうふつとさせる童女が菊の花を投げ入れしようとしている場面がかわいい。(麗子像は時に不気味だが)
とてもうれしかったのは、東大寺観音院の名前がでていること。ここは上司海雲師(いまや修二会の顔?声?である上司永照師の大叔父さん)を中心としたサロンであって、須田や杉本の他、志賀直哉、会津八一、須田剋太、入江泰吉なども集ったという。
これが昨年夏訪れた観音院の入り口。(なんとほうせき箱さんの出張一日かき氷屋のイベントであった)
コレクションは須田の物が多い。描かれた人物が舞妓だろうと童だろうと、みんな怒っているような顔をしている。入江(泰吉)さんところ(戒壇堂の近く)の柿が、、、という手紙もあって、奈良好きとしてはなんだかうれしくなる。
杉本のはやはり奈良が題材のものが多くて、これもうれしい。
散華をたくさん描いていらして、これがまた可愛くて。100才になる年の愛知万博(2005)のために100枚の幡を描く計画をたてたが、惜しくも99才で亡くなった。その幡二枚も展示。
民藝系では染色の芹沢銈介が圧倒的に多い。
一番印象的なのが「いろは文二曲屏風」
「ろ」なら「ろくろ」
「は」なら「葉っぱ」
「に」なら「にわとり」、、、(「い」がワカラン、、、)
とカルタみたいに文字の絵が描かれているのがとても気に入って、全部見てしまった。
どこまでを現代というのかむつかしいところだが、杉本や、須田は同時代を共有した方達なんで、ああ、自分も歴史の一部になりつつあるな、、、の感。
MIHO名物?のエントランスから美術館までのカート。
人が少ないので少々暇そう。
ここのいつもは人気で待ち時間の長いレストランも、本日はすきすき。ありがたくランチした。
帰り道、信楽のあちこちで山藤がいろんな木にまとわりついて咲き誇っている姿を見た。これも一見藤の木に見えるが、元木は別なのよ。
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● COMMENT ●
ぢょん でんばあ 様
お金持ちがこういう文化的なことにお金を使ってくれるのは、むしろありがたいです。
なるほど!藺笠!流鏑馬の時に被るやつですね。スッキリしました。ありがとうございます。
なるほど!藺笠!流鏑馬の時に被るやつですね。スッキリしました。ありがとうございます。
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ミホミュージアム豪華ですねえ。ヒガミやイヤミでなく、お金あるっていいなあと思います。
芹沢の屏風の「い」は藺笠とちがうかしら。