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2023-10

湖国の恵みいっぱいの茶事 - 2021.05.20 Thu

数年ぶりに湖国のお茶友さんとこの茶事。いつも珍しい湖国の恵みいっぱいの懐石がとても楽しみなんである。(いや、食べにいっているわけではなくて、、、(^_^;)


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ここには、私が宝塚時代、作ろうとして挫折した理想のイングリッシュガーデンがある。


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病気もせず虫害も少なく、お互いに自然の領分を守って多種多様の花が咲いているのはすごいとしか言い様がない。その苦労がわかるだけに。


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洋花も多いが、茶花にもことかかないことだとうらやましく思う。


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ヨモギまで堂々と植わっているのは(うちらの近辺では完全に雑草扱い)、これでお菓子やお料理を作らはるからだ。
待合には竹の絵が掛けられ、汲み出しにはかわいらしい虎の絵が。清風在竹林かしら。

ここの待合からは紫陽花に似たムシカリの木が見えるのだが、今も健在、すでに実を結んでいた。


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アカンサスに囲まれた蹲居をつかって席入り。
本席は六畳、床には大徳寺のどなたか(失念しました)の描いた茶杓の絵と歌が。こんな茶杓がでてくるのかしらと期待。


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さて、お楽しみの懐石、向付の刺身(これも湖国らしく鯉)に載っているのがカキドオシという植物。垣根をも通すくらいに強く繁殖する草らしいが、これが食用になるとは!以前にもイタドリを食べさせていただいたが、野草を食べる会会員並の知識をお持ちだ。



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ご飯が玄米というのも驚く。伊勢ヒカリというお米は、30年ほど前台風によってやられた伊勢神宮の御神田で唯一残った二株で、DNA的に新種だったという。なにやらありがた〜いお米である。かめばかむほどほんのり甘い。
利休麩の上に乗っているのも、ご自分でこしらえはった蕨を乾燥させた物。


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煮物椀もお手製のヨモギ胡麻豆腐。さきほどのお庭のヨモギかしらん。上にのっているのが柚子の花。これ好き。
焼きものは精進の蒲焼き(山芋と海苔で作る一見蒲焼きに見える)お手間がかかっている。


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小吸物のこれは何かわからんかった。
なんと山にはえているアケビの花をつけたものなんだそうですよ。なんと珍しい物を。


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八寸にこれも湖国のめぐみ、ハヤの鮒寿司と野草を揚げた物。
どれも美味しかった〜♪ 期待以上でありました。(だから食べに来たわけではない、、、)



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炭手前のあといただいたお菓子もまたすごい!(ちなみにこの籠もご亭主お手製)


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朴の葉でくるんだ団子。葉っぱをちぎっていただく。朴のよい香りが移ってほのかに甘い団子は胃袋にしみいる。
そういえば前回お招きいただいた時にはお菓子は別室で、囲炉裏のある部屋で自分であんころ餅を焼いて食べるというスタイルだった。あれにもびっくりしたが、これもビックリ。さすがである。



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中立
ふたたびイングリッシュガーデンを楽しむ。
ああ、懐かしいタツナミソウ(立つ波草)。宝塚の庭に道端からとってきたのを移植したら、けっこう繁殖して楽しませてくれた。



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後座の花もまたびっくりですよ〜(ビックリが多い)
これもおたずねするまで全くわからず。
なんとポポーというアケビに似た果物の花なんだそうだ。それに先ほどから食しているカキドオシの葉。意表をつかれっぱなし。

仕覆なしの大きな焼物の茶入に、櫂先が大きく弧を描く茶杓。この茶杓は何かに似ている、、、と思っていて、そうだ小鹿田焼を作る道具、飛び鉋に似ているんだ。(初座の軸の茶杓とはちょっと違ったが)
茶入には大きく銀色の「!」マークに似た釉薬がかかっていてなんという存在感。武田浪さんの作品だったかな。
ご亭主はご自宅で時々ギャラリーもされているので、お道具はその時に知り合った作家さんのものを一つ一つ集められたものなのだろうなあ。


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干菓子も楽しくたくさんだしていただいて、蕗の砂糖漬けとすはまと、大根の花!の砂糖漬けはお手製である。

ご先祖様がお使いだったという茶通箱と茶箱の間くらいのサイズの木地の茶箱で薄茶を。茶箱には「○○僧堂」の焼き印があるので、お坊さんが日常生活で使われていたものかもしれない。茶箱はやっぱり女子好みでいいわ〜♪明治のコインを埋め込んだ(どうやって埋め込んだのかワカラナイ)小さい茶箱用の御茶碗が可愛かった。
湖国は名水も豊富なので、本日ご用意下さり、最後に白湯としていただいた。



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自然食というのか、体に良いというのか、そのためには手を抜かないご亭主のポリシーがふんわり(おしつけがましくなく)伝わってきて、お道具もその延長上にあるように感じる。
また懐石食べに、、、いやお茶によばれたいです〜!

写真はお土産にいただいた、ご夫婦で栽培されている五色のお米。ご飯に混ぜて炊くと体にもよく、色も付いて美味しそう。


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● COMMENT ●

しぇるさん、こんにちは

先日の大雨、そちらの方は大丈夫でしたか?

降りましたね、本当に^^;

キャプションの、「湖国の恵み」

まさに、そのとうり

素晴らしい茶友さんですね^^

高兄様

お茶の楽しみ方は本当に多彩です。
我々の年代はもう年季が入ってるので、守破離の離でみんな遊んでる感じです。


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