宇治縣神社〜藪ノ内の茶事2021初夏 - 2021.05.24 Mon
いつのまにか初夏の宇治、縣神社。
老いたここのわんこもひなたぼっこしながらまどろんでいる。
早いもので、前の薮ノ内の若武者のお茶事からほぼ半年。
梅雨入り前の蒸し暑さながら、川風が心地良い一日である。
待合の瓢箪の絵を眺めてから席入り。
おお!もう蚊遣りの季節か!
特に神社やお寺さんは出るの早いだろうねえ。
本席の脇にもそっと蚊遣りのお気づかい。(これって入れ物、建水?)
薮ノ内の燕庵を8割方写した四畳半台目の棠庵(とうあん)席である。密をさけるため、そうでなくても八窓庵的障子窓の多い織部好みを反映した茶室、あちこち障子をあけるとさわやかな風がさ〜っと茶室を通りぬけ、気持ちの良いこと。
本席のお軸は薮ノ内の方にはたまらんでしょうね。
中興の祖・竹心(「源流茶話」「茶話真向翁」などの著作有り。利休に帰れを信条とす)の茶道の心構えを二代後の竹翁が写したもの。
千家流ではむしろ道安風炉の方が眉風炉よりよく使われるが、薮ノ内では基本眉風炉で、灰型や扱いが少々異なる道安はめずらしいのだそうだ。こちらの流派は風炉は真っ白の藤灰である。それにみんなが「豆腐」とよぶ、藤灰を長いキューブにかためたもの、また灰のフレークを上からふりかけたような景色、千家とずいぶん違って非常に興味深い。
月形を初炭で切って、すぐ藤灰で埋めるのも、おもしろい。(千家では初炭で切ったのを後炭で埋める)留炭がほとんど火入れの炭サイズであったのもびっくりした。
まずは老松の露を浴びた「紫陽花」きんとんをいただいて濃茶。
古備前の茶入にやたら大きい長い茶杓。銘を「小太刀」、さらに大きい「大太刀」という茶杓もあるそうで、滴翠美術館の山口家のどなたかの作。
水指が、呉須赤絵かと思うくらい上手な奥田頴川(江戸中期)のもの。
いつもは懐石は広間でいただくのだが、本日は3人の客であったので、そのまま小間でいただくことにした。
おや、これは???こんな器があったのね〜。
網に入った瓢の器(待合の瓢はこれだったのね)を展開すると、、、(ちょっと茶壺の網をぬがすようで楽しい♪)
なんとびっくり!これだけ入っている。しかもすべて若武者の手作り、懐石ならいにいこうかしらん、、と思ったわ。粽の中は餅米を皮ごと蒸したもので、もちもち、まるでお餅を食べているような幸福感。
懐石の後、いったん席を立って薄茶に入るとさきほど壁にかかっていた鉄線の花が墨蹟窓に。これは織部のこのみ。
各御茶碗が、それぞれ客の好みをついてきているのではないかと思う。だって私には大好物の三島の皿と平茶碗の間の微妙なサイズの茶碗が。これええなあ〜。
お水が縣神社の井戸水を使っておられるときいて、薄茶の後に白湯希望。宇治は桐原水はじめ、名水のわく場所だからね。
干菓子はご亭主お気に入りの塩芳軒さんの「しののめ」(黄色いお煎餅)。生姜糖をまぶしてあって、後をひくね、たしかに。
宇治はお茶よし、水よし、茶事をおこなうにぴったりの場所で、ほんとにここの茶事を楽しみにしている。また秋の茶事にも是非よせてもらいたいものである。

本日宇治の名水をイメージした(後付け(^_^;)水色の着物にインドシルクサリーで作った着物の残りで仕立てた帯で。とても軽くて軽快。ちなみにフライングでもう単衣です。
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● COMMENT ●
高兄様
6月の縣祭の時以外は特に観光するものもないので、存在を知らない観光客も多いでしょうねえ。
縣祭の梵天は飾ってあったような気がする。
お茶をしていなければ入れない場所にも入れるのがうれしいです。
縣祭の梵天は飾ってあったような気がする。
お茶をしていなければ入れない場所にも入れるのがうれしいです。
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こちらの社
鳳凰堂からも近いですが、ほんとんど、そちらから流れる方が居ませんよね
この、のんびり感が良いですよね
本当に、時間が経つのを忘れそうです、はい^^