嵐山福田美術館〜「美人のすべてリターンズ」 - 2021.06.20 Sun

嵐山渡月橋
こんなに人も車も少ない嵐山は珍しい。
いつもならまっすぐ歩けないくらい観光客でごった返す嵐電の周辺も、お店の8割〜9割方シャッターおりている。昨秋はこの伝で初めて秋の嵐山(ごったがえさない)へいけるかと思ったのだが、GO TOなんちゃらでけっこうな人出っぽかったのであきらめた。今年の秋はどうであろうか。
秋もさることながら(って秋はしらんけど)青葉の季節の嵐山も、緑が眼前にせまってくるようで美しい。
渡月橋の少し上にある福田美術館への道。
山の緑と川の緑に圧倒され、気持ちよく酩酊す。
福田美術館も緊急事態宣言下でしばらく休館していたが、6月から予約で入れるようになった。
ここはハイテク美術館?で、入館もQRコード、音声ガイドも自分のスマホでできるのだ。(イヤホンは借りられるが、持参した方がよい)
今回の展示は上村松園の美人画をメインに、伊東深水、鏑木清方、伊藤小坡など美人画の名手の作品の数々。なぜ「リターンズ」かというと、この展示、昨年コロナ感染拡大で途中で閉幕となったからなのだ。
ここからの嵐山の眺めは絶景ながら、景観維持法でガラス窓を素通しにできず、磨りガラスの模様がはいってちょっと見えにくい。(模様を避けてなんとか撮った一枚)
さて、やっぱりメインは松園である。
申し訳ないが松園の美人画を見たあとではさすがの深水も清方もかすむのである(私基準)
ましてや浮世絵の動きのない画一的な顔になんで惹かれるのかワカランくらいになる。
(一部作品をのぞいて撮影OKの欧米方式、太っ腹)
松園の作品でお能や歌舞伎に題材をとったストーリー性のある絵も好きだが、今回の展示のように日常生活や家族生活のなにげない一瞬をきりとった作品もまた心惹かれる。
鏡の前で自分でポーズをとって写したという作中人物の姿勢はいまにも動き出しそうで、息づかいまでも感じられる。登場人物たちの人間関係や、どんな会話をしているのかまで想像(妄想)できてしまう。
「お姉様、土筆をみつけましてよ」
「あら、ほんたうに○○ちゃんは土筆をみつけるのがお上手ね」
「今晩お夕食におひたしにしていただきませふ」
などなど(^_^;この時代にタイムスリップしてしまいそう。まだ女性の所作や、話し言葉が美しかった時代へ。
着物や帯の柄、帯の結び方、匂うような髪型、髪飾りの一つ一つの細やかで美しい様は女性なら胸キュンまちがいなし。持っている扇や化粧道具、筆、草子、レース編みの糸や針まで、小道具にも目が自然といくのである。
珍しいのが「雪女」
モノトーンで女性の姿は白い影しか描かれず、持っている刀だけがリアル。こんな絵もあるんだ。
「雨を聴く」では雨も窓の景色もなく室内にいる女性の姿だけで雨を想像できるし、「月かげ」は着物姿の女性のくっきりした影だけで月のさやけさが想像できる。
そこに物語が広がって、ほんとに松園、いいなあ。(一枚だけ素描的な松園を持っている←自慢)
すみません、他の画家の美人画すっとばしてしまいまして、、、(^_^;
美術館のとなりのアラビカ珈琲。
ここもいつも長蛇の列でおそれをなして行かなかったが、この日はめずらしくすいており初めて中へ入る。中からの眺めもよい。
カフェラテをテイクアウト、
川べりでいただきました。
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● COMMENT ●
高兄様
生きているんですよ、絵の中で女性が。
なにより上品なんです。言葉使いも仕草もきっとこんな感じだろうなと想像できるんです。
残念ながら私も含めて松園の絵のような現代女性には会ったことがありませんわ〜。
絵ですから、理想化されているとしても、明治の頃まではこんな女性いたんじゃないかな〜
なにより上品なんです。言葉使いも仕草もきっとこんな感じだろうなと想像できるんです。
残念ながら私も含めて松園の絵のような現代女性には会ったことがありませんわ〜。
絵ですから、理想化されているとしても、明治の頃まではこんな女性いたんじゃないかな〜
しぇるさん、こんにちは
>生きているんですよ、絵の中で女性が。
>なにより上品なんです
なるほどなぁ~
腑に落ちるなぁ~その表現^^
祇園のお座敷で、芸妓が踊っている姿を眺めながら
私なんか、意地悪だから、たまに
(あ~この妓、きっと売れっ子だから、お花一等なんやろうなぁ~
自分の魅せ方、わかってるなぁ~、美しいなぁ~
でも、松園の絵の中の美人には、適わないなぁ~)
そんな事思いながら、見ているんですよ^^;
>生きているんですよ、絵の中で女性が。
>なにより上品なんです
なるほどなぁ~
腑に落ちるなぁ~その表現^^
祇園のお座敷で、芸妓が踊っている姿を眺めながら
私なんか、意地悪だから、たまに
(あ~この妓、きっと売れっ子だから、お花一等なんやろうなぁ~
自分の魅せ方、わかってるなぁ~、美しいなぁ~
でも、松園の絵の中の美人には、適わないなぁ~)
そんな事思いながら、見ているんですよ^^;
高兄様
いや〜、わたくし、高兄様ほど舞妓ちゃんたちの評価をするほど彼女たちに接していませんので、わからないわ。
彼女らはプロだから、松園の市井の女性とはまたちょっとちがうかな〜。
彼女らはプロだから、松園の市井の女性とはまたちょっとちがうかな〜。
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姐御お気に入りの、福田美術館ですね
館内のカフェから、珈琲飲みながら
渡月橋や、人の流れを、ボ~っと眺めるのが好きです
松園の美人がって、もう、ブレずに確立された感じがしますよね
もう、立ち姿までもが、これって完璧じゃないの??みたいに
それでいて、嫌味がないのが不思議なんですよね
何でしょうね~、薄い?軽い?って表現も違う気がしますが・・・
爽やかって云っちゃうと、色気がない様に聞こえてしまいますが
きっと、抜け具合が良いんだろうな~^^