fc2ブログ
topimage

2023-09

嵐山福田美術館〜「美人のすべてリターンズ」 - 2021.06.20 Sun



DSC04366.jpeg


嵐山渡月橋
こんなに人も車も少ない嵐山は珍しい。


IMG_9599.jpeg


いつもならまっすぐ歩けないくらい観光客でごった返す嵐電の周辺も、お店の8割〜9割方シャッターおりている。昨秋はこの伝で初めて秋の嵐山(ごったがえさない)へいけるかと思ったのだが、GO TOなんちゃらでけっこうな人出っぽかったのであきらめた。今年の秋はどうであろうか。


DSC04368.jpeg


秋もさることながら(って秋はしらんけど)青葉の季節の嵐山も、緑が眼前にせまってくるようで美しい。

DSC04372.jpeg


渡月橋の少し上にある福田美術館への道。
山の緑と川の緑に圧倒され、気持ちよく酩酊す。


DSC04373.jpeg


福田美術館も緊急事態宣言下でしばらく休館していたが、6月から予約で入れるようになった。


DSC04374.jpeg


ここはハイテク美術館?で、入館もQRコード、音声ガイドも自分のスマホでできるのだ。(イヤホンは借りられるが、持参した方がよい)


IMG_9607.jpeg


今回の展示は上村松園の美人画をメインに、伊東深水、鏑木清方、伊藤小坡など美人画の名手の作品の数々。なぜ「リターンズ」かというと、この展示、昨年コロナ感染拡大で途中で閉幕となったからなのだ。


DSC04378.jpeg


ここからの嵐山の眺めは絶景ながら、景観維持法でガラス窓を素通しにできず、磨りガラスの模様がはいってちょっと見えにくい。(模様を避けてなんとか撮った一枚)


IMG_9601.jpeg


さて、やっぱりメインは松園である。
申し訳ないが松園の美人画を見たあとではさすがの深水も清方もかすむのである(私基準)
ましてや浮世絵の動きのない画一的な顔になんで惹かれるのかワカランくらいになる。


IMG_9602.jpeg
(一部作品をのぞいて撮影OKの欧米方式、太っ腹)

松園の作品でお能や歌舞伎に題材をとったストーリー性のある絵も好きだが、今回の展示のように日常生活や家族生活のなにげない一瞬をきりとった作品もまた心惹かれる。


IMG_9603.jpeg


鏡の前で自分でポーズをとって写したという作中人物の姿勢はいまにも動き出しそうで、息づかいまでも感じられる。登場人物たちの人間関係や、どんな会話をしているのかまで想像(妄想)できてしまう。

「お姉様、土筆をみつけましてよ」
「あら、ほんたうに○○ちゃんは土筆をみつけるのがお上手ね」
「今晩お夕食におひたしにしていただきませふ」


などなど(^_^;この時代にタイムスリップしてしまいそう。まだ女性の所作や、話し言葉が美しかった時代へ。


IMG_9605.jpeg


着物や帯の柄、帯の結び方、匂うような髪型、髪飾りの一つ一つの細やかで美しい様は女性なら胸キュンまちがいなし。持っている扇や化粧道具、筆、草子、レース編みの糸や針まで、小道具にも目が自然といくのである。

珍しいのが「雪女」
モノトーンで女性の姿は白い影しか描かれず、持っている刀だけがリアル。こんな絵もあるんだ。
「雨を聴く」では雨も窓の景色もなく室内にいる女性の姿だけで雨を想像できるし、「月かげ」は着物姿の女性のくっきりした影だけで月のさやけさが想像できる。
そこに物語が広がって、ほんとに松園、いいなあ。(一枚だけ素描的な松園を持っている←自慢)

すみません、他の画家の美人画すっとばしてしまいまして、、、(^_^;


IMG_9627.jpeg


美術館のとなりのアラビカ珈琲。
ここもいつも長蛇の列でおそれをなして行かなかったが、この日はめずらしくすいており初めて中へ入る。中からの眺めもよい。


IMG_9628.jpeg


カフェラテをテイクアウト、
川べりでいただきました。



関連記事

● COMMENT ●

しぇるさん、こんにちは

姐御お気に入りの、福田美術館ですね

館内のカフェから、珈琲飲みながら

渡月橋や、人の流れを、ボ~っと眺めるのが好きです

松園の美人がって、もう、ブレずに確立された感じがしますよね

もう、立ち姿までもが、これって完璧じゃないの??みたいに

それでいて、嫌味がないのが不思議なんですよね

何でしょうね~、薄い?軽い?って表現も違う気がしますが・・・

爽やかって云っちゃうと、色気がない様に聞こえてしまいますが

きっと、抜け具合が良いんだろうな~^^

高兄様

生きているんですよ、絵の中で女性が。
なにより上品なんです。言葉使いも仕草もきっとこんな感じだろうなと想像できるんです。
残念ながら私も含めて松園の絵のような現代女性には会ったことがありませんわ〜。
絵ですから、理想化されているとしても、明治の頃まではこんな女性いたんじゃないかな〜

しぇるさん、こんにちは

>生きているんですよ、絵の中で女性が。
>なにより上品なんです

なるほどなぁ~

腑に落ちるなぁ~その表現^^

祇園のお座敷で、芸妓が踊っている姿を眺めながら

私なんか、意地悪だから、たまに

(あ~この妓、きっと売れっ子だから、お花一等なんやろうなぁ~

自分の魅せ方、わかってるなぁ~、美しいなぁ~

でも、松園の絵の中の美人には、適わないなぁ~)

そんな事思いながら、見ているんですよ^^;

高兄様

いや〜、わたくし、高兄様ほど舞妓ちゃんたちの評価をするほど彼女たちに接していませんので、わからないわ。
彼女らはプロだから、松園の市井の女性とはまたちょっとちがうかな〜。


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://cherubinpriel.blog.fc2.com/tb.php/1593-55c839bf
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

雨と水の茶事〜簾導入 «  | BLOG TOP |  » 5年ぶりの鱒鰹審判茶事〜其中庵

最新コメント

プロフィール

しぇる

Author:しぇる
京都へ移住する前から書いているブログなので、京都移住後もタイトルに愛着がありこんなタイトルです。でも「もう・住んでる・京都」です。旧ブログから引っ越ししてきました。

最新記事

カテゴリ

未分類 (14)
茶の湯 (384)
茶事(亭主) (82)
茶事(客) (171)
茶会(亭主) (17)
煎茶 (9)
京のグルメ&カフェ (94)
町家ウォッチング (10)
弘道館 (7)
岡崎暮らし (108)
MUSIC (4)
能・歌舞伎 (65)
京都めぐり2023 (29)
京都めぐり2022 (29)
京都めぐり2021 (30)
京都めぐり2020 (19)
コロナ緊急事態宣言下の京都2020 (12)
京都めぐり2019 (28)
京都めぐり2018 (20)
京都めぐり2017 (30)
京都めぐり2016 (34)
京都めぐり2015 (34)
京都めぐり2014 (39)
京都めぐり2013 (36)
京都めぐり2012 (6)
本・映画 (14)
美術館・博物館 (138)
奈良散歩 (128)
大阪散歩 (1)
着物 (8)
京の祭礼・伝統行事 (60)
祇園祭2023 (9)
祇園祭2022 (11)
祗園祭2021コロナ下 (5)
コロナ下の祇園会2020 (1)
祗園祭2019 (18)
祗園祭2018 (11)
祗園祭2017 (17)
祗園祭2016 (18)
祗園祭2015 (16)
祇園祭2014 (13)
祇園祭2013 (14)
修二会2023 (10)
修二会2022 (8)
コロナ下の修二会2021 (6)
修二会2020 (5)
修二会2019 (3)
修二会2018 (4)
修二会2017 (4)
修二会2016 (3)
修二会2015 (3)
修二会2014 (3)
修二会2013 (3)
その他の町散歩 (9)
京都和菓子の会 (4)
ソウル紀行2023 (3)
イスタンブール・カッパドキア紀行2013 (8)
英国田舎紀行2015・湖水地方とコーンウォール (7)
パリ紀行2014 (7)
ノルウェー紀行2016 (4)
古筆 (1)
ポルトガル中部〜北部紀行2017 (7)
京都でお遊び (13)
ギャラリー (4)
暮らし (13)
中国茶 (48)
京都の歴史・文化について勉強 (3)
過去ブログ終了について (0)
猫 (1)
滋賀さんぽ (21)
オランダ・ベルギー紀行2018 (9)
ニュージーランド紀行2019 (9)
台北旅行2018 (3)
高野山 (2)
骨董・工芸品 (1)
東京散歩 (2)
諏訪紀行2021 (4)
金沢さんぽ (1)
御所朝茶 (4)
有田2022 (1)
熊野三山巡り (2)
兵庫さんぽ (1)
太宰府 (2)
丹後旅行 (3)
仕覆制作 (3)
信州旅行2023 (2)

月別アーカイブ

検索フォーム

リンク

このブログをリンクに追加する

QRコード

QR