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2024-04

新作能「沖宮」〜石牟礼道子と志村ふくみ - 2021.06.24 Thu

金剛能楽堂にて新作能「沖宮」を見んとぞでかけつる。(能のノリで)



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原作が水俣の苦難を描いた「苦海浄土」の石牟礼道子、長らく交流のあった染色家・紬織りの人間国宝、志村ふくみ、衣裳監修の新作能である。

2年前初上演されたが、その時は知らず。知人に志村さんの内弟子さんがいたので、昨年おこなわれた沖宮にまつわるアトリエシムラ主催、ワキをつとめた有松遼一さんとのトークイベントに参加し、初めてその新作能を知ったのである。



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この能にこめたふたりのメッセージを、コロナ禍の今届けたいと関係者の尽力とクラウドファウンディングで再上演が実現したのだ。ちなみに今回のチケットはそのCFのリターンである。




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大雑把なあらすじ、、
島原の飢えと干ばつで苦しむ村から、島原の乱でみなしごになった天草四郎の乳母子あやを雨乞いの生け贄にさしだすことになる。今生の別れにと、村長がなくなくあやを原砦に連れて行くとそこに天草四郎の亡霊が待つ。四郎はいくさで原砦で死んでいった人々の苦しみを思い、また今干ばつで飢え苦しむ村の人々の苦しみを重ね、海の龍神に生け贄としてささげられるあやを憐れむ。
原砦の古い蔵からでてきた旗指物は洗えば花の如き緋色の布、これを衣に縫い上げてあやに着せる。これをまとい、御幣を持ってけなげに雨たもれと祈るあや。
やがて雷鳴とともに海中よりあらわれた龍神(初演では龍神、今回は大妣君・おおははぎみ)は生命の母、その住み家たる海底の沖宮へ、あやは四郎に導かれていくのであった。


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見所はやはり衣裳であろうか。普通の能衣裳と違って紬だし、草木染めだし。
四郎の亡霊には水縹色、それと対照をなすあやの衣は緋色、それぞれ藍は紅花などで染めた衣、これは舞台上で見て視覚的にとても美しかった。

沖宮HPに美しい写真たくさんのっているのでそれ見てね。)

初演では龍神の衣が紬ながら金糸などが入った珍しいものだったが、今回大妣君は母なる女性の紫色の衣、演じるのは宝生流宗家。四郎役は金剛流若宗家と宝生金剛のダブルシテとはこれは豪華だ。ワキの村長の有松さんは実は心茶会の遠い後輩、これもうれしい。


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沖宮で石牟礼道子が伝えたかったもの、実はいまだによくわからないでいる。人柱や生け贄などの過去にあった風習を受け入れられないのもあるが。あやが大妣君の住む沖宮へ行くと考えることがせめてもの救いなのだろうか。



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