雨と水の茶事〜簾導入 - 2021.06.22 Tue
クーラーのないわが茶室でいかに暑い夏に茶事をするか、、、10年来の課題である。
今回ベテランの茶友さんたちにおつきあいいただき、新機軸?のお試し茶事を。

玄関に傘の花入れ。
本席に趣向で花をいれないので、せめてここに裏庭の紫陽花を。
待合のこの方達に今回持たせたのは小野小町。
花の色はうつろいけりないたづらに わがみよにふるながめせしまに
眺め〜長雨の掛詞、まあ雨にちなんで、、、というこの日も、梅雨らしい降ってはやみ降ってはやみのお天気。幸い席入りと退出のときに雨降らず、露地をつかえたのであった。お客様の日ごろのおこ心がけか。
待合の座敷は網代に葦戸にすでに建て替え
今回の秘密兵器?祗園祭のお茶会でお世話になっている久保田美簾堂さんに誂えてもらった簾!
かくの如くうまく半分に揚げられる。水屋のクーラー風をなんとか茶室にひきこもうとあれこれ考えた策である。(太鼓襖の幅の葦戸がみつからないのだ)
なんだか夏の風情が一片にアップして、涼しさだけではなく、思わぬ効果が。
こちらは茶事の前日、貴船神社へでかけていただいた貴船の御神水。たくさんは持ち帰れないので、このボトルの水を炭手前の時に釜に投入するというパフォーマンスを。
そしてもうひとつ、昨年ゴムのチューブを芯の輪っかにして作った茅の輪(真円にならず)、今年は、おけ庄さんに頼んであつらえた桶のタガ(竹)を芯に真円の茅の輪作り。
京都にはこの季節即席茅の輪師がぞくぞくとあちことでうごめき始める(^_^; 一足お先に。
完成〜!
初座の花にかえて
さて、簾の涼しさ効果はいかがであっただろうか。
みなさん、涼しいよとやさしくおっしゃって下さるが、この日は雨で気温があまり上がらず、好天の夏日はいかがあいなりますか、これはまだワカラナイ。(次なる犠牲者、いや、実験台、、いや勇気あるお客様物色中)
こちらも先日うるわし屋さんで夏向きに、とゲットした貝寄せ蒔絵の煮物椀。本来貝寄せはお雛様の頃なのだが、貝=海の思い出、ということで夏もいけると思う。そこらへんは柔軟に。
酒器は今回は姫ばかりなので、蒔絵の汁次に。
そうそう、毎年この季節やってるコントもお忘れ無く。
待合の大津絵「太鼓を落とした雷様」
そして、、、
おお!こんなところにその太鼓!(香合)
というお遊び(^_^;
主菓子はお世話になっています、みのり菓子さんの錦玉「雨跡」
どの器に盛ったらいちばんお菓子が生きるのか、みのり菓子さんのお菓子はいつも見てから菓子器を決める。
後座
またここで思いがけない簾効果
水屋で拝見した席中の様子だが、燈火がすけてなんともいい風情になった。これは亭主の役得かもしれぬ。
御簾の向こうでは雨の夜の品定め(女性でなくて茶道具の、、)がおこなわれている模様、ええなあ簾、日本家屋は夏が美しいなあ、、、とひととき暑さのことを忘れていた。
というようなことに気をとられすぎて、肝腎の炭が、、、ちょっとぬるい濃茶になってしまいもうしわけないm(__)m 炉で失敗したことはないが、風炉の火はむつかしい。
引きだし式の干菓子器にいつもいい仕事の亀廣保さんの干菓子を。少し季節は過ぎたが蛍狩り。
今度炭斗を蛍籠にして、あ、こんなところに蛍が!というコントにしてみようかな。
(独座観念 お客様の視点をたしかめる)
お客様の御指導とやさしさに助けられてなんとか簾の夏茶事一会終えました。これなら夏もいけるんちゃうん、とちょっと鼻息あらくしてます。本格的な炎暑はこれからだというのに、、、
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