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2017-06

千少庵展〜茶道資料館 - 2013.09.19 Thu

利休の賜死後、一時の配流(蒲生氏郷にあずけられた)ののち千家復興につとめ、三代の宗旦につないだ少庵。どうしてもそういうとらえ方(利休と宗旦の中継ぎ的な、、)になってしまう少庵がクローズアップされる時が来たようです。四百年忌だそうです。


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少庵はもともと利休の後妻・宗恩の連れ子(父親は能楽師の宮王三郎といわれる)、その子宗旦は利休の娘との間にできた子とされていますが、最近の研究では利休の娘と婚姻した、という証拠はどこにもないそうです。
なので現在の三千家は宗旦の血は確実に引いているものの、もしかして、利休からのDNAははいっていないのかもしれないそうです。(あ、これあんまり書くとやばいかもなので、このへんにしとこ)


利休には道安というれっきとした息子がいたのですが、同じく父親賜死ののちに飛騨の金森氏お預かりになり、許されて後、堺千家の祖となりますが、とだえてしまいます。
どちらの息子がすぐれていたか、というのはわかりません。地の利、時の利というものもあったでしょうし。利休としては、なんとかどちらか一方でもいいから、自分の茶の系譜を継いでくれればいい、という思いだったのでしょうか。



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いままでの解釈では少庵は早くに隠居して宗旦に譲った、ということでしたが、消息類や道具の来歴の研究によって、少庵は決してただただ中継ぎをしたのではなく、広い人脈をもって利休なきあとの千家の茶を、目立たぬよう、だがじわじわと、というストラテジーをもって拡大していった策士のようにも思えます。

さて、展示は少庵所持の道具や、作の茶杓、人脈の広さを思わせる消息類など。

消息類はともかく、道具に関しては利休所持で宗旦にわたった、だから少庵も所持していたはず、、、というのが多くて、はっきり少庵が所持していた、という道具は少ないように感じました。これも目立たぬように、、、という策略のうちかも。(なにせまだ秀吉はしばらく意気軒昂だったし)


明らかに少庵所持でその名も「少庵井戸(茶碗)」(MIHO MUSEUM)、入館券の写真にもなっているのですが、これはやはりすごかった。国宝・喜左右衛門井戸もかくや、というのは言い過ぎか。(実物見たことないし^_^;)
枇杷色の肌、貫入、梅花皮、雨漏り、竹節高台、正しく井戸というだけでなく、なんとなく揺らいだ姿がそれを手に取った数々の人々の手を連想させて感動。(茶を知らない外国人にはただのきちゃない茶碗にしか見えないかもです)

利休遺愛の鷲棗(わしづかみにできるくらい小ぶりの棗)はうっすら赤味をおびてきた漆が美しい。宗旦はこの棗を盆点てにして織田有楽をもてなしたとか。
その有楽を、茶匠上林(宇治の上林春松堂ですよ〜)へ少庵がとりついだことをしめす消息。
利休の塗師であった盛阿弥作、少庵所持の黒塗手桶水指は、何百年も前の物とは思えないほど艶やかで色気すら感じる。


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(呈茶席のお菓子は鼓月「秋のなごみ」)


長次郎の赤楽「太郎坊」の赤はかせてかせて、すごく渋い。そうそう、永青文庫の唐物茶入、利休尻膨もあった。
少庵の好み物(デザインとでもいうか)として、与次郎の雲龍釜(鐶付はよくみると確かにウサギ)、モダンなカーブした稜線の四方釜、さらにモダンを極めて最近のアーティストの作?ともみまごう三島写し四方水指、それからあの夜桜棗って少庵の好み物だったのね!透かして見れば、なんとか一瞬黒い真塗りの面にちらっと桜がみえるというあれですよ。ガラス越しではまったく桜は見えませんでしたが。


配流さきからもどってのち、利休の考えを基盤に千家を立て直すに当たって、「利休」の号の意味を大徳寺・仙岳宗洞和尚に問い、それに対して宗洞和尚が答えて書いた偈もある。漢文で意味が正確には読み取れなかったけれど。
宗旦が描いた道安(伯父さんにあたる)の絵。後ろ向きの僧形なのだが、なんとなく愛情が感じられて、その背景には道安と父・少庵のお互いへの敬愛の念も感じられる。下世話なことを言えば、先妻と後妻の子で、確執がなかったはずはないと思うけれど、ただ利休の茶を絶やさぬ、という共通の思いがそれを乗り越えさせた、、、とか?



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そして独楽香合。
渋い色で、一部松の彫りが入っている。会津の氏郷の元から許されて京へ帰ってきたとき、秀吉より拝領したもの。これを忘れず以後千家の紋は独楽になったそう。
利休の死後三年、秀吉の赦免の意を伝え、疾く京へ戻り千家を復興させるようと記した徳川家康、蒲生氏郷の連署状は「少庵召出状」として有名。今でも表千家・不審庵が秘蔵し、初釜の時だけかけられるそうですよ。
実はそれが拝見できるのです!→表千家北山会館にて開催中の「少庵ゆかりの茶道具展」で!
生きねば、、、ちがった、行かねば!(^_^;



<おまけ>

茶道資料館へ行くときはいつも通る水火さん。(水火天満宮)

P1040740.jpg

梅や桜が季節にはきれいです。

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いつもちょっと手をあわせていきます。

この日はこんな方も、、、


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「ゆんべの大雨で寝られへんかったさかい、今昼寝してんのや。じゃませんといて。」


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