重陽から月見の茶事 - 2021.09.13 Mon
8月は完全休業?で、9月になったので久々に茶事を再開。

時はまさに重陽の節句、秋到来、そして月見の季節に。
1年に一度重陽の節句の日だけに嵐山法輪寺で拝領できる茱萸嚢(端午の節句にかけた薬玉を、重陽の節句に茱萸嚢に掛け替える)ももってはいるが、ここはひとつ自分で作ってやろうと。
10年ほど前、茶事超初心者だったときにコワイモノシラズで先輩を招いた席で作ったことがある。その時の赤い布袋はまだあったのだ。
ワレモコウと菊の生花で綿をあててラップでくるんで仕込むのだ。(着せ綿の反対やな(^_^;)
本来なら袋に呉茱萸という漢方にもなる植物を入れるのだが、まあ手に入らんし。
今年初めて育てた我が家の蓮は枯れてもいくらでも使い道がある。
汲出は中国茶の胎菊茶で。
ほのかな菊の香りはちょっとカモミールに似ているかも。
今回この人たちが持つのは
「秋風にたなびく雲の絶え間より もれ出づる月の影のさやけさ」(左京大夫顕輔)
後座の軸が月の歌なんで。
待合の床に虫籠と鈴虫
待合の軸はやっぱり「着せ綿」よね。「菊慈童」とどちらにしようかと迷ったけれど。
夕ざりなので席入り時にはまだ日は高く、、、そして思い出したように暑い真夏日、、それでも露地の風情は少し秋めいてきた。
花は小花の寄せ集めである。
うちの庭のもあり、もとめたのもあり。
秋海棠、大文字草、秋明菊、オケラ、利休草?、藤袴
懐石の焼物以降は点心風それぞれ個別にとりわけて。
いつもは重箱を使うのだが、今回はまだ夏の名残で涼しさ演出、笊を使ってみた。お客様がおもちくださった無花果をゆでて白味噌だれをつけたやつ、甘くておいしかった〜(自画自賛)♪
今回も美簾堂さん誂えの簾を活用、水屋のクーラーの風を茶室に送り込む。
お菓子はいつものみのり菓子さんの万寿菊
中の餡が無花果でと〜ってもおいしい。
後座入り時、まだ外はそれなりに明るいが、茶室の中は灯りがいる。
軸は東山であろう山の端に半月がでたのを歌った東山殿と呼ばれたお方の歌。
濃茶をさし上げる。
この日のお客様は茶の湯でも人生でも大先輩にあたる方々とそのお弟子様、最初緊張して、それからお褒め上手なのにのせられてすっかりリラックス、茶室のこと、お道具のこといろいろおたずねもあって、話は尽きない。
いつもは短檠の代わりに李朝灯火器を使うのだが、まだ暑いのでさらっとガラスのオイルランプを。
季節は菊の節句から月見へ
亀廣保さんの干菓子。
薄茶はブロークン茶箱にて。
今回も皿かと思うような薄い三島の平茶碗で超絶技巧(こぼさずに上手く点てる)??をご披露しましたよ(^∇^)
簾越しの茶室、月待つ頃の風情にて
薄器は岩渕祐二さんの皓月平中次
黒柿の模様が東山の形、皓々と照る月を見て、茶杓の名が「村雨」、せっかくの月見も村雨にておひらきになりました。
今宵もよき茶事になりました。
ありがとうございました。
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