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2023-10

南都諸大寺チャリティー〜奈良きたまち散歩 - 2021.09.19 Sun



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あいにくの小雨の奈良、歩道の複弁蓮華紋瓦紋に萌えながら奈良県文化会館へ。


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2年に一度の南都諸大寺チャリティー墨書展である。
20年前、東大寺の守屋長老の発案で、売り上げは奈良県肢体不自由児・者の支援や福祉向上に使われる。

東大寺をはじめ薬師寺、興福寺、法隆寺、唐招提寺、大安寺、西大寺、圓照寺、法華寺、中宮寺とそうそうたる奈良好きにはたまらんラインナップ。



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主導されている東大寺別当狭川普文師は今年修二会の和上を務められた。コロナ下で別火に入る2週間前から隔離生活をされていたが、その間に作られたという作品は墨跡のみならず、パステル画、立体的な仁王さんなど、とてもお坊さんとは思えない力作ばかり。というわけで会場にもおられ、精力的にご説明にまわっておられた。




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(休憩室のベンチでソーシャルディスタンスの注意書きがやっぱり鹿なのね)


唐招提寺の天平の甍ではないが、軒丸瓦の拓本付きのものとか、修二会でいいお声をいつも拝聴している上司師のかわいい絵付きのものとか心惹かれる物がたくさん。
で結局、観音経にまつわる薬師寺のものをもとめて、軸装も同時にお願いした。
(その場で、観音経についておたずねした若いお坊さんの反応がとても楽しかった(*^_^*))



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県立美術館の次期展示は森川杜園なのか。
幕末から明治にかけて活躍した奈良一刀彫りの天才、歌人文化人としても活躍した人だ。行かねば。



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県庁の東、意外と知られていない名所の、みとりい池園地。この風情がはるか天平時代の景色を想起させてうっとりする。雨の風情もまたよし。



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続く東大寺西大門跡は晩秋に黄金色になる。

↓昨年秋に撮った画像

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今年もまた行こう。


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さらに北上して今在家あたり、まだまだ古い町家が残っている。


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あと何年くらいこのままでいてくれるかな〜とよそさんのお家なのに思ってしまう。京都の洛中の町家は今無残なありさまなので。



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この道沿いの千壽庵吉宗さんは最近かき氷もはじめはったのでいつか行こうと思いつつ、お腹の具合と予定に鑑み今回はスルー。次は必ず!



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そして東大寺転害門(てがいもん)に到着。
もう涼しくなったので、鹿だまりはみられなかった。

この門は平家の南都焼き討ちも、三好。松永の戦火もくぐり抜けた奈良時代の遺構なのだ。あくまで伝説だが景清が頼朝を討たんとひそんでいたので景清門ともよばれるとか。

もともと転害の「てがい」は手掻いからきているとか諸説あって、町名なら手貝になるのが不思議。結局害を転ずるというおめでたい文字におさまっているけれど。



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転害門前の道(一条通)を西にもどって、きたまちエリアへ。
ここも観光客はあまり来ない場所だが歴史好きにはたまらん道なのだ。



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つい最近約10年の歴史に幕をおろしたフルコト(奈良旅と暮らしの玉手箱: ここが1号、ことのまあかりは2号)の跡地をちょっと眺める。結局1回しかこれなかったが、ここで買ったクリッ墳(古墳のクリップ)いまだに愛用しているよ。


さてどんどん西へ行こう。


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たぶん、あの小高い山が松永久秀の多聞城跡だと思う。現在は若草中学内に碑があるだけらしい。今回は時間不足でそこまで行けず。

奈良京都の要所で大和支配に絶好の場所だったが、宿敵筒井順慶と信長に翻弄され、多聞城は破却された。(順慶はちゃかり城の石垣を自分の郡山城に持ってったらしい)その後は「麒麟が来る」でも見たが、信貴山で名釜平蜘蛛と一緒に爆死するのだ。



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ううう〜む、存続があやしい町家が、、、
なんとかがんばれ!


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しかし、この道は歴史好きなら悶死しそうなほど遺跡にあふれている。


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佐保川をわたる。


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歴史的ビッグネーム・聖武天皇、光明皇后がねむる御陵はここにある。

コロナで連続2年行われていないが、毎年行っていた東大寺華厳茶会の日(5月3日)、茶会の前に東大寺の僧侶方がここに参拝されて大仏殿にもどって献茶になる段取りだったのだな(山陵祭)。



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天平應真仁正皇太后が光明皇后とわかる人がいたらすごいな。


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川中地蔵尊
さきほど渡った法蓮橋を整備したときに川中でみつかったお地蔵様を集めたそうだ。猿沢池ほどちかくの率川地蔵さん(石の舟にたくさんのお地蔵さんが乗ってはる)も同じような由来だろうな。



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少し南下して東にもどると奈良女子大が見えてくる。ここらはきたまちエリアだ。


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初めて見たわ、奈良女の正門。
レトロでおしゃれやわ〜!才媛たちが通う大学だが、奈良県に国立大学が女子大しかないのはなぜ?と今でも疑問。


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奈良女に合わせたようなかわいい建物はきたまち案内所。
なんでも旧警察署鍋屋連絡所という交番の建物だったらしい。(明治41年建築、昭和3年現在地へ移転)今でも現役で利用されているのはいいね。



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さらに南下すればきたまち商店街。コロナでしまっているお店が多かったのは残念。
さて、近鉄乗って京都へ帰ろう。




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