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2024-05

三五夜秋の特別茶会〜白洲正子によせて - 2021.10.01 Fri

名古屋の本職陶芸家で数寄者でもある席主様を迎えて、奈良三五夜さんで秋の特別茶会。
本来5月に行われるはずだったのがコロナで延び延びになっていたもの、待たされた甲斐があった。



IMG_2618_20210925131000ac0.jpeg
(ならまちではなく、JR奈良駅周辺、まだまだ現役の町家が多く良い町並みが残る)


お席主さんは、正子と交流があり、彼女の著作も多く読まれ知識も豊富な方。
華族のお嬢さんであり、能を愛し、青山二郎、小林秀雄の薫陶をうけた骨董収集家、かくれ里、特に若狭、湖国を愛し、知的奔放さで生きた正子の生涯をたどるような室礼であった。

中でも特筆すべきは正子の消息、ちょっとくせのある筆書きで、お席主宛ての手紙。山梨県の水晶の産地にまつわるもので、実際に草入り水晶を正子に贈られたそうで、そのお礼状である。後に白洲正子の研究家でもある古美術評論家・青柳恵介氏の箱書きで「水晶の消息」と。

軸装するのに、紬を愛した正子が実際着ていた青の縞の着物の端切れを、中回しにされたよし、これはすてきだった。ちなみに封筒の方は軸の裏にうまいこと貼り付けてあって、これはいいアイデア、現在近代の人の手紙軸装依頼中なので、こうすればよかったかな〜と。

文中にもでてくる草入り水晶って何かしら、と思っていたら床前にその一つが飾られていた。水晶のなかにトルマリンの針状結晶が混じって、あたかも水晶の中に草が紛れているようにみえるものなのね。初めて見た。



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待合に正子の祖父の樺山伯爵の七言絶句(読めず)。
脇に水晶の玉(龍神の玉)と琵琶の撥、ああ、「竹生島」、正子は竹生島もお気に入りの場所であった。
床に飾られた香合は、「十一面観音巡礼」で正子が巡った若狭の神宮寺(昔いったわ〜)の小さな古瓦を拾われて、これを蓋にすべくご自分で身の方を焼かれたものという(そこはプロの陶芸家!)
脇床に面箱に入った増女の面、これも能を愛した正子のゆかり。


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水指があれ?麦わら手のうちにある火消壺と同じ?と思ったら、これも正子が火消壺をそうと知らずに水指にした、という逸話にちなむもの、(すごい正子愛だわ。)彼女なら許されるところがすごい。


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花をいれた壺が白っぽくて志野?と思ったが、こういう形は志野にはなく、織部に同じ形があり、おそらくこれは失敗作として絵付けの前に捨てられたものでは、とのことであった。正子のコレクションにほんとに同じ形の花器が本に載っていた。これを一目で織部と断ずるのはすごい眼識。
花は珍しいウドの花で、茶筅の里から茶筅師さんがお世話されたものだとか。三五夜さんのご人脈はなんだかすごいなあ。



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濃茶をいただく菓子が萬萬堂さん特注の「淡海」
まさに琵琶湖の楽浪に月、竹生島の景色になってきましたよ〜♪
 
   ♪ 月海上にうかんでは〜



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   ♪ 兎も波を走るか  

      おもしろの浦のけしきや     (謡曲「竹生島」)

ご自宅の古い天井板を菓子器に作り直したこの木目を見て、本日お手前も担当されていたお菓子屋さん(やなぎのにわ京菓子店さん)、波と見立てて急遽この意匠にされたとか。
月は薄焼きに栗と芋の餡(芋名月栗名月)、兎はなんと柚のパルトドフリュイ!美味しかった〜!

しかし、このお菓子屋さん、どこかでお見受けしたような、、、、と思ったら茶菓円山さん!
このたびパティシエのパートナーさんと独立されるのだとか。これはまた新しい良いお菓子屋さんを知ってしまった。

いつも思うが、自分で物をつくりだせる人はほんとうにうらやましい。今回もご自分の作品はいうにおよばず、陶片を継いで作った蓋置、ご自分で作画された煙草入れや、いろんなところに手作り、しかも手作り感ないところがにくいのだが、あふれていて楽しかった。

お席主の正子愛はやむところをしらず、また第二弾、第三弾もあるそうでまた楽しみである。





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