松ぼっくりの茶会〜市川孝展・川口美術 - 2021.10.23 Sat
下鴨川口美術さんで市川孝展

陶人であり、木工金工作家でもあり、中国茶人でもあり、野点をこよなく愛する市川さんの最近の興味は売茶翁なんだそうである。
売茶翁の漢詩に曰く
茶具携へ来たり 黄落の中
竈に松卵を焼いて松風を煮る、、、、(後略)
松卵とは語感の通り松ぼっくりである。これを焼いてお茶を煮ようと川口美術片庇席に、市川さんが伊吹から持ってきたもの、川口御大が御所で拾ってこられたもの、いっぱいの松ぼっくりなのである。
茶を煮るのは茶ンリン車。茶車(茶を煮る道具一式を備える移動式茶席で現在10号以上あるのかな、川口美術にも一台ある)の進化形というか、簡略形というか、もうびっくり。
これがその茶ンリン車の全景
ご幼少のみぎり乗って遊んだ三輪車を松ぼっくり燃料用に改造したもの。台の下のV字形の鉄の部分が燃焼させる部分になっている(写真だけでは説明ようせん、、、)
松ぼっくりだけでは火のつきが悪いので、液体燃料を追加して燃やし、茶ンリン車に投入!このパフォーマンスを見るだけで興奮する。
もう一つの熱源に、中国の大きい茶葉の蒸して乾燥させたのを入れ、煎る。ああ、よいお茶の香りがしてきた。これに水をいれて煮出すとなんとなくプーアルのテイストのお茶になった。
椿の葉を茶托に。
何煎でもいただける。
先だって長浜・季の雲さんでの茶会も、野や畑に生える葉っぱを煮たらどんなお茶になるのだろうか、という市川さんの好奇心爆発していたが、こちらでも。
投入するのは蕎麦の実、桑の葉、笹の葉、松葉、、、え?こんなものまで?と思うような葉っぱが次々入る。
煮て煮て、ご自作の洋銀蓮華(すごく柔らかい。ご本人は葉っぱの形と)ですくい取る。なんとも複雑な味だが、蕎麦の香りもして、どちらかというとスープみたい。中国奥地の少数民族の間でお客さんが来たときにもてなす茶がこれに近いのだと、市川さんは言う。
さらに先ほどの大葉茶を入れ、天草の塩をいれるともう完全にスープだわ。ぶくぶく茶やボテボテ茶の系統だわね。アジアには茶葉をお茶ではなく食べ物と認識して利用している民族も多いと聞く(食べ物としてのお茶は「茗」と書く)。
まだまだ広がる市川ワールド、次回は今回なくなってしまっていただけなかった陶器焙煎珈琲豆のコーヒーもいただきたいわ。
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