藤間家住宅〜高畑の旧社家 - 2021.11.20 Sat
奈良の高畑、割石町のバス停を東へ行く道は新薬師寺、お気に入りのクラフトショップ空櫁さんへ通じる道だ。このあたりは以前から観光客はとても少ない。
その途中にあるおなじみのお地蔵さんが柳堂地蔵という旧家で守られていたお地蔵さんだと知ったのはつい最近である。
それはこの本(「高畑町界隈」)のおかげである。著者の大槻さんは現在ことのまあかりがはいっている場所で長年コーヒーをいれておられた。姿をかえていく高畑周辺の歴史を伝承を記録に残しておこうとこの本を上梓された。最初写真も少なく文章ばかりで読みにくそ〜と思ったが読み始めるととまらない。
歴史ある場所が失われることを慷慨するわけでも保存しようと声高に唱えるでもなく、淡々と記録者に徹しておられる。一度お話をオンラインでもお聞きした。
(2019年撮影)
その高畑〜古くは新薬師寺、興福寺、春日大社とゆかりが深い〜の一番高畑らしい景色がこの土塀だと、常々思っていたが、いつ崩れてもおかしくない土塀の古さに、いつ壊されて現代家屋が建ったりしないかすごくやきもきしていた。
この家が維新まで春日大社の社家でもあった藤間(とうま)家住宅であると知ったのも上記の本のおかげである。
(上の写真と同じ場所を反対側から)
それがやっとこさ修復に動き出したようで、つぶされなくてすむと思ってほっと胸をなでおろした。
クラウドファウンディングも募っての改修、今後どう生かしていくのか、まだ未定なんだそうだ。
この日は特別公開で、この前の道を通ることウン十年、初めて家の中を見せてもらうことができ、感激である。
中は畳は取り払われ、屋根裏も開放されたままで建物の構造はよく見えるが昔日の面影はない。
この日はイベントなので、改修に関わった人たちのつてで、ミニショップが店開きしていた。ここは奥の間?で床の間や押し入れの痕跡が残る。
欄間はおそらく当時のままと思われる。
玄関脇の庭には小さなお社もあって、春日大社の流れを感じる。吹きなおし中の屋根瓦が所狭しとならんでいて、職人さんは作業中。やはりこれくらいの旧家となるとそれなりの職人さんに依頼しないといけないので、手が空いているときに一般公開だろうがイベントだろうが作業してもらわないといけないのだそうだ。
大きな石の蹲居もあって往時をしのばせる。
玄関から門をみたところ。ここにも小さな出店。
社家らしい格の高そうな門である。高畑にはこんな社家がいくつか残っていて街道に彩りを添える。なくしてほしくないなあこの景色。
大好きな土塀は一部やはり見事に崩れていて、、、、
この形のままのこすのは至難のわざ、残念ながら、もしかしたらのペッとした壁にしないといけないのかもしれない(´・_・`)
頑張る職人さんに心の中でエールを送って藤間家をあとにした。
その後はやはり長年通っている高畑のあーとさろん宮崎(築100年以上の町家)で土壁談義(旧山口家別邸=現在は隈研吾のホテル、の失われた土壁のことなど)しながらコーヒーをいただいた。
藤間家クラウドファウンディングはこちらです。ご協力を〜〜!
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