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2023-09

虎丘庵〜酬恩庵一休寺 - 2021.11.26 Fri

京田辺にある一休寺こと酬恩庵へ7年ぶりである。前来た時は月釜にあわせてだったが、現在はコロナでどうなっているのか。(開催されているようです)

今回は一休禅師が晩年を亡くなるまで森女と過ごした虎丘庵の特別公開(事前申し込み)へ。


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暖秋?のおかげでまだまだ盛りとは言いがたいが、紅葉が美しい。


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コロナの谷間(このままnadirが続けばよいが、、)ゆえ、けっこう観光の方々もおいでである。


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山門を入ってすぐ、一休さんが眠るここだけは宮内庁管轄になっている。後小松天皇ご落胤説にのとって王子扱いなのであるが、当時のことゆえDNA鑑定もなく、本当のところはどうなんだろうなあ。ご落胤だろうがなかろうが、一休さんはちっとも気になさらないと思うが。


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もともとここは妙勝寺といって大応国師(南浦紹明)が南宋の虚堂智愚に学び、帰国後建てた禅の道場だった。戦火に失われたが後に一休禅師が再興、師の恩に酬いるという意味で「酬恩庵」と命名したのだ。
81歳で大徳寺住持に任ぜられても、用事があるときだけ、ここから通ったという。88歳の大往生であった。


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本堂からみえる檜皮葺の屋根が虎丘庵である。


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名前の由来は虎丘紹隆(北宋の禅僧、圜悟克勤の法嗣にして密庵咸傑は法孫)。
もともとこの小さな庵は京都東山にあったが、応仁の乱の戦火をさけてここに移したという。時に一休74歳。


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この虎丘の扁額は禅師の筆による。


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かつて村田珠光や、金春禅竹などが集う文化人サロンになっていたらしい。珠光といえば、一休さんが通い住持を務めた大徳寺・真珠庵の作庭をしたし、彼は一休から圜悟克勤の書を拝領した(真偽は不明ながら)。


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さて、この書院のデジャブ感、、、そうだ、銀閣寺東求堂同仁斎だ、あっちは四畳半だったが。
いわれてみれば同時代の人なんだ、足利義政とは。

窓から見えるのは一休さんが愛した梅と、その向こうの塀は墓所。一休さんが生きている間に作ったお墓で、垣根越しに自分の墓をみながら生活していたのだ。明治になって宮内庁管轄になり壁ができたという。


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床には紅白の椿と満天星の照り葉、軸はご住職の「喫茶去」であった。


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これは後に作り替えはったらしい水屋。丸炉もあっていいわ、こりゃ。

座敷でご住職に、虎丘庵や一休さんについてのお話をしばしうかがった。茶の湯の歴史の黎明期の話もたくさんでてきて興味深く拝聴。


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それから方丈にもどりお抹茶をいただきながらお話の続きを。


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でてきたお菓子があの「糊こぼし」と「ぶと饅頭」で有名な奈良の萬萬堂さんではありませんか!お菓子もぶと饅頭そのもの。銘を「通無道」、さかさまからよむと「どうなしつう〜どうなっつ〜ドーナツ」なのね(^_^;


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虎丘庵見学のあとは境内を散策。屏風の虎を追い出すことができたらつかまえてやる、というトンチ話が懐かしい。


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方丈前の枯山水の向こうに紅葉が美しい。


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本堂に向かう道の紅葉も8割方といったところか。


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緑の楓もまだまだ残る。


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庭の一番奥の池には鴨がきている。


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「このはしわたるべからず」はいはい、ちゃんとはし(端)でなく真ん中を渡りますよ(^_^;


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こちらは前身の妙勝寺開山・大応国師開山堂。屋根がかなり痛んでいてぺんぺん草なども生えている。この屋根をチタンに葺き替えるというプロジェクトがただいまクラウドファウンディング中だ。チタンかあ。一休さんなら「ええな、それ〜!」っておっしゃるような気がする。


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こちらは境内の紅葉の前にたたずむ一休禅師。
さて、昨今の風潮は禅師の目にはどう映りますかな。


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そして今期<一休宗純没後540年一休フェス〜keep on 風狂>と銘打って宝物殿での特別展示は、Eテレで「オトナの一休さん」などで活躍する一休さんがライフワークのイラストレーター伊野孝行さんと酬恩庵コラボ作品。


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虚堂智愚の頂相の隣に智愚の頭をかる一休さんのイラスト。



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色つきのガムテープで作った一休さん。(下の宇治の通園の茶箱がなかせる)


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極めつきがこちら!
般若心経が書かれたトイレットペーパー。罰当たりすぎてこんなんでお尻ようふかんわ〜(^_^;


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最後に当お寺で作られている一休寺納豆をお土産に買って帰る。
ちなみに大徳寺納豆(これも一休さんが伝えた)とほぼ変わらないが、ややクセがつよいように感じる。空腹休めによいので、ダイエットにもいいかも〜。



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