fc2ブログ
topimage

2024-04

吉田家無名舎〜最後の吉田塾 - 2021.12.12 Sun

洛中にかろうじて残る伝統的な表家造りの京町家、最近は絶滅危惧種になりつつある。大きなお屋敷が一晩にして更地になってしまうさまを何度も見てきた。



IMG_4355.jpeg


北観音山の鉾町のランドマーク的存在が吉田家住宅だ。ながらく山鉾連合会の会長をつとめられ、前祭後祭の復活の推進力となった吉田孝次郎先生はいまなおかくしゃくと、山鉾巡行全行程を裃つけて歩かれる。


IMG_4349.jpeg


この家はNPO法人の管理もはいり、いずれ京都市に寄贈されるため、町家は残ることに一安心だが、京町家の伝統的な暮らしや文化は継承されていくのだろうか。



IMG_4374_2021120623013243f.jpeg
(ここで餅つきをした)

それを残しておこう伝えて行こう、と9年前から孝次郎先生のお話を聞く会、吉田塾は始まった。数年前から参加させていただき、いろんなことを教えていただいた。


IMG_4375_20211206230131e2b.jpeg


年末には餅つき、納豆餅を初めてしったのもここだし、祇園祭の山鉾巡行をここの二階から眺め、北観音山の曳き初めもさせてもらった。


IMG_4372.jpeg


宵山の宵に念願の奥座敷でご飯をいただくこともできた。↓ (なつかし〜〜)


IMG_8020.jpg





IMG_4368_20211206230138928.jpeg



一番印象に残るのが、2年前ここでひらかせてもらった新旧乙女茶会である。孝次郎先生もお道具を出してくださったり、炉があくのは10年ぶりだとおっしゃったり、楽しかった〜。

(薄茶席の様子 ↓ )

DSC04518.jpg


IMG_4362.jpeg


その孝次郎先生もまだまだお元気ではあるが、少々お疲れやすくなられたこととか、諸般の事情で吉田塾、今回が最終回となった。来年以降はまた新たなこころみをNPOの方々が考えておられるようだが、かなり残念である。後半はコロナであまり参加できなかったし、講座の後の表の間での懇親会が楽しかったのに、それもできなくなっている。


IMG_4365_20211206230141bd3.jpeg



今回は吉田家の建物と先生の歴史を漫談的にお話くださった。
昭和50年ころまで、この大きな表家が看板建築になって下宿屋になっていたとは知らなかった。それを少しずつ元の姿に戻していかれたのが孝次郎先生である。5人兄弟の末っ子で次男だったのに、最終的に最後まで家を守られたのが先生だったのだ。



IMG_4367.jpeg



東京の美術大学で絵画を学び、その審美眼でもって天神市や弘法市で掘り出し物を見つけられる話は何度聞いてもおもしろい。(きっとあちこちの市で先生のお姿は今後も見られると思う。)中でもヨーロッパになくて日本に3枚だけ残されている(北観音山、函谷鉾所有)八つ星メダリオン絨毯の4枚目を発見された話は忘れられない。



IMG_4384.jpeg
(吉田塾の主な開催場所であり懇親会場でもあった表の間)

いつも奥座敷の一番良い場所で晩酌していたお父上が、少し話し相手がほしくなるとベルを鳴らし、相手をすると引き出しにかくしてあったバターをスライスしてご褒美にくれるのが楽しみだった、というお話も印象的だった。

そして!
吉田家で一番私が好きな場所は、、、、


IMG_4378.jpeg


ここなんである。
走り庭。
実は京都に移住する10数年前、一度予約してここのおうちを拝見させてもらった。今より10歳ほどお若い孝次郎先生みずから案内とお話をしてくださったのだ。当時京都に町家風の家を建てるにあたっていろんな町家を見て回っていて、ここの走り庭にどれだけ憧れたことか。残念ながらこんな走り庭は造れなかったが、、、、


IMG_4377.jpeg



それでもこの火袋の準棟纂冪(じゅんとうさんぺき・寺院建築に準じて木組みを見せる工法)は少しだけ取り入れることができた。



IMG_4376.jpeg



このじんとぎの流しも、来年からのイベントとかに備えて新しいユニットを入れることに先生は積極的だ。機能は上がると思うがちょっと惜しい、、、ので写真に残しておこう。


IMG_4381.jpeg



走り庭に面しただいどこの間。昔は使用人がここでご飯を食べた場所だが、この奥の舞良戸に先生の茶道具コレクションがぎっしりなのを知っている。



IMG_4382.jpeg


流しの横には火の用心のお札や正体不明のお札がならぶ。町家のだいどこらしい風景だ。


IMG_4385.jpeg


そして今も現役のおくどさんもこの日は静かにお休み中であった。

現代的機能的生活は快適である。反対に町家での暑い寒いの暮らしは面倒なことも多い。生活していくための作業は多く煩わしい、けれどそこで培われる生活の、ひいては生きるための知恵はなんらかの形で継承していかねばと思う。かといって寒がりの自分に町家暮らしはちょっともう厳しいかなともおもってしまうのだが(^_^;

吉田塾終了で気軽におじゃまできることはできなくなると思うが、また何らかの形でおたずねしたいと強く希望している。








関連記事

● COMMENT ●

しぇる姐御、こんにちは

こちらの吉田家さん

本当に、ランドマーク的な存在

京都に残された、先人たちの宝だと感じます^^

京町家の中でも、生活の香りが残っている

生きている場所なんですよね

高兄様

吉田家はかろうじてのこります。
10年ほど前にはここの前に伊勢丹だったかとっても良い町家があったんですがホテルになっちゃいました。
洛中の町家は絶滅危惧種になりましたねえ、、


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://cherubinpriel.blog.fc2.com/tb.php/1696-6524f9dd
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

利休の里にて茶事 «  | BLOG TOP |  » 師走落葉甚茶事

最新コメント

プロフィール

しぇる

Author:しぇる
京都へ移住する前から書いているブログなので、京都移住後もタイトルに愛着がありこんなタイトルです。でも「もう・住んでる・京都」です。旧ブログから引っ越ししてきました。

最新記事

カテゴリ

未分類 (17)
茶の湯 (415)
茶事(亭主) (87)
茶事(客) (182)
茶会(亭主) (19)
煎茶 (10)
京のグルメ&カフェ (97)
町家ウォッチング (10)
弘道館 (7)
岡崎暮らし (112)
MUSIC (4)
能・歌舞伎 (66)
京都めぐり2024 (4)
京都めぐり2023 (33)
京都めぐり2022 (29)
京都めぐり2021 (30)
京都めぐり2020 (19)
コロナ緊急事態宣言下の京都2020 (12)
京都めぐり2019 (28)
京都めぐり2018 (20)
京都めぐり2017 (30)
京都めぐり2016 (34)
京都めぐり2015 (34)
京都めぐり2014 (39)
京都めぐり2013 (36)
京都めぐり2012 (6)
本・映画 (15)
美術館・博物館 (149)
奈良散歩 (132)
大阪散歩 (1)
着物 (9)
京の祭礼・伝統行事 (61)
祇園祭2023 (9)
祇園祭2022 (11)
祗園祭2021コロナ下 (5)
コロナ下の祇園会2020 (1)
祗園祭2019 (18)
祗園祭2018 (11)
祗園祭2017 (17)
祗園祭2016 (18)
祗園祭2015 (16)
祇園祭2014 (13)
祇園祭2013 (14)
修二会2024 (10)
修二会2023 (10)
修二会2022 (8)
コロナ下の修二会2021 (6)
修二会2020 (5)
修二会2019 (3)
修二会2018 (4)
修二会2017 (4)
修二会2016 (3)
修二会2015 (3)
修二会2014 (3)
修二会2013 (3)
その他の町散歩 (12)
京都和菓子の会 (4)
ソウル紀行2023 (3)
イスタンブール・カッパドキア紀行2013 (8)
英国田舎紀行2015・湖水地方とコーンウォール (7)
パリ紀行2014 (7)
ノルウェー紀行2016 (4)
古筆 (1)
ポルトガル中部〜北部紀行2017 (7)
京都でお遊び (13)
ギャラリー (4)
暮らし (14)
中国茶 (49)
京都の歴史・文化について勉強 (3)
過去ブログ終了について (0)
猫 (1)
滋賀さんぽ (21)
オランダ・ベルギー紀行2018 (9)
ニュージーランド紀行2019 (9)
台北旅行2018 (3)
高野山 (2)
骨董・工芸品 (1)
東京散歩 (2)
諏訪紀行2021 (4)
金沢さんぽ (2)
御所朝茶 (4)
熊野三山巡り (2)
有田2022 (1)
兵庫さんぽ (1)
太宰府 (2)
丹後旅行 (3)
仕覆制作 (6)
信州旅行2023 (2)
京都モダン建築 (3)
春日若宮おん祭2023 (3)
春日若宮おん祭2022 (3)

月別アーカイブ

検索フォーム

リンク

このブログをリンクに追加する

QRコード

QR