ミネアポリス美術館日本絵画の名品〜MIHO museum - 2021.12.16 Thu
信楽まで気持ちの良いドライブでMIHO museum へ。

会期ギリギリの(こんなんばっかり)ミネアポリス美術館の日本絵画名品展へ。
ミネアポリス美術館はアメリカミネソタ州にある美術館で、東洋美術に関してはアメリカで1,2を争う質の高さを競っているのだそうだ。本国では入館は無料だとか。ここでは無料とはいかないが、写真取り放題という太っ腹である。
外国のコレクションゆえか日本人にはあまりなじみのない画家から超有名どころまで、ジャンルは水墨画から浮世絵、琳派、狩野派、南画、近代絵画まで幅の広さがすごい。
だいたい美術館にくるときはテーマが決まっているので、そこに意識と知識を集中するのだが、あまりに幅広すぎてちょっと降参!、、、であった。
水墨画になると海北友松以外は知らない画家ばかりで、狩野派では探幽(永徳の孫)かなあ。清原雪信は久隅守景の娘で探幽は大叔父になるという。女流画家が狩野派にいたとはしらなかった。
一番印象的だったのは、長谷川等哲の「白梅図屏風」。雪をかぶった梅の大木のその雪が立体的で、そこから一枝梅の小枝の先に梅一輪、なんだか心にしみる。ちなみに等哲は等伯の弟子で、岩佐又兵衛の息子といわれる画家。
池大雅の妻で画家の玉蘭(おかしな夫婦で真葛が原、今の円山公園あたりに住まいした)の絵もあった。(西湖図)彼女は円山公園あたりにあった茶屋の女主人・百合を母にもち和歌を習い、絵は最初柳沢淇園に学び、のち大雅に学んだという。交友関係は川上不白(江戸千家祖)、木村蒹葭堂(文人、コレクター、その他)など名前を聞くに少しうらやましいサロンであったようだ。
有名な秋を歌った「三夕」の三つの歌、なかなかすぐには出てこないが、この三夕図を見ていると、なんとなく覚えられそうな気がする鈴木其一。
「浦の苫屋の秋の夕暮れ」「槙の葉に霧立ちのぼる秋の夕暮れ」「鴫立つ沢の秋の夕暮れ」
つい最近まではコロナで、来てもほぼだれもいなかった美術館、この日は久々にたくさんの方がお見えで、ちょっと賑やかすぎたのが残念。ついこの前まで、しゃべるとスタッフがとんできて静かに!と言っていたのに。
大好きな柴田是真の漆絵、雪笹の下に潜んでこちらを見る虎、好きやわ〜。
ポスターにもなっている曾我蕭白の鶴、近づいてみると目の瞬膜が下半分をかくして笑っているようにみえるの、これも好き。
最後に幕末の佐竹永海という(知らない)画家の「風神雷神図」は面白かった!風神は鷲におそわれ風の袋はずたずた、雷神は海の大蟹に脚を挟まれ太鼓も壊れて、両者とも神様なのに情けない顔、、、というユーモアたっぷりの風神雷神のカリカチュア、さすが近代に近い時代の絵だ。
いっぺんにたくさんの時代の絵画を見たので頭いっぱい。さらにMIHOのレストランでおにぎり三個も食べて、お腹までいっぱいになって帰ったのだった。
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