高台寺・北政所茶会 2013 - 2013.10.10 Thu
ねねさん、または高台院様こと秀吉の正室・北政所さんの命日は9月6日。その月命日の10月6日はねねさんをしのぶ北政所茶会が高台寺でひらかれます。

いまだ袷の着物をきるのがはばかれるような、10月にしては記録的な暑さでしたが、みなさん、お着物でご参加。私はやっぱり単衣(^_^;

この茶会には以前から行きたかったのですが、10月6日はたいがい平日ですものね。今年は運よく日曜にあたったので念願叶いました。

最初に入りましたのは表千家・堀内宗匠の高台寺湖月庵席。高台寺は少し高台になりますのでこのように大雲院の祗園閣も望めます。

待合から湖月庵に向かうところ。皆様のお着物や帯を拝見するのも楽しみ。月にウサギの帯とか、(太閤さんにちなんで)瓢箪の帯とか、いろいろ工夫されているのがいいですね。(着物ってコーディネートが物語性があって楽しいのよ)

お菓子は栗のたっぷり入った光琳菊。
堀内家は江戸中期の堀内仙鶴を祖とする表千家の重鎮。先代の宗心宗匠は齢90を越えてますますお元気だそうです。待合には如心斎のころの堀内家三世代合作の画賛、本席は雀の絵に、はっきりした文言はわすれましたが親子の細やかな愛情をあらわした文字、で親子の愛情というのがテーマなのかな、と思いました。

御献茶は本堂にて。高台寺は現在常住のご住職がいらっしゃいません。建仁寺さんが管理されているので、献茶には建仁寺の管長さん、執事長さんなどがおいでになります。だから臨済のお寺なのです。禅宗のお寺につきものの板木にはお約束の「生死事大 光陰可惜 無常迅速 時不待人」。

献茶は堀内宗完宗匠(当代です。京大理学部卒です)そして高台寺ならではの献茶式に島原太夫さんが!禅宗のお寺に太夫さん?!と思うかもしれませんが、高台寺にはかの吉野太夫をしのぶ遺芳庵という茶席があるのです。そのゆかりなのでしょう。太夫席はあとでまた入るとしてとりあえず次の席へ。

ねねの道を横切って、塔頭の春光院・陣中席へ。春光院は北政所が兄の木下家定の孫娘の菩提を弔うために建立された寺だそうです。

太閤秀吉が陣中においても茶席をもうけていたことにちなみ、それを再現したかのような席です。千成瓢箪、陣旗、幔幕、華やかな鎧甲冑を身につけた太閤さんの絵の軸。辞世「浪花のことも夢の又夢」からとったのでしょうか、建仁寺管長さんの手になる「夢」の軸。
そして、、、みなさま、目の錯覚じゃありませんよ。

でかいのです!茶碗が!

そして茶杓も茶器も釜も水指も、でかいのです!茶筅はまるで泡立て器のようだし、茶杓は象の耳かき、、、陣中で沢山の兵に茶をふるまうにはこんな大きな道具でいっきに数人分点てる必要があったのかもしれませんね。
それにしても数茶碗まで次から次へとくりだされる大茶碗(一杯で5人分)、高台寺お庭焼(政所窯)だそうですがいったいいくつお持ちなんでしょうかね。(◎-◎;)

お次は政所様が居住されたというお向かいの圓徳院の煎茶席へ。

煎茶席はほんとうに自由にしつらいできるのでとても参考になるし、なにより見るのが楽しい。担当は売茶真流のお家元。

なんと方丈に7〜8席もうけられていたのではないかしら。どの席も独自のしつらいで、これらを見て歩き。さて、どの席によばれるのかしら。

陶淵明の「採菊東籬下 悠然見南山」席になりました。

このような大きなお盆でお点前されました。抹茶の道具に比べるとおもちゃみたいなお道具がかわいいのです。お菓子は桐の焼き印の麩の焼きと瓢箪の打ち菓子。太閤さんの旗印と菊と桐でまさに政所茶会!
さていよいよ高台寺本堂付書院の太夫席へ。

まあ、なんて艶やかきらびやか!

お点前は島原の司太夫さん。その所作、手さばきは普通のお点前と少しちがって、より女性のたおやかさを強調した美しいお点前でした。半東は司太夫さんの娘さんで振袖太夫(太夫の見習い)。まあ、お美しいこと!
島原の太夫は吉原の花魁とよく混同されますが、花魁は遊女。太夫は正五位の位持ち、よって内裏に参内すらできるという最高位の格の高い芸妓さんなんです。
こちらでは天目台にのった天目茶碗でお茶をいただきました。

最後の席は裏千家・金澤宗匠のお席、場所は、、、、ややっ!ここはいつも都路里のカフェでかき氷をいただいているところではないか!(実は圓徳院北書院)

その奥にこんな開放的なすてきな書院と庭園があるなんてしりませんでしたわ。感激。

お菓子は末富さんの練り切り。
この席には宗匠自らが正客にはいられた席でしたので、裏話もちらほら聞けておもしろかったです。横浜からこられた席主さんがまた、良い味をだしていました。なごやかで笑い声の絶えない席をしきるのは相当の力量とお見受けしました。

最後に点心席。高台寺にある羽柴さんという湯葉料理のお店調整。左手の湯葉餡かけの下にご飯が隠れていてけっこうがっつり、おいしかったです。
これだけの茶席と料理だと、チケットは普通は数万円するんですけれどね、たったの11000円!高台寺さん、太っ腹!
しかも最後のお楽しみが。

太夫席のお点前をおえられて退出される太夫さんの道中、はじまりはじまり!

柝の音で清められた道を禿に先導され、まずは振袖太夫さん。(見習い太夫さんはまだ振袖をきていることからこうよばれる)おきれいですわ〜〜!

お点前を終えられた司太夫さん。この髪型は地毛で結っているらしいです。すごいなあ。司太夫さんはもと祗園の舞妓さんだったそうですよ。芸妓にならずに島原太夫になって、絶滅危惧種的島原の花街文化を世間に広めようといろいろ活動されておられるそうです。

良い気分で帰る道々、円山公園近くの西行庵をちらっと眺めて家路につきました。
この日もまた佳き日哉。

いまだ袷の着物をきるのがはばかれるような、10月にしては記録的な暑さでしたが、みなさん、お着物でご参加。私はやっぱり単衣(^_^;

この茶会には以前から行きたかったのですが、10月6日はたいがい平日ですものね。今年は運よく日曜にあたったので念願叶いました。

最初に入りましたのは表千家・堀内宗匠の高台寺湖月庵席。高台寺は少し高台になりますのでこのように大雲院の祗園閣も望めます。

待合から湖月庵に向かうところ。皆様のお着物や帯を拝見するのも楽しみ。月にウサギの帯とか、(太閤さんにちなんで)瓢箪の帯とか、いろいろ工夫されているのがいいですね。(着物ってコーディネートが物語性があって楽しいのよ)

お菓子は栗のたっぷり入った光琳菊。
堀内家は江戸中期の堀内仙鶴を祖とする表千家の重鎮。先代の宗心宗匠は齢90を越えてますますお元気だそうです。待合には如心斎のころの堀内家三世代合作の画賛、本席は雀の絵に、はっきりした文言はわすれましたが親子の細やかな愛情をあらわした文字、で親子の愛情というのがテーマなのかな、と思いました。

御献茶は本堂にて。高台寺は現在常住のご住職がいらっしゃいません。建仁寺さんが管理されているので、献茶には建仁寺の管長さん、執事長さんなどがおいでになります。だから臨済のお寺なのです。禅宗のお寺につきものの板木にはお約束の「生死事大 光陰可惜 無常迅速 時不待人」。

献茶は堀内宗完宗匠(当代です。京大理学部卒です)そして高台寺ならではの献茶式に島原太夫さんが!禅宗のお寺に太夫さん?!と思うかもしれませんが、高台寺にはかの吉野太夫をしのぶ遺芳庵という茶席があるのです。そのゆかりなのでしょう。太夫席はあとでまた入るとしてとりあえず次の席へ。

ねねの道を横切って、塔頭の春光院・陣中席へ。春光院は北政所が兄の木下家定の孫娘の菩提を弔うために建立された寺だそうです。

太閤秀吉が陣中においても茶席をもうけていたことにちなみ、それを再現したかのような席です。千成瓢箪、陣旗、幔幕、華やかな鎧甲冑を身につけた太閤さんの絵の軸。辞世「浪花のことも夢の又夢」からとったのでしょうか、建仁寺管長さんの手になる「夢」の軸。
そして、、、みなさま、目の錯覚じゃありませんよ。

でかいのです!茶碗が!

そして茶杓も茶器も釜も水指も、でかいのです!茶筅はまるで泡立て器のようだし、茶杓は象の耳かき、、、陣中で沢山の兵に茶をふるまうにはこんな大きな道具でいっきに数人分点てる必要があったのかもしれませんね。
それにしても数茶碗まで次から次へとくりだされる大茶碗(一杯で5人分)、高台寺お庭焼(政所窯)だそうですがいったいいくつお持ちなんでしょうかね。(◎-◎;)

お次は政所様が居住されたというお向かいの圓徳院の煎茶席へ。

煎茶席はほんとうに自由にしつらいできるのでとても参考になるし、なにより見るのが楽しい。担当は売茶真流のお家元。

なんと方丈に7〜8席もうけられていたのではないかしら。どの席も独自のしつらいで、これらを見て歩き。さて、どの席によばれるのかしら。

陶淵明の「採菊東籬下 悠然見南山」席になりました。

このような大きなお盆でお点前されました。抹茶の道具に比べるとおもちゃみたいなお道具がかわいいのです。お菓子は桐の焼き印の麩の焼きと瓢箪の打ち菓子。太閤さんの旗印と菊と桐でまさに政所茶会!
さていよいよ高台寺本堂付書院の太夫席へ。

まあ、なんて艶やかきらびやか!

お点前は島原の司太夫さん。その所作、手さばきは普通のお点前と少しちがって、より女性のたおやかさを強調した美しいお点前でした。半東は司太夫さんの娘さんで振袖太夫(太夫の見習い)。まあ、お美しいこと!
島原の太夫は吉原の花魁とよく混同されますが、花魁は遊女。太夫は正五位の位持ち、よって内裏に参内すらできるという最高位の格の高い芸妓さんなんです。
こちらでは天目台にのった天目茶碗でお茶をいただきました。

最後の席は裏千家・金澤宗匠のお席、場所は、、、、ややっ!ここはいつも都路里のカフェでかき氷をいただいているところではないか!(実は圓徳院北書院)

その奥にこんな開放的なすてきな書院と庭園があるなんてしりませんでしたわ。感激。

お菓子は末富さんの練り切り。
この席には宗匠自らが正客にはいられた席でしたので、裏話もちらほら聞けておもしろかったです。横浜からこられた席主さんがまた、良い味をだしていました。なごやかで笑い声の絶えない席をしきるのは相当の力量とお見受けしました。

最後に点心席。高台寺にある羽柴さんという湯葉料理のお店調整。左手の湯葉餡かけの下にご飯が隠れていてけっこうがっつり、おいしかったです。
これだけの茶席と料理だと、チケットは普通は数万円するんですけれどね、たったの11000円!高台寺さん、太っ腹!
しかも最後のお楽しみが。

太夫席のお点前をおえられて退出される太夫さんの道中、はじまりはじまり!

柝の音で清められた道を禿に先導され、まずは振袖太夫さん。(見習い太夫さんはまだ振袖をきていることからこうよばれる)おきれいですわ〜〜!

お点前を終えられた司太夫さん。この髪型は地毛で結っているらしいです。すごいなあ。司太夫さんはもと祗園の舞妓さんだったそうですよ。芸妓にならずに島原太夫になって、絶滅危惧種的島原の花街文化を世間に広めようといろいろ活動されておられるそうです。

良い気分で帰る道々、円山公園近くの西行庵をちらっと眺めて家路につきました。
この日もまた佳き日哉。
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● COMMENT ●
こまち様
司太夫さんご存じでしたのね。
私はこちらで初めて知りました。恥ずかしながら島原の太夫さんのことも今回はじめて勉強して知ったくらいで、、、(^_^;
お茶は深いですよ〜。でもその前に入り口にたどりついてくれる人が少ないのがちょっとさびしいです。
私はこちらで初めて知りました。恥ずかしながら島原の太夫さんのことも今回はじめて勉強して知ったくらいで、、、(^_^;
お茶は深いですよ〜。でもその前に入り口にたどりついてくれる人が少ないのがちょっとさびしいです。
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東京でも京都チャンネルが見られたころは、よく司太夫さんをお見かけしました。
節分のおばけのお話しなど、とっても楽しかったのを思い出しました。
お茶って、本当に奥が深いのですね。
こまちには何がなにやら訳がわかりません^^;