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2023-12

素晴らしき哉、それぞれの茶の道 - 2013.10.13 Sun

よきご縁に恵まれ、今回西の方へでかけ洗練された美意識をもって、独自の茶の世界観を展開しておられる茶人の御先達にお目にかかる事ができました。

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揖保川焼を焼いておられる揖保川窯の陶芸家、池川翠さん。ギャラリーは古民家を茶の家として再生させた建物。
ちなみに左側の表札の名前は、、、、御出入の野良猫様(^_^; 


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この美しい緑の絨毯に圧倒されます。この広いお庭、体調を崩されるまでは「一にも掃除、二にも掃除、三四がなくて五に掃除」というポリシーのもときれいに掃除手入れされておられたそうです。


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池川「家元」のもとに集い今回池川さんをご紹介下さったK様も、御薫陶のよろしきを得て、茶の湯のもてなしはまずはとにかく掃除!というほどお掃除に精進しておられます。


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ああ、これは「(マニアック)お掃除と坐禅倶楽部」とかげでこっそり呼んでいた、私の茶道原点・心茶会の精神そのもの、、、というか、掃除こそ禅宗でいう重要な作務、の精神ではありませんか。さらにハイレベルなところで実践されている方がおられるとは!


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あんなに華奢な体で、よくこんな!と思うような大作を作られる池川さん、正面の火鉢も彼女の作品です。離れの藁葺き家にはいくつかの小間の茶室(それも伝統的な数寄屋から守破離の離まで行っているような様式)、母屋にはご自分で設計された立礼の棚。どの部屋にもご自分で作られた花器にご自分で採ってこられた野の花が、とてもセンス良くいれられていました。


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この水指も御自作。お茶碗も花器も、それはご自分でお好きなように作ることができるのはなんといっても強みです。建物も、庭もすべてご自身で計画を立てられ、ご自身の美意識に叶うようつくられた居心地の良い空間。こちらで茶会や茶事をなんどもされたそうですが、どんな美の世界が繰り広げられるのでしょうか。是非一度拝見できればなあ、、と思いました。


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母屋の二階はギャラリー+カフェになっているのですが、どうです?お菓子の盛り方からしてこのセンス!こちらで彼女を家元とあがめる(?!)K様はじめお弟子さん、同行いただいた茶友としばしの茶事・茶会・茶道談義、ほんとうに楽しかった!
初めてお目にかかる方ばかりなのに、すぐにうちとけて話ができるのは、これもいつも言っていますが茶道という共通言語の功徳に他なりません。


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茶のことになると、話はほんとうに尽きませんが、K様がご計画くださった「月見JAZZ茶会」は月の出の頃合いを測ってしてくださるもの。ここらでおいとまを。

実はこのおしゃべり中にゲリラ豪雨のような驟雨がありましたの。これはもう月見は無理だな、、、と皆が思いましたが、、、なんと心がけの良い私たち(^_^;)、おいとまするころには空はすきっと晴れました!
(ちなみにK様は晴れ・曇り・雨と全天候型プランをたててくださっていたとか。さすが〜!)



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席入りすると、そこにはもう燭台のやわらかな灯がゆれる別天地。
手作りの、それも作り方を習いにいってまで作ったという玄人はだしのだし巻き!メインディッシュに十分なれるきんぴら牛蒡、アツアツの揚げ出し豆腐の向付、、などの懐石をいただいて中立のころには見事な上弦の月がさやかに中天高く。

庭にしつらえた石のテーブルの上には蝋燭がともってゆらゆらとした火影。虫の音を聞き静かに後入りを待つひとときも貴重な時間。


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後座にはK様が愛するJAZZのBGMが流れ、これを聞きながらいただくお茶も又格別。薄茶の流し点てをさらりとされますが、真まで極めた人がする草のお点前、ここまでの境地にはまだまだ私は到りません。


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茶室で一服いただいた後は、なんと先ほどのお庭の石のテーブルで、月を愛でながら燈火のもと、野点を。平安貴族しかしたことがないようなみやびで幻想的なひととき。

こんな印象深い茶会は初めてです。薄茶だけなのに、こんなにも電車の時間がうらめしく、この時が少しでも長く続けば、、と切望したことはありません。


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(お手製のウサギの雲平)


私は茶事を初めてようやく2年というところ、まだひよっこどころかおしりに卵の殻をつけているような者です。まだ教科書どおりの茶事しかできません。(しかも懐石手作りようせんし、、、)茶の道の御先達の茶事・茶会をみせてもらっていると、なんと奥が深い世界だ、と思います。

池川さんもK様も、いろんなものを背負ってこられたそれぞれの人生のなかで形作られてきた茶の湯の世界をお持ちです。それは私が真似しようとしてできるものではなく、私には私の茶の道がまたあると思います。それを見つける道もまた茶の道、御先達にたくさんのことをインスパイアされ、また元気が出てきました。遅々たる歩みながら、無理はせずにね。



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● COMMENT ●

池川さんのところもどうだったかしら?と思っておりましたが 気に入られたようでよかったです。
私も二度ほどお邪魔しております。苔が美しいかったです。

そして私が頻繁に勉強に?伺ったk邸 こちらもどうかしら?と思っておりました。
皆 それぞれのお茶をされておられますよね。彼女のだし巻き卵は絶品です!
食いしん坊の私に「どうかしら?」と聞かれたことがあります。「これで行けるよ」とTさんと共に言ったことがあります。茶事も色々あっていいと思います。
私も若葉マークの普通のことしかできない初級編です。しぇる様の茶事も素敵ですよ!

ひいらぎ様

池川さんとKさんと、その茶友さんとお話ししていて、お茶は生き方だ、と思いました。なにに価値を置くかも、ひとそれぞれ。他人に憧れるのもいいけれど、自分はその人ではないので、模倣しても意味がない。自分の選び取った人生に即した茶の道を行くべし!(あ〜かっこいいこと言っちゃったかな〜)

素敵な場所で贅沢な時を過ごされたのですね。お茶は人を結びつけるとても良い仕掛けですね。
本当に色んなお茶があると思います。初心者の私どもですが、あせらずに、でも自分らしいお茶を楽しめるようになりたいものです。それにしても、秋は沢山のお茶が楽しめますね!

そらいろつばめ様

お茶を通じてたくさんのすてきな方々と知り合うことができました。(そらいろつばめ様もそのおひとり)
趣味を通じて人とつながるのはなにも茶道に限ったことではないけれど、茶の道は生活・人生そのものと直結しているようで、その分人とのつながりもより切実、深いものになるような気がします。お茶をやっていなかったら、どういう生活をおくっていたんだろう、、、、???

「一にも二にも掃除」・・・という入り口の入り口で、私は失格ですわ。
どちらのお茶事もうっとりするぐらい素敵ですねぇ~  お道具も、場所も、何よりお茶の心得も備わっていない花咲ですが、普段のお客さんをする時、「あーしようか、こーしようか」とワクワク。又、それを汲み取って下さったときのうれしさ・・・・この楽しさを教えてもらった「茶道」に感謝です。

花咲おばさん様

なにをおっしゃいます!主婦の鏡のような花咲さん!
キッチンのぴかぴか度は見せていただきましたわよ。
茶事でどんな道具を使おうかあれこれ思うのは、普通においでのお客さんをもてなすことと等しいと思います。茶席でなくても、日々是道場。
実践されている花咲さんはほんにたのもしくステキです!


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