修二会2022満行ほやほやの練行衆処世界さんを囲んで - 2022.03.23 Wed
修二会シリーズは終わったとおもったでしょ?
実はまだまだ続く。
東大寺近くの某所にて、満行ほやほやの生の練行衆の処世界M師を囲む小さな会に参加。(アイドルを前に萌えるオタクそのものになる)
(*会は東大寺の許可得て)
処世界とは、練行衆の一番若い役どころ、12日の大松明以外の日には松明で上堂されない。(先に上堂して初夜の法要の準備をするため)M師は今年処世界3年目、TLで「処世界さんの日記」を不定期につぶやいておられる。練行衆しか知り得ないような行中の話が満載で、アップが楽しみでしょうがかなかった。(東大寺関係にやっとSNSで発信できる方が誕生!薬師寺や興福寺は若いお坊様方がすでにされているというのに)
(行中使用されていた差懸)
M師は関東で唯一の華厳宗東大寺の末寺からのご参加(今年の練行衆は4名が本山以外から)、18日の観音講のおつとめをすまされれば自坊にお帰りになる。その直前の企画であった。ZOOM向けの会であったが、現地にぎやかし組として、10名ほど、いずれも筋金入りの修二会オタク(^_^;の強者ばかり。
さらにサプライズゲストとして処世界童子(処世界さんの世話をする童子、12日のみお松明をかつぐ)さん、小院士(練行衆の食事を調理する院士のサブ)さんまでご登場。こちらからも普通きけない貴重なお話をうかがう。
司会は企画者のNM様、日本画家、造詣作家にして東大寺で得度された修二会オタク(なんてきらびやかなご経歴!)あと天平コスプレイヤーでもあらせられる。
今回の行で煤けたり焦げたりした(達陀で)差懸のホンモノをご持参、持たせていただく!間近で見たのも触ったのも初めてでもう感激。桜材と松材があって、前者は重いが良い音がするのだとか、確かに重い。これをはいて駆け回ったりパーカッションのようなリズムをとったり、そりゃ体力がいるわ。
行の間、五体投地などでよれよれで破けて煤まみれの紙衣(かみこ・紙でできた衣、重衣の下に着用)、ほんとうに暖かいそうである。今年のように暖かかった日には走りの行のあと暑くて暑くて大変だったそうである。走りのあとの香水(こうずい)賜りはまさに甘露なのもわかるような気がする。一生入ることのかなわぬ二月堂内陣の匂い(^_^;がする?
新調されたという牛王櫃、自坊の紋入り。箱の中身は牛王札(8日9日のみ堂内で摺られるお札)を刷る為の道具や、硯箱、神名帳その他身の回りのものなど入っていて、中身も拝見。
これがその刷った牛王札を入れた箱である。15日未明満行下堂の時に柳の枝の牛王杖の先にこれをつけて出てこられる所を是非一度見てみたい!(今年はコロナで阻止された)
参籠3回目で神名帳を読みあげる機会がくるので、今年初・神名帳だったのだそうだ。(聴聞したかった)神名帳はそれぞれが書き写すのだそうで、M師が写されたものを拝見、ついでにはじめの部分と〜大明神としか聞こえない超速読の部分を読み上げていただいた。う〜ん、お若いけれど良いお声。(ちなみに5年目から過去帳読みあげできるそうだ)
M師が書かれたという時数表、それぞれが何日のいつにどの役目をする書かれたもので、行の間堂内に貼り付けられているとか。是に従って行は粛々とすすんでいく。
達陀もこれを確認しながら、交替で二周くらいされているとは初めて知った。今年は最後に達陀松明を礼堂に投げ入れる「ハッタ」というのもされたそうである。(今年も礼堂にも局にもだれもいない)
今年も行われた別火にはいる前のホテルでコロナ隔離、別火中、行中、その他さまざまな貴重なエピソードをうかがう。
特に面白かったのが食堂作法で、食堂にいる時間は50分ほどだが、食事時間は実質8分くらいしかないそうである。蓮根饅頭が美味しかったそうだ。作法の時の役割をサプライズで変えて他の練行衆をあたふたとさせるお茶目な和上さんとか、米の飯は大盛りでだされるが、練行衆が食べた残りを童子達が食べるので、飯にしゃもじを立てて渡すのに、空にしてしまってしゃもじが立てられなかった話や、のぞきみることのできない食堂内でこんなことがおこなわれていたのね。
参籠衆でなければ知らない未知の世界を垣間見ることができたありがたさよ。長いこと修二会オタクやっててよかった(*^o^*)。
行は厳しいが、その中にもちょっとしたユーモアや、先輩の後輩を育てようという気持ちや、ふっとゆるむ瞬間のはなしや、処世界しか見られない景色(先に上堂して二月堂から夕陽を眺められる)とか、ほんとにほんとにその場を目撃したような感動であった。
最後にこの食堂作法のあとの生飯投げの生飯を包む紙がなんなのか、とても気になって質問、鹿が食べても安全なものだとは思うが、、、
と、質問したら実際のその紙(鼻紙というそうである)を一枚いただいた〜!家宝にしよう(*^_^*)
柔らかい透けて見えるくらいの薄紙でもちろん鹿食べてもOKだそうである。
名残尽きないが、また来年も練行衆としておいでになることを楽しみにお待ち申し上げる。
僧侶の他に臨床心理士として街角に立ち、悩み相談的な活動もされていると聞く。お元気で、こちらもまた来年も修二会を堪能できるよう心身を鍛えておかねば。
帰りの電車の中でわざわざもとめた今年最後の「糊こぼし」をいただいた。
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