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2023-10

薬師寺花会式結願〜鬼追式2022 - 2022.04.04 Mon


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31日、つめたい雨が降る中、ずっと見たかった奈良の佐保川の桜をようやく見る。
佐保川は奈良の北町から西へ、そして南へ大和郡山まで流れる川であるが、その名も春の女神佐保姫からきている。幕末の名奈良奉行・川路聖謨の治水制作の一環として土手に植えられた桜の流れを汲む。もっと北の方(奈良女のあたり)には「川路桜」という佐保川最古の樹齢170年という老木があるのだが、さすが雨の中そこまでは諦めた。

いや、それにしても思った以上に美しいな。近鉄の新大宮駅あたりで車窓からも見えるので、機会があればまた是非。

さてその足で西ノ京、薬師寺へ。
7日間続いた修二会・花会式の結願法要を聴聞、およびその後の鬼追い式を拝見に。


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18時半 初夜法要前に、本堂裏にて今年の咒師・高次喜勝師(ズーム講座でお世話になってます)による神供(仏教守護の天部神を勧請して結願法要が無事終わるように祈る)が行われる。


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国宝東塔を取り囲むようにぐるりと献灯の小さな灯り。このころには雨もほぼやんだ。


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咒師が手渡した種火を大きくして、松明に火をつけ練行衆(薬師寺は10名)に手渡していく。


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松明を手に般若心経を唱え、御幣を焼いたあと、この松明を前に放り投げるのである。我先に燃えさしを拾おうと駆け出す聴聞客、出遅れたわ(^_^;


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本堂へ入られた練行衆を見送った後、本堂の表へ。まだお堂の扉は閉まっている。


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ややあって厳かに扉が開かれると、そこに瑠璃浄土が、、、(お薬師さんのおわす東方浄土)先日法要3日目に聞いた長音和声の西洋的声明をしばし聞く。
これは五体投地の作法。



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例年なら、この法要には人数を限って本堂の中に閉じ込められ拝聴するのだ。約90分、でることもかなわぬゆえ体力に自信の無い方お断り、なのだが、コロナにて本堂に入れない代わりにこうして扉が開かれ、撮影もできるとは、コロナも悪いことばかりじゃない。


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法螺貝、鐘、太鼓の音、南無薬師如来の祈り。
ありがたいが、さすがに90分、寒い中での立ちっぱ無しはこたえたわ。


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終盤、月光菩薩様の前で、咒師による護摩が焚かれる。炎に照らされたお姿に、造花が美しい。壇供(お餅)も見える。
咒師帽をかぶった咒師が腰をかがめて堂内を小走りに何回も駆け巡る。高次師はお若いのに咒師されるんや、と思っていたが、この咒師、若くないとできんわ。

結願法要がおわり、いよいよ鬼追い式へ。(20時半〜 ここから参加する人も多い)


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こちらでも咒師が鬼が暴れ回る場所を結界していく。喜勝さ〜ん、の声もかかる薬師寺のアイドル?(積極的にSNSを活用し、教えを説くために一般と交流されている若いお坊様である。花会式の造花を作るお家のお話があったときにもいらしてた)


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そして5匹の鬼が登場、松明を手に暴れまくるのである。


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ここの鬼は一番凶暴、松明の火を地面や柵に打ち付け火花を散らす。
お堂の前には行を終えた練行衆が並んで法螺をにぎやかに吹いて煽り立てるようだ。


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時に最前列の人があわててよけるくらいに激しい。(イルカショーの最前列でスプラッシュを浴びる感じ?)おかげで最前列までいけたわ(^_^;


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お堂の西にある境内唯一の桜も満開、それを背景に見栄を切る鬼。


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激しすぎて鬼さんの頭に火がついてあわてて消防団が消しに入る一場面すら。


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火花、飛び散る飛び散る


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松明が消えるとかがり火から補給してエンドレス


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最前列で炎を浴びるも、ちゃんとレインコート着用(これは二月堂修二会で学習したノウハウ)しているので服は焦げないよ。


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うわ〜〜アップ〜!
もう90分立ちっぱの疲れもぶっ飛ぶ、炎を見るとアドレナリン噴出やわ。


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そこへ毘沙門天さま登場


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戟を手に、鬼を追い払うのだが、その歩き方がちょこちょこ、ちょこちょこ小刻みにはねるような、ゼンマイ仕掛けのおもちゃのようなので、なにやらユーモラス。


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前回も、この毘沙門天様、かわいらしい歩き方やなあと思ったのを思い出したが、調べたらなんと7年も前のことだったわ。


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鬼の最後のあがきを見て、、、


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毘沙門天勝利宣言?


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鬼のいなくなった境内は聴聞の人たちも三々五々帰っていき、静けさをとりもどし、ライトアップされた夜桜がいよいよ美しい。


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開かれた扉の向こうの薬師三尊さまに拝礼し、家路につく(21時頃)
(7年前はこのあと、写経道場にて、順番に結願うどんが供された)


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これは鬼追い式で鬼がたたき壊したお松明の破片。ゲットしたよ(^^)v




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