新作能・媽祖 - 2022.04.08 Fri
片山九郎右衛門さんの新作能「媽祖(まそ)」上演に際してCFをたちあげはったのに参加して、リターンとしてチケット入手した。
江之浦測候所を舞台とし、背景を海とした海の女神・媽祖のPVが秀逸なので、是非ごらんください。
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多くの賛同を得て成立した舞台を観世会館に見に行く。
最初に九郎右衛門さんのごあいさつ。新作能をつくることはないだろうと思っていたが、2年前から始まったコロナ禍に舞台の仕事がなくなって、考える時間がたくさんできたことで作ってみようかと思われたそうだ。構想は台湾や中国南部で信仰されている航海・漁業の守護神・媽祖である。詞章、台本を作家の玉岡かおるさんに依頼されて生み出された能である。
観世会館は一階も二階もびっしり満席、すごいな。
ストーリーは称徳女帝発願の百万塔、天下安寧を祈願するお経を筑紫国までとどけんと、帝の命により難波津にきた大伴家持。航海の無事を祈るための巫女の神楽を所望し、土地の黙娘(もくじょう)という巫女を召し出す。身寄り無く卑しい身分の黙娘は、母の愛を人に施そうという誓いをたてており、同じく身寄りなくさげすまれてうち捨てられていた「目隠し」「耳覆い」というふたりを拾って身を寄せ合って暮らしていた。(目隠しは千里眼、耳覆いは超聴覚のもちぬし、これを黙娘は封じた)
家持とともに航海にでるも途中で嵐に遭い、あやうく転覆せんとするところ、黙娘は目隠し、耳覆いとともに海に身を投げ、天に召される。その命と引き換えに海は凪ぎ、家持は無事筑紫につくのであった。
住吉明神現れ出でて、慈悲の誓いを守った黙娘を、海を守る女神・媽祖となれ、と神より託す慈悲の玉(きらきらきれい)をわたす。
媽祖となった黙娘は緋の衣をまとい、女神の舞を舞い、同じく神上がった目隠しこと千里眼、耳覆いこと順風耳は勇壮な二人舞を舞い、消えてゆく。
♪ 平和の願ひはとこしえに 栄えまさなんめでたさよ
シテの黙娘・媽祖は九郎右衛門さん、目隠しがうちの能の師匠である。耳覆いの分林師で迫力のある二人舞が圧巻。津守が茂山逸平さんで住吉明神が野村萬斎師という豪華キャストであるが、この満員度と能を見るの初めての人が多い度は萬斎さん目当てかな。なにしろ最後はひためん(面なし)であの顔だし、見せ場もあるのでインパクト強すぎて全部持って行かれた感あり。
でも、媽祖の舞の時には後ろに海が見えた、、、気がしたよ。よかった。
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