白川筋の桜を内側から見る - 2022.04.09 Sat
辰巳神社のある白川筋はもっとも”京都らしい”スポットである。京都が舞台のTVドラマなどでは、わざとらしく(^_^;出てくる場所だ。白川沿いに植えられた桜も美しく、夜桜見物の人出は多い。そんなとこにいくことはまずないだろうと思っていたが、僥倖をひろってその桜を内側から(対岸からというべきか)見る機会を得た。

御縁あって元芸妓さんがお住まいだったという白川沿いの座敷にあがる。白川の向こうに桜。
かつて白川沿いの建物は川に乗り出すように出窓があったそうで(時代の絵にはその様子が描かれている)、まさに「枕の下を水が流れて」いたのである。
この家のあるじは古美術茶道具絵画がとてもお好きで、すごいコレクションをお持ちだ。いくつか飾られていたので堪能した。平安時代の経筒に花が生けられているのみておもわずよだれこぼしそうに。
今日のために来てもらったという大学生の茶道男子に、桜餅で一服お茶を点ててもらう。所作がひとつひとつ美しく、ちゃんと茶道やっているな、ということがわかるお点前。
ビルの中とは思えぬ露地があったり、ちゃんとした水屋があったり、かつてお住まいだった方はなかなかの数寄者。
本日は夜桜を愛でる会ということで、あるじと御縁のある方々20名ほど、異職能集団で年齢もばらばら、交友関係のお顔の広さよ。私はお茶の御縁にて。
辻留さんのお弁当をいただきながら、お酒はMy酒瓶を持参(^_^;
だしていただいた杯がまた古伊万里の蕎麦ちょこなんよねえ。
古美術に詳しい人、花街に詳しい人、寺社に詳しい人、造園業さん、、、いろんな世界の話を聞きつつ夜も更けてくると、白川の桜はいっそう美しさを増す。
会場を二階に移して、そろそろ増えてきた夜桜見物客を川の反対側から見るのは、なんとなく偉そうではあるがちょっとうれしい。
本業は別にありながら津軽三味線が趣味(でもプロ級)というかたのオンステージ、太棹をじっくり見せてもらい、ちょっと弾かせてもらった。重い。棹は紅木という水に沈むくらい重い木材でできているのだそうだ。
さらに夜はふけてゆく。
このあとジャズピアニストの演奏もあるそうだが、翌日の仕事のこともあり中座する。そのあと酔っぱらい達のえらいカオスになったという(^_^;
こんなシチュエーションの桜、あるじにはただただ感謝感謝である。
帰りは川の外側から桜を眺める。
確かに人出が多くなるのもわかる妖しい美しさである。
「清水へ 祇園をよぎる桜月夜 こよひ会ふ人 みな美しき (与謝野晶子)」
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