當麻寺練供養式2022(聖衆来迎練供養) - 2022.04.17 Sun
葛城なる當麻寺、二上山の麓である。

中将姫の命日旧暦3月14日、現在では4月14日に行われる聖衆来迎練供養式である。コロナで2年間中止となっていたが、今年は縮小パターンで開催されることに。
境内にはすでに来迎橋がかけられている。
例年は1万人の人が押しかけて立錐の余地もないと聞いたが、今年は楽勝のすき具合である。
ちょっと待つ間に参道で買った蹴速餅を。野見宿禰に相撲で負けた当麻蹶速(たいまのけはや)にちなむ餅で、中将餅が草餅に餡なのに対して、餡のはいった草餅、と逆転している。いや、あんこ、美味しかった。
16時前、中将姫像をのせた輿が、現世と浄土をつなぐ来迎橋をわたる。(本堂から娑婆堂へ)
中将姫伝説はあえて説明するまでもないが、姫が聖衆(二十五菩薩)の来迎をうけて生身のまま極楽往生を遂げたさまを再現するのがこの練供養。
まずは當麻寺の各子院のお坊様方の行進。
かぶり物があったりなかったり、これも當麻寺が真言宗と浄土宗の二つの宗派の子院にわかれるからなのだ。これもおもしろい。起源が古代すぎてよくわからないお寺らしくていいわ。
柄香炉からほのかにお香の香りがする。
菩薩様達の来迎。
能面より目穴が小さいようにもみえるし、来迎橋はかなり高いし、面をつけて歩くのはさぞこわいだろうなあ。
例年は二十五菩薩が練り歩き、かわいいたくさんのお稚児さんのお練りもあるそうだが、今年は七菩薩のみでちょっとさびしい。まあ、ゆっくり余裕で拝見できたのでよしとしよう。
そしていよいよ登場、「スクイホトケ(救う 掬う)」と呼ばれる観音様。
蓮台を持って姫の魂をお迎えに来られるのである。腰をかがめて、伸ばして、蓮台で姫を掬うような動作で進んでいくのでスクイホトケさんと。
このリボンみたいな羽衣が風になびき美しい。それにしてもほんと、こわいよな、狭くて高い橋の上。しかもずっと屈伸、若くないとできない。
同じく屈伸しながら進まれるのは勢至菩薩さん。
こちらはずっと合掌してはるので「オガミボトケ」さんとおよびするらしい。
最後に天蓋を持っただけの(^_^;普賢菩薩さん。
この来迎再現のお練り供養を最初に考えたのが、当麻出身、平安時代の恵心僧都源信(「往生要集」を書いた方)だという。
菩薩様方が来迎橋をくだって左手の娑婆堂へ、ここで中将姫をお迎えする。
さきほどの蓮台に姫様が乗っておられる。
あ、こんなかわいいお姫様なんだ。中将姫が往生されたのは29歳の時だという。
勢至菩薩さんも後をおいかけて浄土へもどっていかれる。
中将姫伝説では折口忍の「死者の書」がいい。謀反の疑いをかけられ二上山に埋葬された大津皇子の伝説もからめてあって幻想的なお話になっている。
七菩薩さまも浄土へ帰っていかれた。これで無事来迎供養はおわった。縮小版なのであっというまであったが、これが二十五菩薩や稚児行列なんかあるともっと華やかなのだろうなあ。
舞台裏をちょっとのぞくと、お寺のスタッフさんが無造作に中将姫さんをかかえてはった(^_^;
それからスクイホトケさんはやはり若い方だったのね。お疲れ様ですm(__)m
本堂から、もう撤収がはじまった来迎橋を振り返る。こうしてみると結構幅があるね。
何年も前からずっと来たいと思いつつ忙しかったり、忘れていたりで来られなかった當麻寺練供養、縮小版ながら、念願がかないうれしい。
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