藤田美術館いよいよリニューアルオープン! - 2022.04.27 Wed
こちらは大阪城北詰にある5年前の藤田美術館のお蔵の写真である。戦火を免れた土蔵に藤田男爵(傳三郎)の貴重なコレクションが展示されていた。なにせ国宝曜変天目を有する美術館である。中に入るとオイル引きの板の床はぎしぎし鳴って、照明は白熱灯?と思うようなレトロな施設であったが、けっこう好きだった。
2017年、改修工事前の記念茶会を最後に長きにわたる休館が続いたが、今年4月、いよいよリニューアルオープンである。(あれが太閤園内の茶室や洋館に入れた最後かもしれない)

外観は以前から前を通って知っていたがなんともまあ、かつての面影のかけらもない超モダンな建築である。
しかも入館料はキャッシュレス決済のみ、図録もQRコードを読み込んで自分のスマホを見ながらの鑑賞になる。ただし、撮影はOK!の太っ腹。かなり先進的美術館に変貌をとげているなあ。(しかしスマホを使えないネット難民はどうすればいいのか??)
エントランスを入るとまず目に入る広間の茶室。ここで茶会なども行われるのだろうな。
そしてフロアの半分を占めるカフェ・あみじま茶屋(ここは網島町、心中天網島の網島)もニュースタイルだ。ここはあとから行くとして、、、で、入り口どこ???
かつての土蔵の扉をそのまま埋め込んだドアが美術館の入り口であったが、これほんま迷うと思うよ。ちなみに下の敷石も旧美術館周辺にあったものらしい。
とにかく美術館の中はかなり照明を落としているので暗い。目を慣らすためのスペースがこちら。床は旧美術館の陳列棚の板を再利用、この柱みたいなのは蔵の梁の4分の1なのだそうだ。樹齢200年を超える材木をふんだんに使えた時代を感じつつ、目が慣れた頃、暗い美術館へ。
、、、とこのように暗い。ほんま暗い。しかもガラスケースのガラスの透明度が高すぎて激突しそうになる。
陳列されている物は以前何度も旧美術館で見て、また出張展示(奈良博など)でも見たおなじみの物なのだが、照明一つでこんなに印象が変わるのだな。とりあえず藤田の一級品のラインナップ。
スマホ片手に解説を読みながら暗い展示室を徘徊する。(徘徊という言葉がぴったりなくらいな動線配置の展示になっている)
印象的なのはやっぱりその逸話とともに有名な交趾大亀香合かしら。傳三郎が所持していたが、茶会で使ったことのない田村文琳茶入(これも展示)とともに是非お披露目したい、と長年彼が熱望していたのがこの香合、落札した!という知らせを聞いたのはその臨終の床だったという。
そして別格は言わずとしれた藤田曜変天目!これも何回も拝んだなあ。静嘉堂に比べるとやや地味ながら、それゆえこちらの方が好き、という人もいる。もちろん国宝、これも撮影OKだなんて、あまりに畏れ多いので、遠景のみ(^_^;
(この天目だけ一部屋独占してはった。さすが)
展示室を通り抜けると、暗さに慣れた目が痛いくらいまぶしい部屋、この窓もかつてのお蔵のものである。
ここを通り抜けて外に出ると新しい四阿風の建物はあるが、、、
どこかで見た景色、、、、と思ったら、、、
今では市民が憩う公園になっている藤田邸跡公園につながっていた。ここも以前来た時より整備されきれいになっている印象である。
残念ながら素晴らしい庭園と建築、茶室を要する旧藤田邸の一部であった太閤園は売却され、某宗教団体の所有になったと聞いたが。つぶさないでいてくれることを祈る。
さて、またエントランスにもどって(ここは美術館利用でなくても入れる)あみじま茶屋へ。メニューは団子に抹茶か煎茶か番茶500円だけなのだが、お茶の話をされながら、目の前で抹茶は点ててくれる、煎茶もいれてくれる。
ここのスタッフさんはカフェだけでなく美術館の仕事も兼任されているようで忙しそうだ。
抹茶茶碗のこれは村田浩一郎さんの井戸写しで、、、どうやら大阪の超敷居の高い古美術商TM屋も噛んでるみたいね(^_^;
で、私は和歌山産のかぶせ茶をいただきました。三々五々みんな階段やベンチにすわって食べている気軽な感じがなかなか良い。
かつてのお蔵の美術館も忘れがたいが、これはこれでまた楽しめそうである。
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● COMMENT ●
そらいろつばめ様
久住さんのご説明、入館の時にあって、どこかで聞いた名前〜と思ってました(笑)。大河「真田丸」のOPに使われた、、というご説明も。展示物も建物も見どころ多いですね〜。
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その大きな壁は久住有生(なおき)さんで、
30年前に我が家の壁を塗ってくれた久住章さんの息子さんです。
その頃は高校生でした!
そういえば孤篷庵の大圓庵の壁も有生さんでしたね。
藤田美術館のサイトにインタビューがあるので
貼り付けようとしましたが、英文字が多くてはねられました。
検索してみて下さい。