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2023-09

「伊勢物語」にちなむ茶事 - 2022.04.29 Fri

御著作をいくつか拝読している日本文学研究者をお迎えするにあたって、無謀にも日本古典文学でおむかえする命知らずでございます(^_^; 事前に必死こいて「伊勢物語」原文を読み直し。


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寄付
♪武蔵鐙さすが(刺鉄)にかけてたのむには 問はむもつらし 問ふもうるさし

実際は使わなかったけれど隅田川香合
♪名にしおはばいざこととはむ都鳥〜


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あまりくどいのもなんやし、松葉勇気さんのミニミニ経筒にフタバアオイいれてみる。


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芳名録に、先日川口美術でゲットしたばかりの菊池克さんの桃の陶硯と仏手筆架


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なんかすてきでしょ?この仏手


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待合に筒井筒の絵と初冠にかけた冠香合(大宗匠好)


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本日のお客さま方は組み合わせがどうも不思議なそれぞれの道のスペシャリストたち。かなり長いお付き合いらしく、共通項は「茶が数寄 いや好き」ということなんやろうなあ。


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露地はあっというまに緑色がしたたるようになった。緑陰とはこのことだな。(陰では毎日常緑樹の落ち葉拾い、、、)


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床の上の板は最後まで花入れなににしようかと逡巡した痕跡


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ほんとうは藤の花をいれたかったけれど(百一段 咲く花の下にかくるる人の多み ありしにまさる藤の陰かも)手に入らず、ちょっと似てる!とアケビの花を。


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煮物椀には先日知ったばかりの食材、板わらびを使ってみた。見た目まあまあだが味はちょっと微妙、、、
今回はお酒の瓶が気持ちよくあくこと!亭主にも飲ませようとするので困るわ(困らないけど)。和やかな親父ギャグとダジャレに癒やされ?つつ、亭主の緊張もほぐれる。

でもそこは日本文学スペシャリスト、さすがというか伊勢物語を潜ませたポイントをことごとくわかってくださって、打てば響くとはこのこと、亭主冥利に尽きる。伊勢物語でこんな会話ができるの快感でしかない。


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また窯元であるスペシャリストは、懐石に忍ばせたこれに鋭く反応、「御菩薩焼やね。」古清水についての見所や、作り方の解説を拝聴。このまま席中で話をずっと聞いていたかった!


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主菓子は毎度お世話になっているみのり菓子さんにお願いした「橘襲」
♪皐待つ花橘の香をかげば昔の人の袖の香ぞする
黄身餡に柑橘を練り込んだ美味しいお菓子であった。


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後座も在原の行平にちなむもの、武蔵野(若草の妻もこもれりわれもこもれり)にちなむもの、など少々こじつけもありながら、わかってくださることにすっかり甘えて。


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亀廣保さんの春の野

現在の茶の湯のあり方に対するきびしいお話もでる。おおいに首肯するところあり。


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干菓子その2は茨城県古河市のお菓子屋・はつせさんからとりよせた「しら玉」
これほろほろの白あんを薄くチョコでコーティングしたものだけれどめちゃくちゃ美味しかった。実は名前買いしてあまり味は期待していなかったのにびっくりだ。
ちなみにこれは伊勢物語で一番好きな「芥川」から
♪白玉かなにかと人の問ひしとき 露と答えて消なましものを

業平の永遠の恋人藤原高子(二条后)を背負って逃げたものの、つかまって二度と手の届かない(入内した)人になってしまった悲しみを歌った歌。


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しのぶ草
♪春日野の若紫のすりごろも しのぶのみだれかぎりしられず


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お正客さんのスピーディーな所作に(席入りも早かった〜!)けっこうイラチなわたしでさえ追いつかないほどで気がついたらお開きまで4時間切ってたわ。最速新記録。そのせいかおかげで後の疲れが少なかった。


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東下りならぬ東から下ってきていただいて一座建立、とても息のあった主客となったと思っている。深く感謝します。またダジャレで和ませて?くださったお詰めさま、今回の客組の労をとってくださったIさまにも御礼申し上げます。




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