東山山麓某所の月釜で七夕茶会掛釜 - 2022.07.12 Tue
雨上がりで蒸し暑いながら緑がきわだつ某お寺さんでの月釜、七夕の釜、掛けさせていただいた。
寄付で笹に短冊(花入れは某氏よりお手作りを拝領)五色
その2枚に
「飛流直下三千尺」
「疑是銀河落九天」
李白の七言絶句「望廬山瀑布」の後半、この謎解きは席の最後までお預け。
待合に耳盥にいれた梶の葉(うちの庭にわさわさ)
ほんとうは角盥(水をいれる)にしたかったのだけれど、なかなか見つからないのだ。ちなみに耳盥はお湯をいれる。

その盥の上には竹の三脚をたて、自在の釘をつるす。けれど釣る釜がない、、、、??と思っていただいたら大成功である。答えは本席で。
待合で食べていただくのは、索餅を模した形の求肥に爽やかな夏みかんジャムを使った和菓子。和菓子店・青洋さんにお願いして、試作を作ってもらい決定した誂え菓子である。(露打ち、水屋さんがきっちりしてくれた)
ちなみに索餅は中国から伝わった唐菓子で素麺の原型といわれ、起源となる神話があって云々、、、と席中で講釈をたれてみる(*^_^*)
さて、本席、数寄者の達人さんは「おお!こういうことか!」と席入りの時、水屋に聞こえるようにおっしゃる。これが数寄者の心得の見本(*^_^*)
待合の自在の先にあるはずの釜はこちらの軸に。白隠の遠羅天釜(おらでがま)画賛。
「おらで釜自在天までつり上げて雲の上にも茶をや煮るらむ」
雲の上で織り姫彦星もお茶してるかしらね〜の意味もこめて。
当代の諏訪蘇山さん、宗哲さんの姉妹コラボの瓜青磁水指は、、七夕にしか使えないけどお気に入りである。ちなみに瓜を縦割りしたために一年に一度しか天女に会えなくなった男の中国の神話もある。これは縦割りの瓜の形。
お点前はすべて自分でさせてもらった。(さすがに終わりかけには膝が、、、膝が、、、)
夏は暑くてあまりお茶をしないので、高麗茶碗の平茶碗が少なく、お皿みたいなのもひっかき集めて高麗ブラザーズでそろえたが、主茶碗は点てるのに超絶技巧を要する(ほんとはそれほどむつかしくない)ほぼ皿!の茶碗。むしろお客様の方が飲むのに超絶技巧を要するかも(^_^;
茶器は九州の南画家・田近竹邨遺愛の雲堂手であったが、ほとんどの方が知らないこの名前をご存じ方がおられてびっくりした。
最後に寄付の答え合わせは茶杓の銘が「瀧の音」(千家のややビッグネームの方のです)
「瀧」と「銀河」を言いたかっただけなんですが(^_^; ただこの李白の七言絶句、若い頃から大好きだったのでちょっと言ってみたかった。
暑い中にもお越しくださった月釜会員さん、招待状をお出ししたら喜んでおいでくださった茶友さん、一座建立ありがとうございました。
そしてなにより、バックをまかせて投球に専念できるピッチャーよろしく、全幅の信頼で任せて点前に集中させてもらえた、若き茶友の方々でもある秀逸水屋チームにも深く深く感謝です。
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