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2024-02

板谷波山の陶芸〜生誕150年記念〜泉屋博古館 - 2022.10.12 Wed

板谷波山の波山という号はふるさとの筑波山からとった、ということを今回初めて知った。


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板谷波山の陶芸展(〜10/23)が鹿ヶ谷の麓(まあ、ご近所)泉屋博古館にて開催中。


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恥ずかしながら、波山の名前はTVの「なんでも鑑定団」でくりかえし出てきたので覚えたようなものである。波山がなくなったときには私、もう生まれてました〜(^_^;くらい近い昔の方なのだ。


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玄関ホールの撮影OKの大壺は波山の真骨頂、「葆光彩磁(ほこうさいじ)」葡萄唐草文花瓶。薬師寺のご本尊台座のレリーフを写したもの。


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葆光彩磁とは、まさに光を内に保つという意味で、彩色した下地の上に葆光釉を掛けると薄もやがかかったようなマットな色になる波山の代名詞的技法。釉薬の中に微細な気泡がはいっているためこうなるそうだ。



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もともとは東京美術学校で岡倉天心や、高村光雲らの指導のもと彫刻を学んでいたそうで、その頃の習作も展示されているが、なにより絵心がすばらしい。おびただしい作品は主に草花紋が主なのだが、アールヌーボー的でどこかウィリアムモリスを思わせる。文様をそのまま絵画として残しても画家として名をなしたのではなかろうか。陶芸家の腕にこの絵心がなんといっても波山の強みなのだろう。


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作品が売れる前はありったけの財産を窯を作るのに費やし(家族もいるのに!)板谷破産といわれたとか(^_^; それでも作陶釉薬の研究を続け、ついには陶芸家として初の文化勲章を受章されるのである。(人間国宝は辞退された)
釉薬や窯焚きの研究ノートなども展示されており、陶芸ってつくづく化学実験だなと思う。



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肉薄彫刻を生地にほどこし焼成、さらに彩色焼成、釉薬で焼成、、、と多くの段階を経て完成する手間の掛かる作品群。主にお屋敷の広間を飾るような装飾性の高い大きい物が多いが、香炉のようなかわいらしい床の間に飾っておきたいような作品もある。茶道具もないではないが、作品数としては少なかった。彫刻をほどこした茶入が印象的。


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浅い彫刻に釉薬がたまることで繊細な陰影ができる。笹の葉の緑のグラデーションなどがもうほとんど絵画で、陶芸には見えないくらいだ。
この銀杏の葉が一番好きだったもの。このまま絵にしてもいいでしょう?デザイン化したフォルム、葉っぱの端のギザギザ、葉脈、虫食いまで素敵だ。

会場では波山の晩年に近い頃の動画が流れている。拾った子猫を抱えてにこやかな姿は好々爺に見えるが、仕事には己に厳しい人だったそうだ。作品の胎となる素地は専門の轆轤師にひかせていたそうで、中でも轆轤師・現田市松は53年の長きにわたって彼を支え、波山もまた文化勲章授賞式に彼を皇居へ伴ったという。一緒に写った写真でにこやかな二人。現田が先に逝ってしまい、それは波山にとって大きな精神的痛手となったという。




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