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2024-03

旧奈良監獄〜見納め - 2022.10.27 Thu



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きたまち宵あかりでライトアップされていた旧奈良監獄、いよいよ最後の公開に滑り込み。


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明治41年竣工 戦後は少年刑務所、平成29年その役目を終えて廃庁、今後建物を生かしてホテルにリノベされる予定。なので内部の姿を見ることができる最後の機会である。


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全景(模型)放射状の部分が監獄部分。

明治政府が監獄の国際標準化をめざし計画した五大監獄の一つで、唯一原型を保っている建築である。(他は千葉、金沢、長崎、鹿児島 他は一部しか残っていなかったり、原型をとどめなかったり)設計は山下啓次郎(ちなみに山下洋輔のおじいさん)
国際標準化は、明治の不平等条約是正のために諸外国に見せなきゃならなかった日本の近代化の姿なんだよね。(「晴天を衝け!」にもそんな苦労が描かれていた)

とにかく、建物がどこを見ても美しく、写真に残そうと撮りまくったので今日は多いです、画像。



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これは二階部分だが手前の机が看守の定位置。5つに分かれた放射状の棟が一目で見渡せるハビランド方式という人員が少なくても監視できるシステム。(ハビランドはフィラデルフィアの建築士)



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使用目的はともかく、この美しさを見て!


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立ち並ぶ独居房の扉


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扉は重々しい木製である。


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食事を差し入れる扉
それにしてもいかめしいロックだこと。見学者があやまって閉じ込められても、この建物は国の管轄なので、許可無くすぐには開けられないとのこと(^_^;


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独居房の中
せまい、、トイレの前に畳二畳がはいっていたらしい。
(法相宗の僧侶の竪義を思い出した。あれも畳半畳にずっと閉じ込められる)


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5つに分かれた棟はそれぞれ少しずつ形を変え、どこも整然と美しい。


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二階の廊下の中央は、監視のため吹き抜けになっているので、柵はあるが落ちそうでちょっと怖い。


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これを下から見上げた景色


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多くの受刑者や看守が踏みしめた石の床


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一階の看守席から二階を見上げる。これもまた美しい。


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その二階から一階を眺めた景色


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礼拝室らしき小部屋もあって、仏教キリスト教に天理教があるところが奈良らしい。その他広い講堂もあったが、ほとんど昔の小学校にあった講堂そのもの。なんだか懐かしいような気がする。
所長室は洋室で立派、クラブ活動室などもあり。


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重屏禁房というとってもコワい部屋は、狭い部屋、夜具なし、暗いで、よほどの極悪人を閉じ込めた房らしいが、さすがに非人道的すぎて近年は使われていないとのこと。


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一画には作業所もあり、ここで受刑者は大工や左官などの職能を身につけ、出所後の更正に役立てた。この部屋からノミなどの工具を持ちださぬよう、退出時には厳しい身体チェックがあったようだ。

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こちらは雑居房 3人部屋
先ほどの独居房に比べると広くて明るい。悪風感染しないようにグループ分けには気をつかったとか。


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<またあう日まで 赤レンガフェスティバル2022>と銘打ったイベントの数々。少年刑務所の作業で作られた工作品の販売もあり、木の靴べらを購入。


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ここからは主棟をはなれて付属の施設へ。


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これは隔離病舎
今ならさしずめコロナ患者?かもだが、当時は主に精神疾患の患者で暴れる受刑者を隔離したようだ。


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これは使われていたわけではなく、奈良奉行所で使われた牢舎。キリギリスをいれる虫籠に似ているところからギス監と呼ばれたらしい。ふきっさらしでこれはつらいわ。「せごどん」で西郷隆盛が沖永良部島流罪の時にいれられていたのがこんな牢屋だったな。明治になって司法の近代化を示す資料として移築されたものらしい。


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これは医務所棟
場所柄清潔感ただよう。歯科の処置室もあった。


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白いタイルが一昔前の病院っぽくてなんだか懐かしい。


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見学を終えて門を内側から眺める。ここだけみればディズニーランドっぽいすてきな建物なのだが。


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さて、ホテルに改修はどのようになるのだろうか。独房をそのまま客室にする(^_^;のは無理があるとしても、現在の美しさがそこなわれないことを切に願う。


<おまけ>

奈良町中へ帰って、、、


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たまたま空席あり、の言葉にさそわれて、宝石箱の栗氷と、、、


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ことのまあかりさんの古代スイーツセット(曲がりと索餅)をはしごしたことを白状します。



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