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2024-02

玉林院月岑宗印和尚四百年遠忌記念茶会 - 2022.11.04 Fri

大徳寺玉林院にて開山の月岑宗印和尚遠忌四百年記念茶会が催された。
薄茶席三席、濃茶席、点心、野村美術館の展観席、蓑庵などの建築の解説、、、と思った以上に贅沢な会であったのでご報告(?)


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月岑和尚(号:大興圓光禅師 by 後水尾天皇)は古渓宗陳の法嗣である。典医曲直瀬正琳(曲直瀬道三の弟子)が開基となり正琳院(のちに玉林院)を創建、乞われて開山となった方。その方の四百年遠忌で玉林院主宰ではあるが、茶席は玉林院のみならず、総見院、瑞雲軒まで使用という大がかりなもの。


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朝の8時過ぎからいくつかのグループにわかれてスタート。
まずは総見院の薄茶席二席。総見院は秀吉が信長の菩提をとむらうために(自分の後継者としての正当性を誇示する意味も)建立した塔頭で、ここは毎年木村宗慎先生の初釜でお邪魔している勝手知ったる席である。


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洞雲会、常楽会という二つの玉林院茶の湯護持会のご担当。二席ごっちゃになるがまとめてご紹介。

待合には近衛三藐院(信伊)の月岑和尚宛の消息。注文した花がどうのこうの?という内容。本席では月岑の師であった古渓が与えた法号・宗印をしるしたもの。これらはいずれも貴重でこの会の趣旨にぴったり。

かつて玉林院の門前にあった常楽庵という庵で、表千家如心斎、裏千家一燈、川上不白、それに当時の玉林院8世・大龍宗丈、10世無学宗衍が七事式を制定した。常楽会はその名前が由来である。それに関連して、一燈、不白、の道具がでる。特に不白の書き付けのある茶壺は、実際に柳桜園がお茶を詰めているものが脇床に飾られていた。待合で「御茶入日記」が展示してあったのはそういうわけか!
さらにもう一席の軸が大龍宗丈の一行「月落不天離(水流元入海)」。

また花入の花が桐の実と菊で、場所柄総見院なので、秀吉の菊桐にちなむのはさすがである。
印象的なのが黒高麗の茶碗。茶碗は珍しいかもしれない。利休が黒楽をはやらせたせいで好まれなくなったという説はなんとなく納得。洞雲会の半東されていた信楽の陶芸家さんの数茶碗がなにやらかわいくて乙女ごころ?をくすぐった。



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点心は瑞雲軒にて一久の精進である。


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瑞雲軒はなにやらみやびな脇床とか障壁画とかあるなあと思ったら、有栖川宮邸から移築された書院だったのね。もっとよく見ておくべきであった。


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(孤篷庵へ通じる道、、、すっかりおなじみの場所(^_^;)


濃茶席は玉林院の本堂にて。
これは迫力あった。正面に大興圓光禅師(月岑和尚)の頂相、遺偈、一行物、花に菓子。お堂の真ん中に松の木地の台子に南鐐(竹影堂・前日納品されたばかりとか)の皆具。周りを取り囲む畳の席にすわる、、、これはなにか見たことあるような、、、そう四つ頭茶会だわ。そう思ったら点出を運ぶ袴男子が大きな盆にそれぞれ天目台にのった天目茶碗をいっぺんに5つくらい持ってくる。そして出した後、盆を縦にかかえてかえる、、、これまさに四つ頭の作法だわ。
そしてなんとお点前されるのが数寄屋建築の飯島照仁先生なのだ。(現在国立博物館で展示中のレプリカ待庵と黄金の茶室を監修されたということで話題。)

本家玉壽軒さんの薯蕷「玉」(中が黄身餡)についてきた南鐐の菓子切りが今回の引き出物、これはうれしい。


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そしてお待ちかね野村美術館の展観席。
谷館長と交代で説明してくださるのが知人の陶芸家(ダジャレ得意(^_^;)のYさんと才女Mさんコンビであった。野村のお宝を硝子越しでなく至近距離で見られるありがたさ。
今回は不昧公所持、雲州蔵帳に載っているものをメインに。
角倉光悦なんぞ出てましたのよ(*^_^*)宗旦茶杓に与次郎釜、利休所持の火箸、存星の香合。

一番印象深かったのは、野村が最近入手してまだ公開していない一休宗純の達磨の画賛「芦葉達磨図」である。なんと!先だって行った王寺町の達磨寺で学習した聖徳太子の「片岡飢人伝説」がテーマなんである。ちょっと感激。
あれは飢えて死にそうな人に太子が衣を与えたところそれは達磨の化身であったという伝説で、だから達磨。よって水指が南蛮不識(=達磨)なのだな。



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(雨龍かわいい)

残念ながら中へはないれなかったが(でも入って見たことはある)茶室・蓑庵、霞床席、鴻池家が祖先の山中鹿之助(我に艱難辛苦を与えたまえ、、の武将)を祀った南明堂、の建築的解説を工芸繊維大学の建築の先生からお聞きする。ここは足下の歴代楽が作った赤楽のタイルが美しい。古くなったものはその時代の楽が新しく作って補うのだそうだ。
解説を聞いて、南明堂を振り返るとほんとうに美しいこけら葺きの屋根なのである。
この屋根に別れをおしみつつ帰路につく。

ほんまに贅沢で想像した以上にすばらしい会であった。


<持ち帰った干菓子>


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下にのっているのがそれぞれいただいた竹影堂さんの南鐐菓子切り




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