アトリエシムラで一日・織り姫?? - 2022.12.02 Fri

四条河原町の南にある壽ビルデイング(登録有形文化財建築・昭和初期)、この雰囲気あるレトロビルの中に志村ふくみさんゆかりのアトリエシムラがある。
今年9月アトリエシムラ草木染めワークショップでシラカシでスカーフを染める体験をしたが、今度は是非織りもやってみたいなあと思っていた。
機織りのワークショップは一度に2人までなのでなかなか競争率が高く、今回やっと機会をゲット。これが機織り機かあ。じっくりみたのは初めて、さわるのも初めて。
ちょっとわくわく。
今回のベースの色はグレー。桜やシラカシやその他いろんな植物で染めた紬糸をベースに心の向くままに織っていく。グレーは同じ植物でもましてや違う草木だと様々な色を見せて変化に富む。
さあ、はじめるよ〜。
頭の中にあるイメージで、ちょっとだけ計算して織っていく。
これがシャトル=杼である。これを縦糸の間に通すのが最初はむつかしくてよっこらせ、という感じだったが、だんだん慣れてくる。しかもどんどん糸という線が面に織り上がって行くのが目に見えるので、こんな楽しいことはない。
しかし私は知っている。私がやっているのは縦糸を綜絖に通す、、、といういっちばん面倒くさい仕事をはしょっていることを。この細い縦糸を一本一本結びつけてセッティングする作業はちょっと想像しただけでくらくらする。1040本!縦糸を通すだけの会社も西陣にはあるくらいなのだ。
グレーと黄緑(刈安と藍)、黄色(刈安)、茶色(ヤシャブシ)を線の太さで3パターンの繰り返しにしてみた。段の数を数えなかったので、全くの目分量(^_^;
トントン(筬おさ)で音を打ち込む音、からりは杼が縦糸の間を走る音、だんだんリズミカルにできるようになって、作業に没頭、無念無想の境地になる。これはメンタル的にも良い物ではないだろうか。
色糸を変えるのもまた楽しい。お隣さんはほぼ全色試してはった。それでも色がケンカせず全体としてー調和しているのはやはり植物だけからもらった色だからだろうか。
私もグレーの糸がなくなって、次々元の植物が違う物を使ったが、まったく違和感がない。
お昼まで2時間、ランチはお向かいのGoodNatureで。
部屋の一角にこの色はこの草木で染めました、という植物見本もあって見ていると楽しい。以前も聞いたが、草木は緑が多いのに、一種類の草木では緑という色は染められないのだ(刈安と藍を混ぜて作る)。不思議。
昔志村ふくみさんの特番で、彼女がそこらの草を摘み煮出し「あなたはどんな色になりたいの?」と植物に話しかけていたお姿が印象に残っている。染色の色素との出会いは偶然も大きいのかもしれない。
午後から2時間、朝より調子よく織り上げて、完成、測ったら約1m織れていた。
さて、たくさん織れたし、古帛紗だけでなく数寄屋袋もできそうだわ。(縫えるかどうかは別にして(^_^;)茶席でこれは自慢できそ〜♪
機織りはまりそうである。また別のベースの色の時に行ってみよう!(競争率高いけれど)
● COMMENT ●
ハンドルネーム 入れ忘れました。
山葵様
コメントありがとうございます。
小倉の袴といえばよく昔の(明治〜?)の学生さんの制服みたいな物として小説によくでてきますので、名前だけは知っていました。復興されているのですね。同じように一度絶滅?してから復興する物も結構多くて、丹波布や、着物ではないですが赤穂段通など、昔のいいものを見直す機運はうれしいです。
忙しい現代においては手織りは贅沢な趣味の世界かもしれません。なにより織っていると心がとても落ち着くのが心地よいです。
小倉の袴といえばよく昔の(明治〜?)の学生さんの制服みたいな物として小説によくでてきますので、名前だけは知っていました。復興されているのですね。同じように一度絶滅?してから復興する物も結構多くて、丹波布や、着物ではないですが赤穂段通など、昔のいいものを見直す機運はうれしいです。
忙しい現代においては手織りは贅沢な趣味の世界かもしれません。なにより織っていると心がとても落ち着くのが心地よいです。
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高校の同級生に ふと目にした古裂から 小倉織という織物を再生した方がいます。
木綿の織物ですが 密に織るため絹のような光沢があり 丈夫なので 江戸時代は袴に用いられたようです。
妹さんが会社をつくり 機械織りで量産されていますが、機械織りは手織りのような 風合いがないようです。仕方のないことですが。