topimage

2017-08

真葛が原・西行庵にて - 2013.11.18 Mon

早朝四時半に起きて、まだ暗いうちにでかけた雨の八坂神社石段下、朝まだき。

IMG_4049.jpg


四条通りはまだ人通りはありません。


IMG_4050.jpg


人気のない八坂さんの境内は街灯だけが明るい。


IMG_4052.jpg


八坂さんとこを南下して、円山公園の一角、真葛が原の西行庵へ。
西行法師がなくなった場所は河内国の弘川寺という説が一般的ですが、ここで亡くなったという説もあります。どちらにせよ、ここに庵を結び住まれていたことだけはたしかなようです。

入寂後、その供養に西行さんの木像をお祀りしたのが西行庵なのですが、明治維新の廃仏毀釈で無住の荒廃寺となって消滅しかかったところを、小文法師や、かの富岡鉄斎などが発起人となって現在の西行庵を再興したとか。
以後小文法師の茶の湯の弟子達が維持保存されて、現在の庵主さん、まだお若い男性、にいたります。


IMG_4055.jpg


こちらでは毎日早朝に庵主さんによる、西行法師への献茶・献香がおこなわれ、希望者があればそれにご相伴させていただけるのです。
四畳半の浄妙庵は障子をあけはなつと八畳の間になる茶室ですが、室内は暗く和蝋燭の灯りが三本だけ。ゆらゆらゆれる燈火のもとで、まずは庵主さんの献香。志野流とも御家流とも違う所作で聞香炉の灰を整えていかれます。よい伽羅の香りがほのかに。宮廷に伝わる上つ方の流儀なんだそうです。まずは床の間の西行さんの絵の掛け物に献じられ、そのあとご相伴させていただく。

ちなみにこの絵は、謡曲「江口」にちなむもの。江口の遊女の家に宿借りをたのむ西行法師が、遊女と歌をかわし物語していると、その遊女は朝になって普賢菩薩であったことがわかる、、、、という場面。

ついでお茶を点てて御献茶、われわれもご相伴。流派は一見藪内のような、石州のような、、、、お聞きしたところ、基本は遠州だったそうですが、それに石州、藪内、などをとりいれて、元は北面の武士であった西行さんにふさわしい武家点前としてご自分で作り出した「円位流」なのだそうです。

西行庵の由来などお聞きしながらお茶をそれぞれ二服点てていただいている間に一番短い蝋燭がふっと燃え尽きてしまいました。その様を見ていてはっと気づくと、障子はほのかに明るくなり、夜明けがきたことを知りました。この瞬間がたまらなく、素敵でしたね。電灯に慣れた生活では味わうことのできない瞬間です。


IMG_4056.jpg


お茶が終わってからも一時間以上、庵主さんの西行庵の由来、維持のご苦労など拝聴する。ここは建物もすごいのです。お茶をいただいた浄妙庵は、もともと大徳寺真珠庵の鷹ヶ峰の下舎だったもの。天井が竹を並べた簀の子天井なのは見所。


IMG_4059.jpg


離れの小間=皆如庵も拝見させていただく。この茶室は桃山時代の茶室なんですよ〜。\(◎o◎)/!四畳で道安囲あり。久我家平野別邸より移築されたものだとか。この茶室が久我家にきた由来がまた歴史のヒストリア、、、みたいな物語があるんです。キリシタン大名であり、棄教しなかったため、最後には徳川によって国外追放され、彼の地で亡くなった高山右近・作の茶室だったといいます。

関係する家筋のかたに徳川様をはばかって、口伝で伝えられ、記録には残されなかったため、近年になってようやく右近との関係が判明したものとか。そういわれれば、床の間の真ん中に開いた円窓は、障子を閉めると、その桟がクルスに見えないこともない。
さらに貴人口と躙り口が並んでいるのもキリシタンの平等の教えをあらわしたものだとか。



IMG_4060.jpg


このとんがった茅葺き屋根はかつて西行さんの木像をおさめた西行堂。
本来ならば西行庵の中の建物だったのですが、敷地権のトラブルで現在はやや離れた場所に移築されてしまい、その木像も行方不明なんだそうで、拝むこともできず残念です。京都の古い土地は確かに境界線があいまいで、よくもめる、、、というのは私自身も経験しましたし。


IMG_4064.jpg


気がつけばもう9時、すっかり夜が明け朝になっていました。眠気もふっとび、つごう3時間もお邪魔したことになります。こちらでは春の西行忌には毎年茶会が皆如庵でひらかれるそうですが、これも是非参加いたしたいものです。


IMG_4066.jpg

帰りの円山公園からみた東山。
紅葉も一歩一歩すすんでいるようですね。


  願わくば 花のもとにて 春死なん
            その如月の 望月の頃


そしてそのまま陰暦2月16日に入寂した西行さん、かっこよすぎる!



<西行庵>
2名以上で早朝の献茶・献香のお相伴をさせていただけます(電話で予約要)。おすすめです。今度は真夏の早朝をねらおうかな。真冬もいいかも〜。


関連記事

● COMMENT ●

しぇるさん、こんにちは

朝4時とは

しぇるさん、筋金入りですね^^;

素晴らしい^^


最近、めっきり冷え込みはじめました

紅葉は進んで、去年より、発色も良いですね

今年、観光にこの時期、訪れた方は

幸運です^^

京都の茶会

しぇる様 久しぶりにコメントさせていただきます。
西行庵の朝茶、あれ?どこかで読んだなあと思ったら、暁庵さんのブログでした。
茶友のSさんと同行と書いてありましたが、しぇる様でしたか。
京都はいいですねー、こういう茶会がたくさんあって。うらやましいです。
最近一つだけ念願が叶った茶会があります。
孤篷庵の茶会です。お茶の先生のつてでしたが、ゆずって下さった方は
光悦会に参加されたそうです。
願っていれば叶うってどなたかが書いてありましたが、その通りでした。
しぇる様の茶会情報はとっても有り難く、楽しみです。

西行庵もしぇるさまに先を越されてしまいましたか!
弘道館で涼やかでカッコいい庵主さんにお目に掛かってから、いつの日かはと思っていましたが、但馬からでは朝4時には行けませんし、京都に泊まると飲み過ぎて朝寝坊。いつ実現できることやら。。。

西行庵で朝の献茶に参席されましたか。すごいですねえ。
私も蝋燭の火はとても好きです。

ハマミケ様 そうです 願っていれば叶うと思っています。

弧蓬庵は私も行きたかった茶会でしたが 少し大きな声でつぶやいておりましたら 茶友が誘って下さいました。光悦会もです。ありがたいばかりです。

高兄様

早起きは苦手ながらも、引っ張って下さる方がいて、ようやく実現した西行庵朝茶でした。
空が白み少しずつ明けていく風情は早起きすればこそ。
たまにはこうやって三文の得を拾うのもいいですね。
カメラがコンデジなのがちょっと残念!

ハマミケ様

孤篷庵、それはようございました。
市内にあるのに、孤篷庵の喜左右衛門井戸は現在東京出張中ですね(^_^;
西行庵で朝茶は、住んでいるか泊まりがけでないとほぼ不可能ですが、えもいわれぬ良い雰囲気でした。
こちらのほうも是非「願って」くださいませ。

そらいろつばめ様

それは是非、前日禁酒!!してくださいませ!
それだけの価値はありますわよ。
お休みの日ならご相伴いたしますし!

ひいらぎ様

是非お泊まりがけで!
大寄せ茶会10回分の価値はあるかも。
また西行庵の由来を語る庵主さんが熱いです。

わあ、いつも素敵なところご紹介、有り難うございます。こんな朝早くからすごい。時差ボケのころか徹夜明けの日ならいけそうですけど。

ところでやっとこさ香港周りで帰ってきました。
まだ紅葉がどんな状態かもよくわからず、家のモミジの色がまだ緑ぽいのにびっくりしてます

キレミミ様

お帰りなさいませ〜。
うちの紅葉もまだ中途半端な色で、昨年みたいに真っ赤になるかどうか不明です。
あまりに過酷な夏だったので、枯れて落ちた葉が多く、あまり期待はできませんわ。

西行庵、庵主さんのお話しがおもしろいので是非、と勧めておきます。


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://cherubinpriel.blog.fc2.com/tb.php/192-16e8835a
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

和魂洋才フレンチ〜レストランよねむら «  | BLOG TOP |  » 下鴨・川口美術にて夕ざりの茶

最新コメント

プロフィール

しぇる

Author:しぇる
京都へ移住する前から書いているブログなので、京都移住後もタイトルに愛着がありこんなタイトルです。でも「もう・住んでる・京都」です。旧ブログから引っ越ししてきました。

最新記事

カテゴリ

未分類 (7)
茶の湯 (205)
茶事(亭主) (24)
茶事(客) (57)
京のグルメ&カフェ (51)
町家ウォッチング (7)
弘道館 (6)
岡崎暮らし (48)
MUSIC (4)
能・歌舞伎 (31)
京都めぐり2017 (22)
京都めぐり2016 (34)
京都めぐり2015 (34)
京都めぐり2014 (39)
京都めぐり2013 (36)
京都めぐり2012 (6)
本・映画 (8)
美術館・博物館 (50)
奈良散歩 (18)
大阪散歩 (1)
着物 (6)
京の祭礼・伝統行事 (36)
祗園祭2017 (17)
祗園祭2016 (18)
祗園祭2015 (16)
祇園祭2014 (13)
祇園祭2013 (14)
修二会2017 (4)
修二会2016 (3)
修二会2015 (3)
修二会2014 (3)
修二会2013 (3)
その他の町散歩 (2)
京都和菓子の会 (3)
イスタンブール・カッパドキア紀行2013 (8)
パリ紀行2014 (7)
英国田舎紀行2015・湖水地方とコーンウォール (7)
ノルウェー紀行2016 (4)
ポルトガル中部〜北部紀行2017 (7)
京都でお遊び (5)
古筆 (1)
ギャラリー (3)
暮らし (4)
中国茶 (22)
京都の歴史・文化について勉強 (1)
過去ブログ終了について (0)

月別アーカイブ

検索フォーム

リンク

このブログをリンクに追加する

QRコード

QR