聖誕祭と成道会の歳暮茶事 - 2022.12.29 Thu
今年最後の茶事の記録

とりあえず聖誕祭(クリスマス)のアイテムも、ということで毎年恒例のグレゴリアンチャント。
16〜17世紀、羊皮紙に書かれたネウマ譜という現在の音符ができる前の楽譜。あとは奈良公園で拾った松ぼっくりに京セラ美術館裏で拾ったモミジバフウの実などなど。
この日は一番の冷え込みで風も冷たく寒い日だったので、火鉢出動。大火鉢をだしたら中に入れる灰が全然足りなかったので急遽ミニ火鉢(鉄瓶掛け)で。これだけでなんだか冬の雰囲気が上がる。
汲み出しの他に12月らしくシャンパンならぬノンアルのシュワシュワ。
蹲居の湯桶も出動。
手焙りもね。
火鉢と手焙りとで炭支度が倍手がかかるこの季節。だがその火のぬくもりがうれしい季節でもある。
ついこの前まで紅葉が盛りだった露地もあっというまに落葉してごらんのとおりの枯れ木に。この苔の上に落ちた落ち葉拾うのほんま大変だったのよ〜。
空はすっかり冬の色、茶室の屋根に朝には霜がおりていた。
で、内露地は、、、というと、、、もう掃除無理っ!なので敷紅葉でごまかす(^_^;ことに。
これはこれできれいだと思うよ。まだなんとか赤い色が褪せずに残っていたから。
初座の花は椿に南天、それから千両。なんだか正月とクリスマスが同居しているような、、、花入れは裏千家では師走テッパンアイテム鴨箱炭斗。(徳川田安家から拝領した鴨がはいっていた箱を玄々斎が炭斗にデザインした)
この日のお客様には遠州と薮ノ内の方がいらしたので、流派のヴァリエーションが一番激しい炭手前で大いに盛り上がる。炭の形状、置き方、灰の入れ方、練香から、お互いに驚くような違いがあるのだ。
懐石の汁にうずみ豆腐をこしらえた。京都では師走にいただくとか、表千家では稽古じまいにみんなでいただくと聞いた。
季節柄しんじょうは蟹で、蕪のすりおろしを。
ここで来年の干支シリーズ、、、というか兎って文様化しやすいのでいろんな所に意匠として使われていることを再認識。これは波兎(竹生島)の器で酒盗を入れた。
帯も花兎(角倉金襴)
香合も兎でしょう!数年前にもとめて卯年を待っていたのだ。たぬきじゃないよ(^_^;
主菓子はみのり菓子さんにお願いして作ってもらったミルク餡のねりきり「さとり」
釈迦が悟りを開く前、苦行中で衰弱した時に乳粥を与えて命を救ったスジャータにちなむ。悟りをひらいたのが現在成道会のおこなわれる12月8日といわれる。
後座の軸は泉福寺焼経。藍紙に金箔が撒かれている平安時代の華厳経の一部。仏とは時空をこえた絶対的な存在であると説いた経で成道会にふさわしいかと。
なので華厳経とくれば華厳宗、東大寺よね(*^_^*)
茶碗、茶入、茶杓、本日のお客様が皆様兵庫の方だったので、すべてそれにちなむものでそろえてみた。茶道具で色々遊ぶって楽しい。名品名物はなくとも。
で、また聖誕祭に戻って薄茶のお菓子は亀廣保さんと千本玉壽軒さんのクリスマスシリーズにて。
お見送りの後夜空を見上げると冬の星も凍てついていたのでした。
- 関連記事
-
- 梅見月茶事
- 聖誕祭と成道会の歳暮茶事
- 開炉夕ざり茶事第二弾2022
● COMMENT ●
トラックバック
http://cherubinpriel.blog.fc2.com/tb.php/1923-c2636861
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)