好日庵初釜2023 - 2023.01.23 Mon

昨年こちらの常連さんの其中庵さんにつれてきていただいて、高い敷居をやっとまたげた善田昌運堂さんの茶室・好日庵にて初釜。今年もお招きいただきありがたい。
古美術界の方などそうそうたる顔ぶれの中、アウェイ感場違い感がかなり強かったけれど、普通はガラス越しの茶道具を手に取って使って勉強させてもらえる機会は逃してはいかんよ。
寄付の米山人(幕末の大阪商人)鯛の画讃は昨年も掛かっていて、毎年掛ける慣習なのだろう。中回しが伊勢暦になっていて、とても洒脱な感じ。
雨ゆえガラス越しに見ただけだが、狭いながらもしっとりと美しい露地。
コロナ前は小間の好日庵にて濃茶をいただけたそうだが、今年もお道具拝見のみ。昭和16年、初代喜一郎氏が建てた茶室で、昨年は六畳だとばかり思っていたが、畳5枚が台目畳になっているので、一畳の点前座を加えて四畳台目の広さになる。中柱袖壁あり、突き上げ天井あり、花頭の給仕口ありの、すごく落ち着く小間なのだ。
ここで黄伊羅保(「あらし山」の銘あり)拝見。なんとこの茶碗昨年の京博茶の湯展に展示されていたそうだ。見たはずなのになあ、、、と思うが、かぴかぴに乾燥してガラスの向こうと、しっとりお湯を吸わせて手の中、、ではずいぶん印象が違うのだ。
軸は怒中無慍(室町時代の中国僧、のちに渡来。調べたけどあまりわからない人だった)寒山詩をまねて三首という漢詩。難しすぎて全然ワカラン。
広間にて薄茶を二服いただく。
広い床に見合った大きな軸が認得斎「靏・亀(丸に手足の絵)」
亀が丸に頭手足、緑毛を描いただけなのにすごく雰囲気出ていて、認得斎、絵上手かったんや。
なんといっても感激は古清水の花入れ!
超絶技巧というかなんというか、一見青銅の筒かと思ったくらいの質感で、びっしり籠目の透かし、耳が節竹になっていて、上下の口周りに赤も目立つ鮮やかな色彩と細かい文様。古清水って青と緑だけで赤がないのが特徴と思っていたが、これはまた今までの印象を覆す。
後日其中庵さんに聞くと、初期のころには赤の顔料は使われていたものの後に枯渇して、青緑だけになったのだとか。知らなかった〜勉強になる〜。
展覧の茶杓は宗旦・原叟の箱(おお!)席中では一燈の「一フジ二タカ三ナスビ」の3本組の一フジ。
茶碗は一入黒楽、五代大樋飴釉筒、古萩(枇杷色、とじ目ありの意匠、裏に火間あり これよかったわ〜)、茶が入る部分だけが白く抜けたような変わった色合いの半使、大人気だった布志名焼の大根絵付け(中にまで大きな大根が描かれている。松江の牡丹の名所・大根島??)
香合が、梅に鶯のあっさり絵付けの古染かと思ったら祥瑞の蜜柑香合であった。
ここ数年ず〜っと古染と祥瑞と呉須の違いについてなかなか理解できずにいる。専門家は見たらわかるらしいし、青花の色の違い、土の違いとおっしゃるのだが、なかなかこれどっち?と思う物が多くて。少なくとも文様だけでは判断できないということ。びっしり吉祥模様の古染もあれば、あっさり祥瑞もある。
展示品のなかに祥瑞、古染が複数並んで居る場所があって、(さすが「古染付と祥瑞」の本を上梓されている善田のぶ代さんのお家ですわ)、同じ吉祥文様がびっしり描かれた古染と祥瑞が並んでいた。これ並べて見た時に、あ、青の色が違う、、、とふと納得できたのだ。(今後判別できるかどうかは別〜(^_^;) (Kさん、ありがとうございました)
というわけで、今回もお勉強して、お持ち帰りの辻留のお弁当を家でいただきつつ、もう一度「古染付と祥瑞」の本を引っ張り出して復習するのであった。
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