梅見月茶事 - 2023.02.23 Thu

庭の梅がついにほころび始めた頃、今年最初の茶事をした。
年が明けて1月は行く方に忙しくて、自分とこはやっとである。
とうに節分は過ぎたが、やはり二月の茶事では外せないテーマなので、寄付に鬼の大津絵とお多福さん。

やっとこ大火鉢をとりだして、灰を新たに入れてせっせと準備したとたん、暖かくなってしまって、あれ〜、、、。
今回は火入れのお役目の古染付。(向付にもなるよ)
よい陽気で露地もなんとなく華やいだ感じになる。
本日のお正客は、某数寄者の会で顔なじみのお若いけれど茶道具への見識深い(時にマニアックとも言う)方、ご連客は、奈良からのいずれも茶の湯、茶道具への愛情ひとかたならぬ油断できない方々である。
節分を過ぎて季節は修二会へ、、、の思いで花は二月堂荘厳になぞらえ椿(糊こぼしじゃないけど)と南天を。炉縁はもちろん東大寺古材でしょう。
汁は枡に豆を意識して大根+豆。
昨年これを蕪で作って、柔らかすぎて失敗したので今年は大根。
強肴は、先日の東の茶道男子の懐石に触発されて初めての食材ウルイを使った茸のおひたし、これが好評で自分でもシャキシャキが美味しくって、この季節の定番になりそう。
石杯各種
李朝あれば現代作家のも、どっちかわからないのもあるよ。
今年もまたこのお菓子にであえた。
みのり菓子さんの「梅一枝」
もう3年以上になるかな、この時期の茶事には必ずお願いしたくなる泡雪に梅ゼリーの透かしがはいった美しく美味しいお菓子である。
中立中の待合。
中立の時はまだ外は明るかったのに、後座の席入りではあっというまに暗くなって、手燭を油断してしまった。お客様の撮った写真ではこの黄昏時に明星がきれいに見えたとのこと。
待合の本日の百人一首は貫之の
「人はいさ 心も知らずふるさとは 花ぞ昔の香ににほひける」
この歌の花は桜でなくて梅、先日だだおしを見に行った長谷寺で詠まれた歌で、碑もある。
後座は怒濤の蘊蓄と茶道具談義、時がたつのも忘れて、、、であった。
みなさん、すごいなあ。お正客のご見識がすごいのは知っていたが、ちょっとあきれるくらい、、(笑)茶杓の作者当ては楽しかったわ。というわけで、時間もいつも以上にかかったのは亭主も道具好きだからに他なりません(^_^;
干菓子は初午(とうに過ぎたけど、、)にちなみ伏見稲荷の鳥居のお盆に鈴と鈴紐、それに梅にちなんで太宰府藤丸さんから取り寄せた清香殿。
梅に清香あり、本日の帯も梅、薄茶の茶杓も梅の木で作ったもの。
2年前、今日のお客様のD先生とKさんと一緒にお呼びしたのが昨年の春に急逝されたYさんであった。私には良き茶友、奈良友であって、「また奈良来とったんか〜」のつっこみが懐かしい方であった。そのことを持ち出したときに、お二人とも、この茶事に同座させてもらっている気持ちだった、とおっしゃってくださったのがとてもうれしかった。いろんな方の心に強い印象を残して逝かれたYさん。今頃あちらでお茶しているかしら。私はあいかわらず奈良通いしてますよ。
<おまけ>
いただいたお土産
独学で仕覆を作っちゃう達人(若い男子)Aさんからいただいたお手製名物裂の帛紗
Kさんからいただいた宗旦が東福門院のために作った紅茶巾。一度点前に使われているのをみたことがあるが、まさか自分の所に来ようとは!使い方を考えるの楽しい。
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