有馬温泉にて茶飯釜と花月の茶事 - 2023.03.06 Mon
京都駅から高速バスで約1時間、なんと有馬温泉に着いちゃった!
うちを出るときには庭にうっすら雪がつもっていたが、有馬では吹雪いている感じで、さすが北の方。(でも神戸市北区)
有馬温泉に来るのはもう20年ぶりくらいではなかろうか。宝塚に住んでいたときには車でシュッと行けたのだが、京都からはすごく遠いと思っていた。
有名な有馬筆のお店もあるお土産物ストリートも懐かしい。あまり変わっていないように思える。
さて、今回茶事にお招きいただいたのは、有馬にお茶ができる別宅を構えたご亭主。昨年から何度も計画しつつ諸般の事情でのびのびになり、本日やっと念願叶った。
露地もいい苔が育っている。飛び石も蹲居もご主人とおふたりで運び込んだお手作りだそうだ。玄関には枝垂れ梅の植木があるのだが、さすがに雪が舞うこの寒さには縮こまってまだつぼみは固い。
なんの予告もなく、席入りしたら茶飯釜がかかっていてびっくりした。かくいう私、茶飯釜を自分でしたことがない。なのでかなり難しい、、、というイメージがあって、客としても緊張するのである。でも、ご亭主は茶飯釜がお好き、とて、さらさらと軽々お点前されるのである。
ご飯が炊けるまでのおつまみにて燗酒を少々いただく。お皿は奈良絵(赤膚焼)と九谷の盃。
床の軸は大徳寺瑞峯院の和尚様にご亭主が書いていただいた物、「遠山無限碧層々」。碧巌録の言葉であるが、有馬は山の中、この有馬の風景を連想する。今は東山無限雪霏々であるが(^_^;
約10分ほど、おお〜!お見事、美味く炊けました!
炊きたてのご飯の美味しいこと。一文字によそうのがご亭主のこだわり。
煮物椀がとっても美味しい治部煮。なんと!本日の懐石はすべてご主人がお造りになられたのだそうだ。や〜、いいな〜ご主人に懐石方やってもらえるなんて。(ちなみにご主人はお茶はされないそうである。懐石のみ習いにいかれているとか〜)さらに茶事が終わる頃、食器も洗い終わっているというなんてすばらしい!!
八寸のお皿がもうおいしそうな瓦煎餅にしか見えない。よくこんなの見つけてこられるなあ。
茶飯釜に作法はあってないようなもの、ご亭主のはたらきでいかようにもなる。おこげが釜にこびりついて、同じ釜で茶も点てないといけないので、これをはがすのに苦労すると聞くが、ご亭主は湯を入れてそのまま炉にかける。そしてそれを湯斗かわりに。そうするときれいにご飯がはがれるのだそうだ。(いつか自分でするときのためにメモメモ)
お菓子は叶匠寿庵の歌留多に餡子をはさんだもの。ちょうど季節柄、先日梅見茶事で使ったところの紀貫之を選ぶ。(人はいさこころもしらずふるさとは 花〈=梅〉ぞ昔の、、、)
濃茶をいただいたあと「お薄は花月で」
この文句を茶事で聞くとは思わなかった〜!花月初心者の方もおられたが、そこはみんなでよってたかって指導(^_^;するのも楽しいものである。
茶飯釜に花月、ほんとに楽しいご趣向だった。
茶歴もお茶のスタイルもみんな様々でそれぞれ違うが、茶の湯という共通言語があることのありがたさをかみしめる。
帰り、バスを待つ間少し有馬散歩。
遠くまでは行けなかったが、1時間で来れるとなるとまたゆっくり温泉につかりにこようかな。
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