修二会2023〜3月1日深夜・開白上堂から下堂まで - 2023.03.04 Sat
大中臣の祓が終わって宿に直行、そのまま仮眠して深夜12時前にふたたびごそごそ二月堂を目指す
奈良の夜は暗い、ほんま。
裏参道を登り二月堂の灯りが見えてきたときにはほっとした。(途中イノシシがでる場所もあるらしいよ(^_^;〜)
静まりかえった湯屋。参籠宿所の前にはもう数人の方がお参りに来られていた。(修二会オタク仲間〜)昨年は私をいれて3人だけだったな、と思い出しつつ。
0:45ごろ、参籠宿舎に「おめざ〜おめざ〜」の加供奉行の声が響く。
「小綱の房、小綱の房、大膳殿の出仕なら鐘をつきやれ、、(と言っているらしい。早すぎてききとれん)」練行衆が細殿に出仕し、食堂に入られる。その後、食堂の扉を堂童子が開けて「駈士、駈士、宝物を荷(か)こう!」というのは聞き取れた。
小走りに数珠をすりながら食堂に入られる練行衆。
中ではうかがい知ることはできないが和上による受戒がおこなわれているはずである。ここからは聞き取れないが、食堂裏手に回ると比較的よく聞こえることに気づいた。(←来年用に)
連子窓に映る影。
「、、、、練行の諸衆今日より七箇日夜の間よくたもちたまふや否や」
「よくたもつ よくたもつ、よくたもつ」
、、、と言ってるんだろうなあ、たぶん(^_^;
さて開白上堂にそなえて先回りして二月堂下、芝生の竹矢来のそばでカメラとスマホを持って待機。
(ちらっとニコ動にうつってたりして(^_^;)
見下ろすと深夜なのにまだきらめく市街地の灯りと朧月、美しい眺め。
1:40AMごろ
登廊の下に童子さんたちが並んで、加供奉行の
「只今堂上〜!只今堂上〜!」の大音声。
いよいよ練行衆が初めて二月堂に入堂される。
他日は初夜上堂時、練行衆はそれぞれの大松明に先導されてお一人ずつ上堂されるが、開白だけは童子が持つ手持ち松明とともに一気に上堂される。
この幻のような景色が大好きで、胸が一杯になる。今年も来ることができたことに感謝。
ちなみに堂司だけは遅れてお一人で上堂され、それを待つ間、他の練行衆は差懸(さしかけ・木沓)を履いて床をリズミカルに踏みならす。そろったところで一気に内陣になだれ込む気配を聞き取る。
堂内に入られて後お堂にあがる。扉はとざされ(コロナ対応)中をのぞくことはできないが、ごとごと内陣の荘厳など準備をされているような気配。
二月堂は夜でもこのように電灯はついているのだが、、、
2:15AM 瞬間、すべての電灯が消される。蝋燭のあかりのみ、の闇。この景色もまた感動的なのである。このとき堂内では一徳火といって、行の間中使われる灯火の元となる火を切りだしているのである。
電灯復活で無事切り出されたことがわかる。扉のすきまに耳を近づけて声明を聞く。
声明の中で一番好きな「散華」を待つ。
、、、普現一切大神力 光明熾盛 十万摧滅 三界魔破旬抜 除苦悩観世音、、、
来年は局で聴聞できるだろうか。
3:00AM過ぎ そろそろ下堂にそなえて童子さんたちが手持ち松明に火をつけていく。
この景色も好きだなあ。

先に四職が下堂、早すぎて追いつかん、、
影のように飛び去る。
しばらくして残りの方々の下堂。これも早い。
これをお見送りしてお堂をあとにする。
参籠宿所の前の松明の竹置き場では意外と多くの鹿がたむろしていた。あ、名物「さだまさし」の墨書の竹もあったよ。
宿にかえると午前4時、翌日もゆっくり楽しみたいところだがそのまま大阪に仕事にでかけにゃならん。結構つらいスケジュールだが、修二会アドレナリンがでているから大丈夫〜。
これからの14日間の無事を祈って。
<おまけ>
今回初めてお世話になったのは小さなホテル奈良クラブさん。昨年処世界の役目を終えられた望月師のお話会を聞きにきてからの御縁。この間2回お泊まりの機会をあれやこれやで失して、今回3度目の正直でお泊まり。
なによりオーナーの谷さんがすばらしい奈良通でいろんなお話が聞けるのがうれしい。今期もいろんなところでお会いして、やっとホテルへ宿泊。残念ながら評判の朝食は、仕事のために断念。次回はもっとゆっくり泊まりたい。
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