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2023-06

お雛様とお水取りの茶事 - 2023.03.20 Mon

二月堂修二会も終わってちょっと修二会ロスの日々。
修二会にまつわるあれこれと、月遅れのお雛様と、で茶事。


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長いこと玄関に赤い実を投げ入れていたが、やはりもう芽吹き(芽吹きすぎておいつかない)の季節、ネコヤナギを投げ入れ。


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(中田文花:「青衣の女人」)

鎌倉時代、修二会でお籠もりの僧が過去帳を読み上げていると「なぜ私の名前を読み落とした」と青い衣の女人が夢の如く現れる。とっさに「青衣の女人(しょうえのにょにん)」と読み上げると姿を消したという。かくして修二会オタクは期間中2日しかない過去帳読み上げの時の為に、この名前を聞き逃すまじ、と聴力をとぎすますのである。(私は未だ一度も成功していない)



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待合はお雛様と同席していただく。


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今年も無事おでましいただいた。私の初節句のお雛様。道具や飾りはかなり散逸してしまっているが。


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二月堂内を荘厳する和紙で作られた(練行衆が別火の間につくる)椿「糊こぼし」の造花。これはホンモノではないが、いつかお堂で行法を見守った煤にまみれたホンモノの糊こぼし、手に入れたいなあ。(ちなみに糊こぼし椿は二月堂向かいの開山堂にある椿の種類である)


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待合の軸は数年前に軸装した「牛玉札」
お籠もりの間の2日間だけ、練行衆の手によって刷られる。一人25枚しか刷ってはいけないという誓詞に署名するのだが、今年東大寺ミュージアムに室町時代から綿々と続くこの牛玉誓詞が展示されていたのでわざわざ見に行った。今年新入がおられたので、最後の行に署名されたはず。何年か後にそれも歴史の名前になる。



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露地の苔も芽?がでてきた。(あれは胞子?)


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朝方そうでもなかったのに昼過ぎにもう楓が緑の葉を開いているのに驚いた。今年は何もかも早い。気持ちが追いつかない。


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みほとけに花奉る、、、、柄香炉にいけたのは季節にまにあった我が家の卜半(月光椿)唐子咲きでこの花は開いた状態で茶花とされる。


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お雛様なので、恒例のちらし寿司


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水前寺海苔の端切れも使いよう(^_^;


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そしてやっぱり蛤しんじょう


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最初の一献の酒器はお雛様道具に白酒を。


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この修二会茶事にしか使えないけどお松明の竹でできた炉縁も。今年も出すことができてよかった。来てくださるお客様に御礼。修二会の予習をしてきてくださったのもうれしい♪


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昔の化粧道具をお雛様の道具っぽく香合に。


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主菓子は毎度おなじみ?みのり菓子さんにお願いした修二会のお松明。時折お松明の表面にはしる炎を赤いオレンジピールで表してくれた。



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後座
お水取りの桶になぞらえた水指に、2月21日注連縄撒きでゲットした輪注連をかける。榊の葉だけは新しいものにかえた。この輪注連は練行衆をだされる塔頭の門に飾られたり、大きな灯籠の宝珠に引っかけられたりするもの。


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蓋置はやはりこれでしょう。二月堂瓜灯籠。
ご自分で作陶もされるお正客さんの茶碗を見る目がきびしくてタジタジ(^_^;


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亀廣保さんの有平糖が春の花畑である。


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この器に、一見してわからない黒漆で描かれた燕が隠れていることを先刻ご承知のお客様でした(^_^;


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さて、薄茶はせんだって三五夜さんより拝領した紅茶巾を使った。お雛様だからね。宗旦が東福門院の為に考案した口紅がついてもめだたない茶巾、私は以前一度よそで見たことがあるが、皆様初めてみたいで、これはやったぜ!の気分。



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釣釜、灯火で実物より少し割り増しに見える春宵二刻、本日も佳き時間でありました。


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お土産は、自分の趣味を押しつけた感ありだが、小さなお松明の燃えさし。

今年の修二会の思い出をたどりながらこれを書いているとなんとも幸せでありました。



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