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2024-02

雨の横浜にて利休にふれる茶事 - 2023.04.05 Wed

今年の春の根津美術館で、ため息がでるしかない濃茶席をひらいてくださったご亭主の茶事に雨の横浜へ。


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今年の京都の桜はせっかちだが、横浜でももう満開を迎えていた。


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根津美術館ではさわりたおさせてもらったが、あくまで展覧であった。使われていたのはご自分でお造りになられた写し(これがまた素敵で)であったのだが、今回われわれの為だけに、実際に使って、、、の茶事であったのだ。なんと贅沢なことであったろう。まだそのありがたさを整理できずにいる。


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腰掛け待合に先だって我が家の茶事にお越しくださったときにお土産にとお渡しした修二会お松明の燃えさしを飾ってくださっていた。


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茶席には自在に釣釜、、、これはよくある風景だが、これが江岑宗左(表千家四代)の鈎、その養子の随流斎(表千家五代)の竹筒という、とんでもないシロモノであった。
南鐐の鐶は片方に桜、片方に紅葉の陰刻があっておしゃれきわまりない。これにかかる釜が古芦屋。どこまでも隙が無い。


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(表さんなのでご飯は丸型)

その上お正客がとんでもなく博覧強記な方ときて、ご亭主との道具談義は盛り上がること。(ああ、、、花押を見てだれ?と言っている私は取り残される(^_^;)
(後に箱が表千家の初代・利休から当代まで全部そろっていると教えてくれたのもお正客さま←裏千家)



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後座の席入りのお鳴り物が、なんだか不思議に余韻が長引く音で、一体なんだろう?と。のちにチベットの宗教的儀式に使われるsinging bowlという不思議な楽器(?)で、縁をこするだけでどんどん共鳴音が大きくなると言うものだと判明。(これ客はだれも鳴らせなかった。むつかしい)


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床の花入は、かせて枯れた竹の二重切、宗旦在判、銘を「明暮(あけくれ)」。この時代にはまだ竹の油抜きをしていなかったので、こんな膚になるとお聞きした。
花は曙椿、花筏。


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(虎屋 「遠桜」)

茶席の主の如く堂々たる達磨型の赤楽水指はノンコウ。根津ではこの写しを使っておられたが、今回水をたっぷり入れた状態で見せていただく。
茶碗はこれも根津で写しを作られていた瀬戸黒(宗旦在判)ホンモノを。


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そして今回一番静かに感動したのが利休のケラ判(朱)が蓋裏にある大棗である。これも根津で触り倒したのだが、、、それが実際に茶を擁し、、。ご亭主も初使いだとか。なんと幸運なわれらであろうか。拝見の時、蝋色になった棗の内側にきれいに抹茶が流れた後が残っているのを見たときちょっと震えた。展覧だけの(触ることもできない)利休の棗は何回か見てきたけれど、使われているのを見たのは全く初めて。
実は中立の時に待合にかかっていたのがこの棗への宗旦の添え状、これは来るな、、、と思っていてそのクライマックスに来た!、、、という感じ。
底に原叟(表千家六代)の花押もあるが、原叟、よく書く勇気があったなあ(^_^;
次第がすべて整って仕覆3つ、添え状二本、書き付けの箱もいくつか、大きな箱にそろって入っているのも後に拝見。入手のいきさつも少々。

茶杓は少庵、随流斎筒



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薄茶の主茶碗が出たときに思わず目が光り輝いてしまって、お正客様が茶碗を譲ってくださるという、、、(^_^; 根津の薄茶席で出た大好物の御本おそらく茂三、なのだもの。形といい、色といい、内側の鶴刷毛といい、、もう大好き♡

宗旦(?)の棗には朱漆で紀貫之の有名な歌が書かれている。
 
   桜散る 木下陰は寒からで 空にしられぬ 雪ぞふりける

今では百人一首をすらすらとそらんじられるご亭主ならではの選択。(この歌は百人一首ではないが)さらに茶杓が惺斎(表千家十二代)、「うかれける人や初瀬の山桜」とこれぞ百人一首の歌をもじった(うかりける人を初瀬の山おろし、、、)芭蕉の俳句なのである。



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世にかくの如き名物名器をお持ちの方はそれなりにおられると思うが、必ずしもお茶が好きとは限らす、道具自慢のみに陥ったり、あるいは人にはさわらせない吝嗇だったり、、、。本日のご亭主ほどお茶に熱心に、客に誠実に、向き合っておられる方はいないのではないかと思い、その席に入れた僥倖を感謝せずにはいられない。(おさそいくださったY様、ありがとうございます)



<おまけ>

横浜から帰りにちょっと足をのばして有楽町。
お茶友さんがかんでる「暮らしで楽しむ茶の湯展」へ。普段暮らしの中のお茶にまつわるあれこれが楽しい。


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