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2017-09

小間で口切茶事 - 2013.11.30 Sat

11月は茶人の正月♪
ほんまにあちこち忙しかった。(うれしい悲鳴、でも体はほんとの悲鳴、、、)
中でも5月に製茶された新茶を、茶壺の中で半年の熟成期間を経て封印を切り、石臼でひいていただく口切茶事は別格。


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お稽古で茶じょうごや挽家を使ってまね事はしたことあるのですが、実際の口切茶事は実は初めて。
口切は茶事としては厳かで格式が高いものなので、本来は主客とも紋服(三つ紋とか五つ紋?)、十徳着用におよばないといけないらしい。


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なので床の掛け物は墨蹟をもって第一とす。この日の軸は道元の正法眼蔵からの一行、たしかに重い。同時に網にはいった茶壺が飾られていて、この中に濃茶入りの半袋3種、薄茶になる詰茶がいっぱい入って封をされているはず。もっとも内口切りといって茶家では客に出す前に家内で試し挽き試し飲みすることもあったそうです。


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かつてはこの半袋に入った濃茶しか、その1年に使えるお茶はなかったので、どのお客に濃茶をのませてあげようか、と考えるのは非常に重い意味をもっており、呼ばれる方もそれをしっかり受け止めなければならなかったのです。今はいいですね、お店ですぐ買えちゃうんだから(^_^; だから濃茶をいただくときの覚悟がどだい昔とちがうのね。


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御茶入日記を客は拝見し、どの濃茶にするか談義するのですが、まあそこはおまかせで。だって詰茶をいっぱいに詰めてある中から半袋をほじくりだすのはなかなか大変なんですもの。いちばん取り出しやすい物で。

いよいよ御入刃、、、というか小刀で封印の紙をじょりじょり切っていきます。やはり口切りは小間がいいですね。切る音がしっかり聞こえます。茶じょうごにあけられた碾茶の美しい色!


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取り出された半袋は挽屋にいれられ水屋で石臼で挽かれる予定。(もっとも濃茶40g挽くのに電動石臼でも1時間だから、最近は早くに挽いておくのだそうです)そして茶壺はふたたび紙と糊で封印され、封印の真ん中に印を押す。

その後茶壺拝見。手の熱が中の茶葉に伝わって変性しないように、茶壺を持つ指は最小面積で触れるように。(「蜘蛛の手」とかおそわったな)この拝見の仕方とか、壺飾付花月でやったけれど、それはこれのための割稽古だったのね。茶匠によると揺り動かすのすら茶葉にはよくないそうで、茶壺は慎重に回す。そんなに繊細なものなのか!


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続く初炭。炭斗は瓢がお約束。瓢は古来より魔除けの意味があったそうで。香合が大きな玄猪包。十文字に紐をかけた小箱に銀杏の葉をはさんだ意匠で、宮中へ亥の子餅など届けるときにつかわれた様式。

さて、懐石。汁は白味噌で中にこれまた魔除けの小豆が1〜2個。煮物椀にもお祝いの小餅がはいり、口切りってほんとうに「茶人の正月」なんだなあと実感。いずれもとてもおいしかった♪
伏見の御酒がこれまたおいしくて、あまりたしなまれない方が多い中、お隣さんがいける口、ふたりで酒盛りしてしまいましたわ。(^-^) もちろん千鳥もきっちりいただきました!(ご亭主がさらにうわばみ?)


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中立中は茶室内をザッザッと箒で掃く音もして、これもご馳走。
後入りの時は床に観賞用のホンモノのルソンの壺が!きっちり真行草に紐で飾られています。(これ苦手なんだ→参照)花は白玉椿と照葉、花器は楽で一入。

いよいよ濃茶点前が始まります。この一服のための口切りです。(酒盛り)懐石から気持ちを切り替えて、しんと張りつめた空気の中、小間では釜の松籟だけがよう聞こえますね。そしてご亭主の帛紗さばきの美しいこと。
茶碗が、、、えらくかせた黒楽、長次郎写しかな、と思ったら、、、、長次郎そのものでした〜!!\(◎o◎)/!きゃ〜!!手の中にちょうじろぉ〜〜(←ちょっと壊れた)


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釜が古淨味の尻張り、少庵が大徳寺公用にと寄付した物とくれば茶杓は道安と、(義)兄弟そろい踏み。
濃茶はおいしく、実際は前もって挽いてあったものだそうですが、とてもまろやかで、石臼で挽いたのはマズイという先入観を改めねばなりません。

後炭では初炭の炭の流れ方がことのほか美しく、もうあえて炭をつぎたさなくてもよいくらいです。ほんとに炉中の炭火は美しくて茶席で心惹かれる物のひとつです。
薄茶では茶碗は六代大樋の飴釉、御本鶴雲ときて、私にまわってきたのが枇杷色の光悦の不二に似た形。口作りが厚くて(当代の楽さんほどではないけど)、つい飲む場所間違えると口の端からお茶をこぼしてしまいそうな茶碗で、、、、「これは?」とお聞きすると「光悦」\(◎o◎)/!\(◎o◎)/!\(◎o◎)/!きゃ〜!きゃ〜!
おりしもこのまえ五島美術館で光悦祭したところだったので、二度目に壊れる、、、


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長次郎でのんだな〜、光悦でのんだな〜、、、それだけでええのや、と席主さんはおっしゃる。あえて主題を決めんかて。でも、長次郎や光悦なんて持ってない人のほうが圧倒的多数なんでそんなこといわれても、、、。あの亭主のお茶のめてよなったな〜、と思うのでもええと。なるほど。でもそう言ってもらえる亭主になるには茶の湯だけでなく人間的修養がちと足りませんわ。

いや、まとこに結構な口切り茶事デビュー、させていただきましたm(__)m


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(長久堂さんのこなしの和菓子)

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● COMMENT ●

すごい体験でしたねえ。凄すぎる!
羨ましい!もう他に言葉がありません。今でも長次郎や光悦を持っておられる方がいらっしゃるのですねえ。
ふ〜!

うらやましい

すごい体験をされましたね。
ここまでになると、御亭主のお心遣いがお道具の凄さを上回ってありがたいですね。

ひいらぎ様

どんなにしたらこんな道具がもてるのでしょうか???謎です。
分相応というか、ふさわしい人のところへ行くのでしょうね。

N様

実は全然期待していなかったのです。思いもかけずすごいのをだしてくださって絶句!しました。

お茶を嗜む者としては一度は光悦や長次郎で戴きたいものです。
一度経験しておけば次にびびらずに余裕が持てますよね(笑)。

凄さがこちらまでビンビンと伝わってきます!!
ところで私も昨日、ネルケ無方さんというお坊さんから正法眼蔵の一節を習いました。心が震える体験でした。

relax様

いや、やっぱりびびると思います。^_^;
どれだけ多くの数寄者がこの茶碗を手にしたのかと思うと、自分まで歴史の一部になったようで感動でした。

そらいろつばめ様

茶事はいたってなごやかだったんですが、お茶をのんだあとに「長次郎」「光悦」といわれてほんとうに絶句、、、しました。
お茶ではどうしても臨済宗のほうがメジャーですが、曹洞宗も「只管打坐」なんて良い言葉がありますね。正法眼蔵は学生の頃読んで、、ちんぷんかんぷん、、、、だったなあ。

しぇるさん、こんにちは

御写真の視点、切り取りも

ますます、茶人の眼に


ふむ、これは

利休に尋ねよ、ならぬ、しぇるさんに尋ねよ

の心境になりそうだぁ^^

高兄様

いやいやいや!(@_@;)
利休に名前をならべるだにおはずかしい。

写真の切り取りといえば、お茶目線だとたしかに広角じゃなくてマクロモードを多用してますねえ。
高兄さんみたいなダイナミックな景色の切り取り方は、私にはちょっとむつかしい、、、


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