ASAHIYAKI 423 〜朝日焼423展 at 興聖寺 - 2023.05.09 Tue
ゆったりとした宇治時間が流れる宇治

今日も宇治川はご機嫌だ。
平等院は観光客が多いが、その対岸は意外と人の姿が少ない。むしろこちらの方が宇治らしくて好きなのだが。(宇治上神社、宇治神社がある)
宇治の水力発電所からの水流が合流する橋を通り過ぎてさらに上流へ行く。
琴坂を登ると、、
ここもゆったりとした時間が流れていて、大好きな興聖寺。
京都では臨済が席巻しているので、ここは数少ない曹洞宗の寺だ。只管打坐、只管打坐!
このたび御縁あってCFに参加、リターンとしてチケットをいただいたところの<朝日焼423展>へ。なんと興聖寺でこの規模の展示をされることがあるのね。これはうれしい。
423とは何か??と思っていたが、朝日焼が生まれたのが1600年、今年で423年になる、、、の423だったのだ。
このお寺は結構自由に歩き回れて、まったりゆっくり休めるところがたくさんあって、修行中のお坊さんの作務中のお姿も見られて、観光客でわさわさしてなくて、大好き。
緑の光る風が通る大書院では、このように茶碗だらけ!
朝日焼の初代から当代(16世)にいたるまでの作品がずらっと。竹を丸くした結界や、それぞれの茶碗の下にいろんな形の鏡、など展示方法も斬新。
これを企画した若きご当代とその弟さん、実はお父上の先代豊斎さんがご存命の時からのちょっとした知り合いなのである。早くに先代が亡くなられて、ちょうど私の子供たちくらいの年のご兄弟は、手をとりあって朝日焼を盛り上げようと、さまざまな工夫や努力をされてこられたのを垣間見ている。ので他人のような気がしない、、というのはあつかましいか(^_^;
その一環としての今回の展示、まことにめでたい。
数少ない貴重な初代、二世の、つまり桃山〜江戸初期の貴重な茶碗も。お蔵から久々に出してきたものだとか。初代の茶碗は確かに桃山の匂いがする。
朝日焼というと鹿背というイメージだが、各代は基本は守りつつ、それぞれオリジナルなモノを作ろうと努力してきた跡が見える。
当代16世豊斎さん
いろんな新しい事にも挑戦されている、その一つが月白釉の茶碗である。楽直入さんの焼貫みたいにこれは当代限りになるかもしれんが、それはそれでいいのだと。
逆光であまりお顔が映らなかったので、鏡に映りこんだ写真をもう一枚(^_^;
で、その月白釉のお茶碗でお茶をいただいた。
お茶も特注で二種、豊斎さんの「豊」と弟さんの俊幸さんの「幸」
足利将軍が認めた宇治七名園で、唯一現存する奥ノ山茶園の流れをくむ堀井七茗園さんのブレンド。朝日焼の強みの一つはお茶の名所、宇治にあることだと再認識。
このブルーはいままでの茶碗ではなかったテイストだと思う。最初お茶の緑にあうのだろうかと思ったが、意外とマッチする組み合わせだのだ。美しい色なので、月白釉の汲出し、実は持っている。
お茶をいただいたのは、この気持ちの良い大書院の縁側である。
庭と山の緑が美しく、風もよく通って、ああ、ここで昼寝したいと思わない人がいるだろうか。
花器もあるのね。
もう一つの座敷では煎茶用の歴代の急須の展示。
時代に翻弄されて茶道が下火になったとき、朝日焼を支えたのは煎茶の流行だったそうだ。朝日焼は煎茶道具も歴史があったのだなあ。
最後に僧堂へ。ここはいつも坐禅道場であるが、この日はVRルームに。
この僧堂の畳の上に座ったのも初めてなら、VR体験も初めて。
これをかぶって360度の視野で画像を見る。内容は朝日焼の歴史と、先代、先々代、つまりおとうさん、じいちゃんの逸話、それから当代の1年生のご子息のこと、などの家族の物語。感動的だったわ。よくこれだけの企画をされたと思う。
さて、初VR体験であるが、作業場の場面など、まさに自分がそこにいるかのような錯覚を覚える。あちこち見過ぎて酔いそうになった(^_^;、それくらい面白いわ〜これ!
戦前あるいはそれ以上昔の松林家に残る書状の数々も家の物語の一部。
入り口の煩悩玉を吐き出す開梛(かいぱん)は今日も元気。
そして萌えるようなむせかえるような新緑の山、いまにも飲み込まれそう。
興聖寺を後にして宇治川沿いにある朝日焼ギャラリーにも寄ってみた。
ここも当代になってから新たに作られたギャラリー。
最後に宇治橋たもとの開業平安時代というお茶の通圓さんで抹茶ソフトを食べて上がり!である。
やっぱり宇治はええところや〜。
そして朝日焼のますますのご発展を!
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コトタマ
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