依水園煎茶席〜JR京終駅 - 2023.06.05 Mon

梅雨に入った奈良、若草山の遠景、正面に見えるのが、、、
江戸時代からの名庭園依水園である。
なんども入ったことがあるが、季節によってさまざまな植栽と、点在する茶室などを楽しむことができる。
今回6月1日の開園記念日にあわせて行ってみた。(入園料がお安くなる)まあ、それだけではないだろうが、奈良もあっというまに海外の観光客が増えた。
まずは入り口の三秀亭。
普段はお食事処になっているが、なんと江戸初期の建築である!ここで開園記念日のみのイベント文人煎茶会、のぞいてみる。
依水園は江戸時代のエリア(前園)、明治時代のエリア(後園)に分かれているが、前園は17世紀後半(家綱・綱吉時代)、奈良晒の将軍御用商人・清須美道清が別邸として建てた建築、特にこの三秀亭は当時の数寄屋建築。内装は明治時代に改築したそうだが。
座敷に入るとまず目に飛び込んでくるのが睡蓮の咲く池、そして、、
大和の山の景色である。三秀とは若草山、春日山、高円山の三山をしめし、この座敷から一望できたそうだが、明治になってできた建築物にはばまれてちょっとしか見えないのが残念。
開け放した窓からは梅雨の頃の湿った空気に緑が美しくしたたる。
依水園はその後明治期に実業家・関藤次郎(現南都銀行頭取)の所有となり、築山式池泉回遊庭園である後園を作った。(戦後は海運業の中村家が所有し、現在に至る)
ここらへんの意匠は明治になってからのものであろう。
煎茶席ご担当は美風流、現在は奈良で活動をされている。お家元が文人画も即興で描かれるという煎茶がはやった江戸時代の文人サロン的な雰囲気をかもしだす。
(余談ではあるが、お家元の風貌、しゃべり方、いい意味の胡散臭さ(^_^;ゴメン、、、に、つい最近急逝した茶友、風来坊茶人Tさんを重ねてしまってなんだか、しみじみした。)
煎茶席のお菓子、家元のお嬢さんが手作りされたものとか。銘を「三秀」、美しいお菓子だった。
席の後、依水園側から三秀亭を見る。
次の席の最中のようだ。席中には世界各国からの外人さんの姿もちらほら。
さらに三秀亭遠景
昼頃には睡蓮はもう閉じてしまっていた。
改めて後園に入る。
おお〜!なんという美しい景色!
あの大きな屋根は、、、ああ!東大寺南大門!すごい、かっこいい、遠くからでも迫力や〜!
後園の作庭は裏千家の又妙斎だそうで、裏千家の茶室・又隠をうつした茶室もあれば寒雲亭をうつした広間もあり、いくつかの茶室がいくつかの建物に分かれて散在している。(ここらへん野村碧雲荘に似ている)
庭を散策しながらあちこちの席でお茶を楽しんだのだろうなあ。
一見りっぱな茶室にもみえるこの建物は寄付。なんて贅沢な寄付だこと。(絶対ここで茶会できる)
庭園は小川を渡ったり、築山に登ったり、景色の変化を楽しみ、水車小屋もあったり、、、
その季節の花を愛でる。
何年か前は桜の季節でお花見もできたなあ、、。
トンボやら、野鳥やらをみかけるのもうれしい。ここは奈良県庁のほんお隣の立地なのに。
大きな礎石と、
能舞台、ほとんど野村徳庵と同時代の同じテイストの趣味を感じる。
依水園を後にして、最近は市内循環のバスで楽に行ける方法を覚えたならまち南の果てにある七福食堂さん、この日はランチ休業であったが、念願の今月のパルフェ(枇杷と杏仁)いただけた。
その七福さんに行くときに降りるバス停が北京終町、そういえばJR京終駅(桜井線)近いんや、と思いつく。新しくなった駅舎がとてもおしゃれと聞いて一度いきたかったのだ。
七福さんから徒歩5,6分、これがJR京終駅か〜!
、、って、みなさんちゃんと「きょうばて」って読めました?
明治開業時のままだった以前の駅舎を利用しつつ数年前に修復させた駅舎で、すごく素敵。
駅ピアノで、あまりうまいとは言えないピアノを弾いていたお姉さん、なんだかその訥々とした音色がこの駅に妙にマッチして良い感じだった。
京終エリアの活性化を目標に作られたNPO団体(NPO KYOBATE)による案内所兼カフェ、<ハテノミドリ>
ここもとってもおしゃれ。
店内には奈良の特産品の販売もあって、軽食もあるのがうれしい。
珈琲飲みながらながめる景色は鉄道。
電車は1時間に2〜3本というめちゃローカル駅なのだが、だからこそ捨てがたい魅力があるなあ。ここで電車に乗って2分、JR奈良駅にむかった。
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