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2017-10

師走の茶事〜懐石は心づくしの河豚づくし - 2013.12.18 Wed

海風の吹く広くて心地よい露地のある、遠方のお茶室にてふたたび茶事にお招きいただく。前回は大炉の茶事、今回はお正客のA様のご相伴にて。


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ご亭主は、お若い、やる気と才能と環境にめぐまれたお茶人さん。正客のA様は縁あってご近所、茶について多いに語り、学ばせていただくことの多い方。このお二人に巡り会え、こうして一座をともにできるのは、不思議な茶の縁と申すもの。


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寄付の床に、つい先日描いてもらったばかりという河豚のユーモラスな絵が。これが実は前哨戦。

待合にはわが敬愛する柳宗悦先生の「嬉し悲しの六文字」の掛け物。「宗悦」とだけあったので、裏千家で有名な某宗悦先生と勘違いして、あとで伺ってひそかに赤面しつつもうれしく思ふ。

腰掛け待合いにはとっても嬉しいサプライズが!5人の客のため、一人一人にそれぞれ違った、時代の唐金の手あぶりがおかれていたのです。ひとつひとつが手のこんだ芸術品で、迎え付けそっちのけでそれらを愛でながらさわぐわれわれ、、、、(^_^;)

広いお庭はご亭主の心入れで、この季節に落ち葉一つなく掃き清められ、「茶の湯とは掃除することとみつけたり」派のわたくしといたしましては、感服いたすほかございません。


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本席ではお正客さんが最近興味をもっておられる庸軒流のお茶にちなんで庸軒の消息。(なんでこんなすごいのがでてくるかな〜。そういえば前回お招きにあずかったときは与次郎釜でぶっとんだっけ、、、、)

淨久(17世紀)の大蓋釜はたっぷりとして、今からその蓋が開けられるのが楽しみなこと。ご亭主はひそかに「風呂」という銘をつけているとかいないとか。

香合は古染付(明代末期・天啓年間の約20年の間だけ作られた)の毬挟香合。小さくてかわいくて、大ぶりな釜とのコントラストがナイス。蹴鞠の毬をはさんでとめるのに使った毬挟を模したものなので、古い年を「蹴り飛ばす」の意で使われたそうです。(^o^)


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さて、ここからの懐石は怒濤の河豚づくし!
しかもご亭主、お母上、奥様のお三人でさばいて手作りで料理された物ばかり。
ふだん出荷されるトラフグは2年物が多いのですが3年育てたトラフグははるかに大きくおいしいのだそうです。その三年トラフグの、、、、

お向こう:薄造り 当然ながら、んまい!
煮物:河豚しんじょう これも当然ながら、、、以下同文
焼物:白子の甘辛醤油で焼いた物  トロットロでこれ最高!(実は河豚の白子は苦手だったんだが)
八寸:河豚の煮こごり  これまたおいしゅうございました お酒進む


私ばかりこんなおいしいものいただいて、お父さんごめんなさい、と心の中でダンナにあやまる(^◇^;)と、同時に手作り懐石茶事1回でねをあげた自分をいたく反省。これがほんとうの茶事の懐石なんだなあ。
千鳥はオールドバカラのワイングラスにて、ワインを。先刻のお酒、「而今」もうわさに違わずおいしゅうございました。

主菓子の薯蕷がほかほかで、縁高のかわりにせいろ五段重ねででてきたときはこれまたびっくり。ここらへんの道具使いはかなり手練れですなあ。


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中立の腰掛け待合いでは、先ほどの人数分の手あぶりにまた新たな火がはいっていました。腰掛けて銅鑼を待つ間、海風でしょうか、上空の強い風にあおられる庭の木々の葉ずれの音を楽しむ。さいわいなるかな。

後座、濃茶席では四畳半の席中はもう薄明の状態、その中で聞く釜の音はしきりに脳内にα波を発生させる。夢居心地のなかで、正客のA様は茶巾が伊羅保のざらついた肌を拭く音が心にしみた、とおっしゃる。さすが、感じられることろが違います。

茶入は大ぶり紹鷗棗。蓋裏の花押に「旦」とあったので、まさか宗旦じゃないよね、と言っていたらまさしく宗旦だった!先週お招きした茶事のテーマが一応宗旦だったので、お出しくだされた。宗旦がテーマだからって私は宗旦の道具なんてもっておりませんの〜!こんなところでそれが完結するとは!ありがとうございます。

さて、このごろは後炭がとても楽しみ。釜を上げた時の炉中の炭の燃え方を拝見するのが好きなので。自分で炭にまつわる作業をこなし始めて初めて気づく事も多くて。この日も炉中の炭は美しく燃えて、火箸でつかめばほろほろっとくずれました。理想的。


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薄茶は日菓さんのお干菓子で。(写真はおもちかえりのぶんです)すはまの俵と雲平の袖。かわいい〜
薄茶開始の時に電灯をつけたので、釜に湛えられたお湯と、釜の底がはっきり見てとれて、これもまた感動でした。まさしく「風呂」やなあ。大蓋は蓋をあけると湯気がぱああ〜っと立ちのぼって部屋中を暖かくする。これも冬ならでの良い景色。

それぞれお薄を1〜2服いただいて、話に花が咲いて、最後は茶杓の銘「無事」でしめくくり。どうかどうか来年も無事にすごせますように。無事であることがどんなに貴いことか、この歳になってしみじみ身にしみてわかるようになりました。


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席を辞して帰り際にお母上にお庭の水仙をたくさんいただく。家でいけたら今もほのかに芳香がただよいすがすがしい気分になる。
振り返って、私よりはるかにお若いのに、すごい茶をするなあ、、と感銘をうけました。でも自分を卑下したりはしないようにしよう。かえって相手に失礼ですもの。私は私の茶の湯をするのみ。できれば、身の丈+ちょっと背伸び、、、くらいの。

さすがの正客ぶりだったA様、ご相伴させていただいてありがとうございました。M様もごいっしょできて楽しかったです。この茶縁がさらに続いてひろがりますよう。





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● COMMENT ●

すごいですねえ。今年のしぇる様のお茶はこの素晴らしい茶事で締めくくられるのでしょうか?
もしかして まだありますの?

ひいらぎ様

じつはまだあと一つレポートが、、、(^^;;

それぞれに

※ 身の丈+ちょっと背伸び、、、くらいの

いいですね。
庭に姫キンギョソウとノースポールの咲くころに知人をお呼びしてすることにします。
「まともな道具がありません」「乾豊彦さんや美術館じゃあるまいし」
「魚料理ができません」「紀文のはんぺん、ヤマサの蒲鉾、下村の焼きアナゴで十分」
「でもお姉さま、○○○が・・・・」「ぐずぐず言うな。あるもの、できることだけでいいじゃない。とりあえず呼べ。」
いつもこの繰り返しでした。
しぇる様のお言葉に従って久しぶりにやってみます。

N様

いえ、N様のお茶なら一番のごちそうは掛け物でしょう。
それ以外の道具はなんでもよろし、、、とわたくしも思います(^◇^)
「とりあえず呼べ」がいいですね。
いつか私もおよびください。
なんなら懐石は手弁当持参ででも、、、、(^_^)b

主客の暖かい交流が伝わってくる素晴らしいお茶事のご報告、師走の忙しい中のひと時、こちらまで嬉しくなります。初心者の私たちにはとても望むべくもないお茶事ですが、それぞれのお茶を楽しめば良いと心に決めて、私も来年は「とりあえず呼べ」でやってみましょう。

そらいろつばめ様

茶事をされると亭主のお人柄がさらにわかるように思います。謙虚なかたであまり表に出されませんが、実はすごいかたなのね、と感銘をうけました。
そらいろつばめ様の茶事も楽しくすばらしかったですよ!
また「とりあえず呼んで」ください!

ものすごいお道具、で、フグをさばく免許をお持ちなんて、ただ者ではないお方ですね。
そやし、而今も用意なさるんやなぁ。
一昔前の越乃寒梅に匹敵する入手困難なお酒。これ、お酒に詳しくない人が席におられたら、甲斐がないやろけど、そういうことも気になさらないようなお方なんでしょうね。

ぽん様

ただものではありません。びっくり。そんな席によんでいただける僥倖があろうとは思いもせなんだ。
そうか、而今はそんなに手に入りにくいお酒だったんだ。うわさだけはしっていたけれど。まだ発酵続けてます、、、という感じのお酒だった。んまかった、、、、そうか、そんな良いお酒いただいたんだ、、、、(知らないってコワイ)


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