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2023-12

4ヶ月ぶり夕ざり茶事〜重陽・菊慈童 - 2023.09.12 Tue

エアコンのない茶室ゆえにこの酷暑の夏の茶事は断念した。(賢明な判断(*^_^*))
9月の声を聞いてようやく茶事でもしようかという気になるが、あいかわらず日中は暑い。


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ゆえに夏座敷、いつまでこのままにするか悩ましいところ。


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裏庭のススキを玄関に、、、これ毎年同じことしてる(^_^;


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芳名録を記帳してもらう机に阿以波さんのうちわ。
よく見ると草むらに鈴虫がかくれている。このところ昼はつくつく法師、夜は虫の声がきこえる。


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今年も作りましたよ、自作の茱萸嚢。(重陽の節句に薬玉にかえてかける疫病除け)


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今回の百人一首セレクトは

  心あてに折らばや折らむ 初霜の 置きまどわせる白菊の花 (凡河内躬恒)

初霜なんてどこをさがしてもでできそうもない暑さだけれどね。


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真夏の間、寒冷紗などで養生した露地の苔、なんとかがんばった甲斐があって良いコンディション。


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蹲居の苔もさすがに9月になって元気をとりもどしたよう。


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エアコンのない茶室に水屋の冷気を送る工夫をあれこれ。
この特注の久保田美簾堂さんの簾導入以降、なんとか茶室の涼しさを保てるようになった。透かしのついたてを立てても水屋が丸見えなのが欠点(^_^;


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菊慈童がテーマなので、菊水を汲む手桶を花入れに。秋海棠、山ホロシ、藪茗荷、すすきは自前の庭から。リンドウだけもとめた。


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これも毎年これを使わな〜、、、の菊置上香合(林美木子)


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♪菊水の流れ〜泉はもとより酒なれば(謡曲「菊慈童」)、、、、の菊酒。これで寿命を延ばしていただこう。


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鱧と言えば祇園祭の頃、と思われがちだが、実は秋の方が脂がのっていて美味しい。


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今回導入した三重箱に焼物、強肴を銘々皿にいれて回してもらうという策。ちょっと深さが足りず、底が汚れたのが今後の課題。でもこれ一人でやっていると手間も省けるしなかなか良いアイデアだと思う。


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主菓子はいつもお世話になっているみのり菓子さんの誂え。
中は菊花とスダチ入りの餡。いわゆる着せ綿のお菓子は上にちょぼっと綿がのっているのが多いが、本来菊の露をとろうとすると、花を全部包み込むくらいの綿になる。だから、これぞ「着せ綿」の意匠。


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中立で風炉中点検、良い感じに火が熾っている。


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後座は灯火をあちこちつけて。簾越しのこの灯火の風情がとても好きだ。これも暑い季節しか味わえない。
濃茶の茶杓の銘が「若水」。本当は井華水なんだろうが、若さを保つ水、ということで。酈縣山(れっけんさん)のしたたりを飲んで700才以上生きた菊慈童にちなんで。



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よって薄茶のお菓子は<したたり>♪ (亀廣永)
祇園祭の菊水鉾でおなじみだが、今は通年買える。

  ところは酈縣の山のしたたり 菊水の流れ、、、


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も一つ、亀廣保さんの菊のお菓子も


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9月ともなればさすがに後座はあたりが暗くなる。この暗さのなかで語り合うひとときは夕ざりの醍醐味であろう。灯火にてお見送り。


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おつきあいくださったお客様へ感謝をこめて、お土産。
したたりを買いに行ったときにご近所なんで一緒に求めた、今季最後の<浜土産(はまづと)>(亀屋則克)。これも印象的な夏の和菓子である。



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