旧任天堂本社本社・丸福楼①〜建築編 - 2023.09.14 Thu

正面橋で鴨川をわたるとそこはかつて五条楽園とよばれていた、決して女子一人でいってはイケナイエリアであった。しかし某○クザさんの組事務所が無くなって、遊郭廃業にともないかつての建築を生かしたカフェーやゲストハウスができてきて、いまやインバウンドが我が物顔に歩くちょっとおしゃれな町になった。
さて、今回のおめあては、そのエリアにある丸福楼。お値段をみるに富裕層をターゲットにしたホテルである。
何年か前に来たときには廃屋となっていたこの建物は旧任天堂の本社なのである。
いまや任天堂といえば世界に通じる名前だが、1889年創業時にはかるた、トランプ(骨牌)の製造会社、山内任天堂であった。それ以降はいろんなゲーム機も製造してきたが、ワールドワイドになったのはやっぱりファミコン・スーパーマリオブラザースだろうな。私的にはお世話になったのは花札であるが。
建築家の安藤忠雄監修でオリジナル建築のリノベおよび新築棟を建て、ホテル丸福楼として昨年オープン。
ちなみに丸福とは最初の屋号からきたそうで、大阪の丸福珈琲とは何の関係もアリマセン。
まずは外観編
昭和5年竣工ということで、当時はやりのアールデコ調(しらんけど)
この外壁も当時のままなのだそうだ。新しく建てた新棟を含め四棟。
窓枠の格子にも丸福のマーク。
中に入ると、建築材料は当時のまま。
白鷺のオブジェは鴨川にたくさん生息する白鷺から。
振り返って玄関を見る。右手のちらっと見える窓のデザイン格子は丸福のマークになっているんだそうだ。(ちょっと見ようわからん)
床のタイル、地下の明かり取りのガラスも当時のモノ。
入ってすぐのホテルフロント。普通のフロントのイメージをくつがえすレトロでありながらスタイリッシュ。
四棟の移動はこの屋外の軒下を通る。(レストランcartaはいったん外にでないといけない)
ここは宿泊客用のダイニングラウンジ。飲み物や軽食もいただけるので、それをつまみながらノートパソコンでお仕事、、、のお客様もいらした。
一番奥のホテル棟。ここは四棟にそれぞれトランプの会社らしくハート、ダイヤ、クラブ、スペード名前がついている。ここはクラブ棟。
照明の上下に使われた丸福の木箱は当時のものだろうか。
部屋番号の上にも○に福。
照明器具は当時のモノをメンテしてつかわれているそうで、レトロ照明いいなあと思うのであった。
設計監督は増岡熊三という建築士?だが、調べてもよくわからないとのこと。せっかくこんないい建築残したのになあ。
(二階部分の出窓)
同じ内容の上棟札も飾られていたが、その背景は当時使われていたウイリアム・モリスの壁紙が。現在使われているこの壁紙はすべて刷新されたものだが、色調はこれにならったという。
昔懐かし、蛇腹のドアのリフト。当時は製品を運ぶのに使ったのだろうが、現在はお客様のトランクを運ぶ、というイメージ。(実際に使われているのかどうか不明)
この時代の建築に多用されたデザインタイルがまたええなあ〜。
ちなみにステンドグラスは一部オリジナルだが、フロアをしめす表示のこれは新しいモノ。(これはスペード棟ね)
二階のライブラリー。ゆったり座れるソファーや椅子もあり、付属のバーもあるといういごこちよい空間。
やはり読みたいのは任天堂の来歴にかかわる書籍かな。つねに未来志向のこの会社は、ちゃんとした社歴の成書を残さなかったそうだ。過去は振り返らないって。
そしてこの顔!
飾られていた絵は、江戸時代の男女が花札に興じているのかファミコンに興じているのか、という任天堂の今のイメージ。
建物は新築部分以外は任天堂社屋だったり、山内家の居住区だったりしたものだそうだ。何年前までこの建物が使われていたのかはよくわからない。一時は保険会社にリースしていたりしたこともあるらしい。おそらく戦後だろうな。
さて、このホテルの目玉の建築の次は、ディナー編につづく。
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