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2024-02

光悦会2023 - 2023.11.15 Wed

あしひきの 山かきくもり時雨(しぐる)れど 紅葉はいとど照りまさりつつ (紀貫之)

京都席の伝公任の掛け物の歌であるが、まさにこれを体現したかのような日であった。一時傘がいるほど時雨れてその後、紅葉はさらに色を増したのである。


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今年も光悦会、鷹ヶ峰に参上。


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今回も参加者を絞っていたようで、コロナ以前の混雑は無いのがありがたい。


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しかし、、、紅葉は今年はもひとつだった。遅れている感じ。

↓ これは去年の同じ日。今年は暑すぎる夏〜秋で紅葉はちょっと期待できないかも。

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例年の如く一番待ち時間が長い本阿弥庵〜自得軒〜騎牛庵(本席)へ。今年は東京席。

寄付の掛け物は、本阿弥空中・灰屋紹益・飛鳥井雅章の三筆詠草、鷹ヶ峰光甫(空中・光悦の孫)宅にて、というまことに場所柄ふさわしい。
遠州蔵帳にある藤田家伝来火箸の箱が蒟醤で印象的。
それから今年のトレンドは、久以の炉縁、南蛮縄簾水指は毎年のこと、なんとのんこうの灰器が3つもでていた。



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(丸い鷹ヶ峰)


待合の掛け物は光悦慶長色紙。金と銀(酸化してほとんど黒)の宗達の下絵。
日付がうれしいまさに当日、(慶長11年)11月11日!
火入れが染付紀三井寺。雲堂手じゃないの?と思って調べたら、雲堂手の上手のものを紀三井寺というそうだ。知らんかった。ひとつ学習。


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(雨がふると冷えるので囲炉裏はありがたし)


いよいよ本席
遠州蔵帳大覚禅師墨跡「居山」、これは弟子に与えた号、堂々たる横もの。ちなみに蘭渓と書いてあるので、これも?と思ったら蘭渓道隆の諱が大覚禅師だった。知らないことが多い。それを学びにここへきているようなもの。(お茶やお菓子は二の次)

砧青磁!大名物東山御物、小さくてかわいいけれどこの色がなあ、青が浅い感じが透明感あっていい。如窯の青に近い。後柏原天皇(15世紀)の勅命「吉野山」。入れられた花、その名も<加茂本阿弥椿>。



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茶入が名物唐物本行坊茄子、利休所持、わりとでかい。鴻池家伝来。瓶子蓋がまた立派。これに添った若狭盆の裏に利休のケラ判、宗旦の箱に「この盆我が家の宝秘蔵すべし云々、、」。
茶杓は紹鴎、宗旦筒。元節でよ〜く見ると下の方に針彫りで「一閑」。紹鴎は一閑斎と晩年名乗っていたので。
茶碗は高麗割高台(柳営御物)。とにかくごつい。割高台でなければ高麗のどこに分類されるのか不明。分類できないたぐいの茶碗かと。

菓子器が嘉靖赤絵、瓔珞紋。おお、先日の其中庵さんの茶事の向付がやっぱり嘉靖の頃の金襴手、瓔珞紋やった!萬歴赤絵の50年ほど前(1522〜1562年頃)に景徳鎮で焼かれた上手の赤絵である。



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大阪席は徳友庵、これがまたすざまじかった。なんとなれば席主が泣く子も黙る潮田さん(LIXIL)だから。

だって、だって、あの光悦の超有名な茶碗「乙御前」なんですよ〜茶碗が(ちなみに重文)。いつもガラスの向こうでしかお目にかかれない、、、しかも全員に手に取らせていただけるとは!もうはっきりお尻まで見ましたよ、あのソファのボタン留めみたいなお尻。初めてじかに見た。所持していた鈍翁が箱に「たまらぬものなり」と書き、楽の直入さんが一番好きな茶碗と言って手に取って涙もにじませたというあの名碗。潮田さんところへ行った直入さんが、之を手に取って語ること語ること、1時間以上だったという。



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茶杓が光悦、孫の空中筒。空中の封印マークは桜の花みたい。

掛け物は一山一寧。元からの渡来僧で鎌倉幕府からスパイを疑われ一時監禁されていた方。その徳に次第に名声を高め、許され建長寺、その後後宇多天皇の要請で南禅寺3世となる。その一寧が、恩義に感じて天皇の歌を写した墨跡。これも重文。


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(奥に光悦の墓所あり)

興奮さめやらぬまま三巴亭の名古屋席へ。

寄付は一休に私淑した(100年ほど離れてるけど)武将佐川田昌俊の雁自画讃。一休さんが好きで一休寺のかたわらに隠居した方だとか。
というわけで本席は一休宗純の、かの有名な「諸悪莫作衆善奉行」。真珠庵のが有名だが、こちらも真珠庵何代目かの和尚の極めがある。この言葉をしっていなければちょっと読めそうも無い字であるが、一休さんらしい感じ。


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書院飾りに光悦の鹿蒔絵硯箱があるが、面白いのがこれを所持していた光琳が質にいれた預かり状が添っていること。光琳ちょっとお金に困っていたからね(^_^; その後無事に手元にもどったのか、この預かり状のおかげで光琳が持っていたことがわかったという。


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今回の茶碗の中で、私の中ではピカイチだったのが、この席の玄悦。
すっごいごっついわ〜。迫力あるわ〜。ちょっと男性の手にもあまりそうなくらい。高台裏から側面〜口作りに届きそうな猛々しい釘彫り、それに複雑な曜変(御本)が内側の上半分に。さすがの関戸家伝来。御本では茂三が好きだけれど、玄悦もええな〜と思ったのであった。(だからといって入手はできないが)

水指が古染付の芋頭、佐野弥高亭伝来とあったが、今度行く予定の、名古屋の昭和美術館の茶室が佐野家からの移築からなので、ちょっと名前覚えた。佐野家は尾州の素封家、かつ佐野(灰屋)紹益の直直系の子孫なのだそうだ。



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最後に太虚庵の京都席。
ここの待ち時間が一番長く、しかも待っている間に時雨れること時雨れること。待合が屋外なので屋根があるとはいえ、しんそこ寒くてつらかった。
それも報われる冒頭の歌の伝・公任色紙。角度を変えてみるとしっかり雲英の唐紙だとわかる。仮名はなかなか読めないが、解説にあった歌が、時雨の後の紅葉の美しさを歌っていて、あまりにシチュエーションにぴったりで萌える。小間の太虚庵の雰囲気も抜群。


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もう一首は平兼盛(三十六歌仙の一)の

時雨ゆえかつぐ袂をよそ人は 紅葉をはらふ袖かとや見ん

(ちなみに会記には「はらふ」が抜けてる)
これもまた雅び。着物きているとよくわかる情景。

この歌色紙の軸装がまた美しかった。中回しの、古い衣装からとったと思われる花鳥の総刺繍。


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茶入が瀬戸海鼠手本歌「三輪山」
海鼠手とはなるほどの曜変のむらむら。幕末に福知山藩朽木近江守が入手し、手に入れ損ねた不昧が悔し紛れの狂歌?を残している。
「三輪山は福知山に納まり鬼の餌(大江山)となり申し候」(*^o^*)
池田候所持の若狭盆本歌あり。

茶杓、清巌宗渭共筒「霜夜風普(あまねく)庵円(内?)明」

茶碗が粉引のような堅手の雨漏りのような、決めかねる高麗。小堀十左衛門(遠州の四男)箱、銘を「有来(うらい)」。有来新兵衛(「へうげもの」にも出てたわね)が所持したことによる。
馬越化生が末期の茶をこれで所望し飲んだという逸話あり。



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眼福の数々のあとは口福もなくちゃ。
瓢亭さんの弁当、瓢亭卵付き、給仕の方の大原女のコスプレも復活。あたたかいお汁が冷えた体にうれしい。(まあ、心はホットだったけれどね)


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点心席からいつも見える真っ赤な満天星も今年はまだ80%くらいか。しかしこの雨と寒さで一気に色づくだろうな。


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今年も来ることができてうれしかった。やっぱりすごいわ光悦会。
(茶会として来てはイケナイ。古美術を見ておさわりが信条の会である)



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