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2024-02

時雨の夜咄茶事2023〜速水滌源居 - 2023.12.05 Tue

茶道速水流家元のお宅である速水滌源居、北野天満宮、平野神社のご近所である。


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今宵はこちらで夜咄茶事、<時雨の茶事>である。
初めて時雨の茶事に参席したのはコロナ禍渦中の2020年、3年前であった。途中でほんとうに時雨れてきて肌寒い日で、客も3名という(4名中おひとり気分不良にて)理想的な夜咄であった。今年久々に参席。


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門を入って露地行灯に導かれるまま、奥へ奥へ。幽玄の世界の始まり。(いや、これだけの蝋燭をつけるのはさぞお手間であったことだろう)


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最初の席入りは手燭の交換から。
まったく電灯を使わないので、露地も真っ暗、足下も手燭だけではちょっとおぼつかないくらい。ただし、十四夜の月が明るくてありがたい。昔の人の月への憧れがなんとなくわかる。

広間にて初座
本日はお客さん5名、正客様、次客様が本願寺派のお坊様。
座敷も短檠と手燭だけなので、目が慣れるまではおぼつかない。

手燭の灯りで見る掛け物は光格天皇の弟宮・聖護院宮盈仁親王(えいにんしんのう)の漢詩。

流祖速水宗達は、裏千家一燈の弟子、もともと御典医の名家出身であり、茶の湯の研究をした学究肌の人であったため、盈仁親王の茶道指南を通じて、お茶を愛した光格天皇(18世紀 朝議朝権の復活に熱心であった)の支持を受け、御所風の茶風(襲の色目の帛紗なども)を確立していった御家である。


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炭手前で、釜を上げると見える炭火が暗い座敷では頼もしい。釜は「滌源居」の鋳込みがあり、流祖の頃から使われていたという釜。
羽根が野雁であって、よく見ると虎縞、、どうも宗匠はタイガースファンらしい(^_^;(のちに虎柄の備前酒器もでてた)
光格天皇から仁孝天皇へかわる大嘗祭で使われた建物の古材で作られたという、さすがの香合、ぶりぶりで、花食鳥蒔絵。これも暗い中で扱うので要注意。


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懐石の時には思いっきり膳燭をだしていただいたので明るく。膳燭には50号くらいの大きな和蝋燭、これは迫力あって明るい。お酒は白酒(しろき・大嘗祭に使われるお酒になぞらえて)、宗匠はお酒がお強い。八寸の時など千鳥でだれだけきこしめされたか(^_^;


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(画像は3年前のもの)


最後に川端道喜さんの「雪餅」を食べて中立。
宗匠から建仁寺の茶会の時に「道喜さんではお菓子は黒文字を使わずに手で食べて欲しいといわれている」とお聞きしているので、手づかみ。黒文字でぐちゃぐちゃにつぶすよりはスマートだと私も思う。(きんとんなどは別だが、、、)


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中立の時には奥庭の前にある四阿の小間茶室にて待つ。3年前はこのときに時雨れてきてとても寒かった。この小間にともされた瓢の灯りと煙草盆の火入れの火のあたたかさ(視覚的にのみだが)がありがたかったことが忘れられない。
今年は寒さはましである。四阿の暗さと庭の遠慮がちなライトアップ両方を楽しんで、銅鑼の音を待つ。


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後座の花は竹一重切(流祖だったか?)の花入に椿、ハシバミ。
炉の火は赤々と。濃茶は久々に回し飲みの一碗、白っぽい古萩である。茶入は宗達箱の黄瀬戸、これも白っぽいので、暗い中に映える。

そして本日の主役、「しぐれ」の茶杓である。
この茶杓は、流祖宗達が削り光格天皇に献上、その茶杓が巡り巡って堂上家の一つ、勧修寺家へ、そして勧修寺家より「時雨」の銘と和歌とともに速水家に下賜、戻ってきた茶杓なのである。
蟻腰、長年の使用でつやつや、結構男前な茶杓であった。天皇さんの手にも触れたと思うと感慨深いなあ。

続き薄で使われた薄器は竹製で、蓋裏に花押、蓋表面に楓の漆絵。描いたのは本願寺の大谷尊由(明治〜昭和)、ここらへんお正客様次客様を意識。尊由はかの有名な大谷探検隊の大谷光瑞の弟になる。

かくして暗い座敷で各自御礼をのべてお開きとなる。
ああ、やっぱり夜咄はいいなあ。電灯に慣れた目や生活習慣では思いもつかないが、きっと昔の人は暗闇はこわかっただろうし、蝋燭の明かりは影が多い。灯火で見る茶道具もまた風情があるのである。

滌源居を辞して外に出れば22時ごろ、中天に上った月がいかにもさやけき、と言い表したいくらいであった。






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