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2024-04

筑紫の国で夜咄茶事 - 2024.02.16 Fri



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筑紫の国の茶事は二回目だが、今回は初めての夜咄である。よって宿泊予定にてはるばる九州へ。


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西鉄のアクシデントもありつつも、それでもご連客全員そろって席入り、篝火がむかえてくれた。
この篝火、茶事の間中お友達が絶えないように面倒をみてくださった。そんな事がお願いできる友人の存在にご亭主の人徳を思う。


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ご亭主の茶室は雀のお宿、「雀居」である。


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小間の茶室でもある待合には桃の絵が掛かる。おや、この灯火器はお雛様のお道具でみたことある。ほんまの菊置上の短檠ってあるんや。


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待合でしきりと湯気をあげる釜から、お詰さんが湯をくんで、くみだしとする。待合にまで炭を使われるのはタイミング的にも大変だと思う。(待合の火鉢でも私は苦労している、、、)


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腰掛待合には熱々の手焙りが2つも。これもまたふんだんに贅沢に炭を使っていただいてありがたいこと。(昨今の炭の値段の値上がりを知っている身にはよけいにありがたい)


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腰掛け待合で迎付を待つ。この建仁寺垣もご自分で組まれたモノ。竹藪のある山をお持ちだとのことで、竹がいつでも入手できるのはうらやましい反面、お手入れもたいへんやろな〜と。ちなみに右手の行灯の紙貼りもご自分で。DIYマイスター茶人だ。

正面の織部灯籠の灯火の勢いがすごくて、炎を上げて燃えて、入れていた障子まで焼き尽くすという、まさにご亭主の熱き茶人魂をここに見る。(たしか、魚の缶詰の缶利用の灯火器だったかと)

そして夜咄の醍醐味、手燭の交換をつつがなく。
ご亭主が、席に入る前に躙り口周辺の灯火器にひとつひとつ点火されていたお姿も風情があった。


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四畳半のお茶室の床には松花堂昭乗の軸。

  誰言春色従東到
  露暖南枝花始開    (和漢朗詠集)

作者は菅原文時(道真の孫・「陰陽師」ファンの方には「だすぅ〜のお方」(^_^;)
 
(誰か言う春色東より至る 露暖かにして 南枝に花(梅)初めて咲く)


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炭手前は高麗李朝オタクの私の為にご用意くださったお道具の数々。
堅手灰器(本来平茶碗っぽい)、高麗青銅灰匙、李朝火箸にご自分で竹の持ち手をつけたもの。
炭斗が「博多曲物」。東北では曲げわっぱというが、博多も曲げ物が有名なのね。

あと床の間に京都の茶友からあずかってきたという祇園祭神輿先導竹松明の燃えさしが数本。ご亭主は茶杓削りもプロ級なのだ。これで茶杓作って欲しいとたのまれたそうだ。

懐石の間も膳燭を惜しみなく、芯切りもこまめにされるのである。短檠も灯芯を7本使って、これ扱いが難しいのに、、、と灯火器マイスターの称号をさしあげたい。



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蝋燭の明かりにはガラスの酒器がよくうつる。あと、ほしいほしいと思っている垂涎の黒高麗の酒器をだされた時にはヤラレタ〜、、と。初期伊万里の杯もよかったな。


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主菓子は麩まんじゅうでそれぞれ菓子椀にいれていただく。丸くてころころ転がるな〜と思った黒文字はお庭の枝をご自分で削られた物。削りたてだからクロモジの芳香がすばらしい(これ好き)。


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中立をしようと躙り口をあけると、あたりはすっかり暗くなっていて灯火がため息が出るほど美しい。一体どれだけの灯火器をお持ちなのか。
ちなみに露地行灯の中の火は火屋付きランプである。蝋燭にしていて一度炎上したことがあるんだそうだ(^_^;


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腰掛け待合に座ってご連客と茶の話をし、灯火を愛で、このような場にいる今この瞬間が幸せなんだよね、という話をする。茶事がおわればまたみんな日常の暮らしにもどるから、今このわすかなひとときがまさしく一期一会、貴重だ。


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手焙りのこの目に見える熱量がおわかりいただけるだろうか。ほんまあっつあつ。ここまで手焙り熱くできたことがない。


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後座
障子に躙り口付近にぶらさげた灯火器の灯り。
床は払子とお多福のお面。(今日の客はお多福4人だからか?笑)

濃茶はお点前が奥様にバトンタッチして。井戸脇?御本呉器、塩笥、黒高麗(まさにかりん糖!)とこれまた大好きな高麗オンパレード。夜咄にぴったりな白い高麗白磁?の茶入、茶杓が細川三斎という。蟻腰、拭き漆、櫂先のカーブがなめらかでたまらん、華奢で細い。


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薄茶、でた!前もでて感動した複数の茶筅立て!(もちろんお手製)
濃茶を飲んだ後、茶碗に残った濃茶をお湯でうすめて薄茶点てするのに、各服になるように客の数だけ茶筅を使う手段。これほんまアイデアやわ。
しかも濃茶は星野茶園で一番高級な宝授を使ってくださっているからね。なおさら美味しい。

碁笥型の薄器は江州少林寺(守山市)の一休さんお手植えの木犀から削り出したものとか。(いくつかあるなかの一つか)
そして茶杓が先ほどの三斎の茶杓に似せた御自作。櫂先のカーブの再現がやはりむつかしいそうだ。それにしても今まで何本削らはったんやろ。

灯火器マイスター、夜咄達人、竹細工DIY茶人、、、、たくさんの称号を差し上げたいご亭主でありました。



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お開きになってふたたび入り口に戻ると、ずっとお世話をしてくれたお友達のおかげで松明はさらに赤々と夜の暗さに映える。
みたされた心で会を振り返り咀嚼し、今夜は筑紫で一晩お泊まり。ありがとうございました。




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