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2024-04

「謎解き奥高麗茶碗」〜根津美術館 - 2024.02.28 Wed



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久しぶりの根津美術館(東京で一番行っているかも)。


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今回気合いがはいっているのはテーマが「謎解き奥高麗茶碗」だからだ。いっしょに「魅惑の朝鮮陶磁」も開催。ただこれは今までの復習。(もちろんええの出てたよ。利休井戸香炉「此世」とかも)



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実は何年も前から「奥高麗茶碗」のイメージがもひとつはっきりしないので、いろんな本読んで人に聞いてしてたけれど、すっきりしない。もちろん唐津であることには間違いなのだが。
もう一つの疑問は奥高麗に平茶碗はありえるのか?ということ。一つ「奥高麗」と書いた平茶碗を持っていて、土は明らかに唐津、釉薬は枇杷色、でも平茶碗なんで奥高麗と人にいうのもちょっと遠慮してしまうのだ。

典型的な奥高麗のイメージは熊川なりの枇杷色の釉薬だったので、今回の展示に平茶碗はもちろん、本手瀬戸唐津、皮鯨、絵付き、沓形の茶碗まで含まれているのにびっくりした。ますます奥高麗がわからない。


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西田宏子先生(根津美術館学芸部元部長、現在顧問)の図録の解説を読んで、ここで「奥高麗」というのは、「唐津焼の茶の湯のために作られた茶碗」と定義しておられて、ならば本手瀬戸唐津も平茶碗も奥高麗にはいる。
思えば唐津は初期(1600〜1620年)以降は、懐石道具や日常食器にシフトして大量生産しており、茶の湯茶碗に特化したものは少ない。ゆえに茶の湯のための茶碗=奥高麗なのか。
奥高麗のちゃんとした定義って人によって色々ではっきり決まっていない。発掘調査など今後さらに進めばその定義も変わっていく可能性もありつつの奥高麗。
(茶友によると)林屋晴三先生は、奥高麗でなく潔く唐津とよぶべきとおっしゃってたそうだ。(もっとすっきりする)



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(杜若の芽がでてる)


しかしだれが奥高麗と名付けたかは不明で、雲州蔵帳に初めてその名がでてくるとか。(奥高麗として有名な「深山路」)
文禄慶長の役の頃、日本ではまだ熊川茶碗は使われていなかったのに(17世紀以降)、どうして奥高麗は熊川なりが多いのか?



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西田先生の時期分類によると、
初期の奥高麗は、慶長の役のあと来日した朝鮮陶工集団が、京都からの注文を受けて、日頃朝鮮で作っていた茶碗(=たまたま?熊川)を唐津で焼いた
→彼らが帰国した後(日本に残った陶工もいた)唐津の陶工が美濃陶器の影響もうけつつ焼いた
(皮鯨、平、鉄絵、沓形など)
→完成期・石ハゼ、巣穴を人工的に作る。作行きがさまざま、一碗ずつバリエーションありすぎ
(「深山路」「三宝」)だから奥高麗ってよくわからないのね。
→後期定型化 初期の熊川なりの作風を残すもの(もひとつよくわからない)


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こうやってまとめると展示を見てさらに混乱した頭が少しすっきりした。(私的解釈なので間違ってたらゴメン)そうか、京都の人の嗜好の変化で(伊万里ができちゃったし)唐津で茶の湯の茶碗を焼いていたのは20年くらいでしかなかったのね。その短い間に朝鮮の流れを引く茶碗が唐津で作られていたと思うとなにやらいとおしい。この春にはまた唐津やきもんまつり行くし、より深く楽しめるんじゃないだろうか。


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コロナ以降開いていなかったNEZUcafeにも久々に行けてよかった。


<おまけ>藁ぼっち または 稲藁ぼっち

根津の庭園のあちこちにこんなものを発見。何かを隠すためかしら?と謎に思っていて、翌日遠州さんの家元のお庭でも同じのがあって思わず聞いた。


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「藁ぼっち」
元は五穀豊穣を祈って稲藁で作った物、現在は冬の庭の彩りとして松竹梅の形をかたどった飾りだそうだ。(12月〜3月ごろまで)ひとつ賢くなった。



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