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2024-05

野村美術館特別鑑賞会2024早春〜御本茶碗 - 2024.03.29 Fri

昨年秋に参加した野村美術館特別鑑賞会2回目参加。
今回の谷館長の講義テーマは「御本茶碗」

これがまたなかなかむつかしいテーマなのである。
定義的には、対馬藩の釜山出張所であった倭館の窯で約70年間の間に焼かれた茶碗である。日本の茶人達の好みの注文品といわれる。(すべてがそうとは限らないらいしいが)

ちなみに韓国では<御本茶碗>は高麗茶碗とは認めていないのである。そこがまた面白いというか、いわゆる高麗茶碗における御本の立ち位置のわからなさでもある。



IMG_5170_2024032021231122b.jpeg

(例によって私的解釈なので、齟齬もあろうかと思いますが、その点ご了承を(^_^;)


<谷先生分類による高麗茶碗の産地>

   〜1570    従来窯 (朝鮮独自の窯 三島や刷毛目などや、特異点的な井戸)
1570〜1590    借用窯前期 (借用窯としては梁山法基里が有力候補)
  
     <文禄慶長の役 1597〜1598>で中断

1620〜1640    借用窯後期  (彫三島、伊羅保、蕎麦、斗々屋など)
1640〜1650    倭館窯前期
1650〜1720    倭館窯後期  (半使、御本など)
1718 倭館窯閉窯

現在の御本茶碗といわれるものの多くがこの倭館窯後期のものという認識。


IMG_5191_20240320220114e3d.jpeg


<1>のマークが法基里窯跡。釜山にも金海にも近いね。

御本茶碗の作風としては従来窯製品の写し(狂言袴など)、従来窯製品から発展させたもの(彫三島など)、倭館窯独自のもの(御本半使、御所丸、立鶴など)に分けられる。
弥平太、玄悦、茂三なども倭館独自の範疇。

呉器もまた井戸と同じく特異点で、御本呉器もあるが、多くは従来窯という認識。

半使もまたわかりにくい茶碗だと思っていたが、谷先生のお話では、当時の朝鮮通詞が朝鮮のいろんな所の焼物を大量に持ち込んで対馬藩に売ろうとした物が元なので、こういう形、という明確な定義はできないものなんだそうだ。やっぱりね〜。半使って言われたらそう?くらいにしかわからなかった。


IMG_5172_20240320212315ab0.jpeg


もう一つかねがね「対州(焼)」ってどういう範疇なのか、御本と区別がつくものなのか、疑問であった。倭館窯閉鎖の前にも対馬で焼かれていたかもしれないが、主には閉窯後のもの、つまり時代が下るもの、と考えていいのかな。対馬の土は朝鮮の土にとても似ているらしく、道具屋さんが「これは対州御本」と言うこともあるが、なんでわかるん??という疑問は残る。



IMG_5178_20240320212315bd0.jpeg


ということで、基本的には従来窯高麗が好きなので、御本はなんとなくわかった、、というあたりにしておこう(^_^;

講義の後は呈茶いただいて、美術館の展示をゆっくり堪能(本来休館日なので貸切)
野村徳庵の席披茶会再現、前期は棲宜荘(神戸)席披茶会がテーマである。
濃茶席の熊川「霊雲」がやっぱり良いのであった。





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