fc2ブログ
topimage

2024-05

横浜にて茶事〜華甲の祝と「棒」に貫かれた一会 - 2024.03.25 Mon

いままで行く度にすっかり光悦会・大師会気分になる横浜のご亭主の茶事、1年ぶりである。
ほんとうはね、ガラスの向こうにあるようなお道具なのに、さわりたおして、茶碗は口をつけて。
それでも一番うれしいのはご亭主の謙虚で誠実なお人柄かもしれない。客をもてなすためにあれこれアイデアをしぼり馳走してくださるお心に感謝しつつ興奮冷めやらぬ中、振り返り。



IMG_5214_202403241200253e4.jpeg


このたびはご亭主華甲の祝(還暦)にて、「赤」にこだわる。寄付の煙草入(惺斎在判)の銘が「猩々(赤い髪をしている)」ご亭主は男性ながら赤い帛紗を腰に付けて登場された。お茶目。

また「惺斎まつり」の様を呈し、見る道具見る道具の蓋裏を見るとあの惺斎の自動車判(花押)、極めつけは寄付の惺斎がどなたかに送った還暦祝の軸「一」。(惺斎:表千家12代幕末〜)
還暦は暦が巡ってまた一からという意味合いもあるのだ。そしてこの一を棒に見立てて棒まつりの開始。


IMG_5215.jpeg
(桜皮のアクセントのついた折敷 表のどなかの好み 山折敷か?汁の水引が手が込んでおり、中にめでたい赤い小豆がいくつも)

腰掛け待合には惺斎の扇絵で「華」と。近づいてよく見ると白胡粉で描かれた蟹も。なるほど、「華甲」。
席入り。
、、、いや、これが一番すばらしかった。
「黄檗六十棒打臨済」 宗旦の一行である。

六十は還暦に掛けているが、黄檗ー臨済の師弟関係が私は好きなのだ。
「松老雲閑 曠然自適」臨済の言葉でここから自分の茶室の名前をとった。(「雲閑」)
(諸解釈あるが)臨済が黄檗の元で修行していた日々を回想する言葉。よっぽど心静かなひとときだったのだなあ、、、と思っていたがなんのなんの!黄檗は臨済を叩きまくっていた。どつきあいで大悟する臨済、それでも雲閑か(しずか)なんだなあ。



IMG_5221_2024032412003573a.jpeg


表千家の霰灰ってこんなに美しい。ご自分でつくられたよし、ちなみに炉壇の白い釉薬の板もご亭主の作られた焼き物なんである。
炭手前、奥平了保(浄雪弟)のふとん釜、蓋のむらむらが美しい。○入、△入、、と楽歴代の炭道具もたくさんでてきたが覚えきれず、ただ志野の香合の銘が「紅」、これも惺斎だったような。練香・黒坊の香りは好き。



IMG_5216.jpeg


お水屋さんの懐石もすごかった。これは蟹しんじょうでなくてしんじょう蟹といいたい。華甲だけに蟹。
お酒がお正客様のお家のお酒、岐阜高山の大吟醸「いちい」、「氷室」(ヒムロック(氷室京介)協賛とか(^_^;)、これもわざわざご準備されたのね。
自家製カラスミべつもんの美味さ。
「棒」にちなんだ棒鱈の煮物(*^o^*) さらに小吸物につくしん棒(土筆)、たくあんも棒状に切りましたという、、、



IMG_5217_202403241200328ee.jpeg


しかし、懐石でみんなが歓声をあげたのは、これでしょう。
伊勢海老!(海老の)甲と赤、そして、、、


IMG_5228_20240324120039160.jpeg



決してほぐしやすいとは言えない伊勢エビの身がこんなにそぼろ状に、まるで花のよう。
水屋さんに深く深く感謝。初体験のテクスチュアにも驚きでした。



IMG_5218_20240324120032be4.jpeg
(表千家は八寸の拝見がある)

中立
後入りの合図はお成り物で、、、で、最初の数点は銅鑼にて(これも唐物の銅鑼「大山彦」の銘あり、どなたか忘れましたが歴代宗匠在判)最後の一点がギター(YAMAHA)+駅のチャイム、、、で一堂のけぞる(^_^; すごい道具を出しながらあくまでお茶目なご亭主なのだ。



IMG_5219_20240324120035089.jpeg


後座の床は宗旦尺八花入「古庵坊」に紅白の椿。
竹なので経年変化の味わいがすごい。
さらに床の畳におかれていたのは庸軒の字「正令当行」が入った塗りの竹篦(しっぺい・後に警策)、つまり棒である。
花入れの古庵坊とは、そういう名前のお坊さんがいたのかどうか不明だが(本覺坊や東陽坊みたいに)反古庵と称した庸軒は弟子だったから古庵坊だったりして、、などと竹篦見て想像してみる。



IMG_5220_20240324120035461.jpeg
(伊勢芋きんとんも水屋さんの手作り)


濃茶はのんこうの黒「翁」、六十翁とはなりにけり。
熱々がみなさんにいきわたるように各服点てにしていただいたが、それぞれついてきた出帛紗が12年ごとの辰年に作られた友湖のもの。何年前のものまであるのだろう。意匠は私の好きな雨龍(角がない小型の龍で雨をふらす)紋が多くて次々見入ってしまった。

茶入は小棗にて、蓋裏に如心斎の彎判。さすがにこの花押は知らない、ご連客の博覧強記茶事男子に聞いて、今回はこれを学習して帰ろうと思った。(情報量多すぎて全部は無理っ!)

茶杓がなんと道安。煤竹?っぽい色、共筒に歴代宗匠の箱がこれでもかとついている。
のんこうー如心斎ー道安、、、光悦会レベルを茶の湯の現場で見られるなんてなんと幸いなことであろうか。



IMG_5222.jpeg


後炭もまた炭道具をすべて替えてお蔵の深さを見せつつ、香合が交趾「桜鯉」、香合番付にも載るもので、鯉→滝を登って→龍!なのである。

お干菓子にはちょっとふいた。蟹や〜かわいい蟹さんの落雁や〜。煎餅の印は「无(=無)」、ご亭主の茶名から来る。
薄茶茶碗は前回見惚れて飲むのを譲ってもらったという御本(茂三か)から始まり堅手、柔手(堅手の)、粉引、、と高麗茶碗シリーズ、二服目が「赤」をねらって赤楽シリーズ、左入の赤、白釉が口に行くに従って赤くそまる「曙(暁?)」、桃の花の形に菱形高台の赤楽、、、いずれも楽しませていただく。

薄器が鶴首、蓋裏がやっぱり惺斎花押
茶杓が鼈甲、柄に惺斎の花押、、、の惺斎祭で鼈甲=亀、鶴と亀であったか〜!!と一堂ヤラレタ。


IMG_5213.jpeg


一会終わってご挨拶に見えられたとき、お正客様から庸軒の竹篦で打ってみてはどうか?というご提案、素直にはい、受けます!と参禅の時の警策をうける姿勢をとってくださるご亭主、好き。
客全員の棒打を受けて、(さぞや痛かったと思うが←思いっきりたたいた)新たな干支の一巡りに向かうご亭主さま、おめでとうございます。そしてありがとうございました。






関連記事

● COMMENT ●


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://cherubinpriel.blog.fc2.com/tb.php/2178-5009331f
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

The SODOH Higashiyama Kyoto〜竹内栖鳳旧邸をたずねて «  | BLOG TOP |  » 仕舞「山姥」クセ〜観世会館にて舞う

最新コメント

プロフィール

しぇる

Author:しぇる
京都へ移住する前から書いているブログなので、京都移住後もタイトルに愛着がありこんなタイトルです。でも「もう・住んでる・京都」です。旧ブログから引っ越ししてきました。

最新記事

カテゴリ

未分類 (17)
茶の湯 (418)
茶事(亭主) (88)
茶事(客) (185)
茶会(亭主) (19)
煎茶 (10)
京のグルメ&カフェ (97)
町家ウォッチング (10)
弘道館 (7)
岡崎暮らし (114)
MUSIC (4)
能・歌舞伎 (66)
京都めぐり2024 (5)
京都めぐり2023 (33)
京都めぐり2022 (29)
京都めぐり2021 (30)
京都めぐり2020 (19)
コロナ緊急事態宣言下の京都2020 (12)
京都めぐり2019 (28)
京都めぐり2018 (20)
京都めぐり2017 (30)
京都めぐり2016 (34)
京都めぐり2015 (34)
京都めぐり2014 (39)
京都めぐり2013 (36)
京都めぐり2012 (6)
本・映画 (15)
美術館・博物館 (152)
奈良散歩 (132)
大阪散歩 (1)
着物 (9)
京の祭礼・伝統行事 (61)
祇園祭2024 (1)
祇園祭2023 (9)
祇園祭2022 (11)
祗園祭2021コロナ下 (5)
コロナ下の祇園会2020 (1)
祗園祭2019 (18)
祗園祭2018 (11)
祗園祭2017 (17)
祗園祭2016 (18)
祗園祭2015 (16)
祇園祭2014 (13)
祇園祭2013 (14)
修二会2024 (10)
修二会2023 (10)
修二会2022 (8)
コロナ下の修二会2021 (6)
修二会2020 (5)
修二会2019 (3)
修二会2018 (4)
修二会2017 (4)
修二会2016 (3)
修二会2015 (3)
修二会2014 (3)
修二会2013 (3)
その他の町散歩 (14)
京都和菓子の会 (4)
ソウル紀行2023 (3)
イスタンブール・カッパドキア紀行2013 (8)
英国田舎紀行2015・湖水地方とコーンウォール (7)
パリ紀行2014 (7)
ノルウェー紀行2016 (4)
古筆 (1)
ポルトガル中部〜北部紀行2017 (7)
京都でお遊び (13)
ギャラリー (4)
暮らし (14)
中国茶 (49)
京都の歴史・文化について勉強 (3)
過去ブログ終了について (0)
猫 (1)
滋賀さんぽ (21)
オランダ・ベルギー紀行2018 (9)
ニュージーランド紀行2019 (9)
台北旅行2018 (3)
高野山 (2)
骨董・工芸品 (1)
東京散歩 (2)
諏訪紀行2021 (4)
金沢さんぽ (2)
御所朝茶 (4)
熊野三山巡り (2)
有田2022 (1)
兵庫さんぽ (1)
太宰府 (2)
丹後旅行 (3)
仕覆制作 (6)
信州旅行2023 (2)
京都モダン建築 (3)
春日若宮おん祭2023 (3)
春日若宮おん祭2022 (3)
台湾2024 (0)

月別アーカイブ

検索フォーム

リンク

このブログをリンクに追加する

QRコード

QR